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あける
夫の借金が発覚した場合、妻に返済義務はあるのか?配偶者の借金に返済義務が生じるケースとその対処法
目次
夫が妻に内緒で借金をするケースがあると聞きますが、実際に借金は内緒でできるものなのでしょうか?
消費者金融の中には、顧客を獲得するために電話連絡や郵送なしで貸し付けを行っているところもあります。こういった場合、家族に秘密にして借りることは可能です。
とはいえ、一緒に暮らしている以上、長期間隠し通すのは非常に難しいでしょう。確かに、借金を隠し続けるのは困難です。隠す方法もありますが、最終的には借金生活を終わらせ、正直に話すことが最も良い解決策だと言えます。
妻に内緒で借金をしている人は少なくなく、その理由によっては離婚に発展することを恐れて話せないという人も多いのが実情です。
しかし、借金問題は長引けば長引くほど、督促や明細書の影響で妻に知られる可能性が高くなります。また、長期間隠していたことで夫婦関係が悪化することも避けられないでしょう。
この記事では、配偶者の借金について返済義務が生じるケース、借金が発覚したときに確認すべきこと、そしてその際の対処法について解説します。また、配偶者の借金が原因で離婚を考えている方に向けて、借金がある場合の財産分与や慰謝料についても説明しますので、参考にしてみてください。
「妻に隠された借金」は珍しいことではない
実際、夫婦間で借金を隠しているケースは少なくありません。特に消費者金融からの借り入れは、審査が比較的緩いため、申し込み段階では家族に気づかれるリスクが低いと言えます。
男性の場合、借金の原因としてギャンブルや趣味に使う費用が多い傾向があります。こういった借金の理由が遊びであると、言い出しにくいのは自然なことです。
しかし、内緒で借金をしているからといって、自分を過度に責める必要はありません。借金によるストレスで心や体に不調をきたし、仕事や日常生活に支障が出ると、家族に余計な負担をかけることになります。
基本的には、正直に伝える方が良い
どんな理由であれ、内緒で借金をした時点で、その事実を打ち明けるのは難しいと感じるものです。
「いつかは話さなければならない」「いずれはバレてしまう」といった不安や焦りが心の中に渦巻いているのではないでしょうか。逆に、バレた時にその時を考え、あまり深刻に考えていない人もいるかもしれません。
どちらにしても、夫婦関係を壊したくないのであれば、正直に伝える方が賢明です。問題が長引くほど相手の印象は悪化しますし、もし相手が自分の口からではなく「うっかり」知ってしまった場合、最悪の場合、離婚に繋がることもあります。
借金が発覚する理由とその対策方法
正直に伝えることが重要だと分かっていても、どうしても隠さなければならない状況もあるでしょう。
しかし、夫婦として生活を共にする中で、借金を隠し続けるのは非常に難しいことです。どんなに隠そうとしても、予期せぬタイミングでバレてしまう可能性が高いです。
このセクションでは、妻に借金がバレる主な理由と、それを防ぐための対策方法について詳しく解説します。
金融業者からの電話や郵便物
妻に借金がバレる代表的な理由として、金融業者からの郵便物や電話があります。これらの郵便物や電話は、大きく分けて「契約書や明細書」「キャンペーンや勧誘」「督促」の3種類に分類されます。
契約書や明細書は封書やシール付きの葉書で届きます。金融業者の会社名に気づいた家族が不審に思い、勝手に開封して借金が発覚するケースもあります。
さらに、すでに借り入れがある金融業者から追加融資を促すためのキャンペーン案内が届くこともあります。加えて、借り入れ履歴がある場合、顧客情報が流出し、他の金融業者に「借りやすい人」としてターゲットにされるリスクもあります。
また、返済が遅れると督促が行われます。金融業者に自宅への連絡を避けるよう頼んだとしても、延滞が長引けば配慮されることなく督促が来ることがあります。
キャンペーン案内や勧誘が届いた場合の言い訳方法
キャンペーンや新規勧誘の電話や郵便物は、各金融業者のコールセンターやウェブサイトで停止できる場合があります。しかし、もし停止できずに郵便物や電話が届いてしまった場合、前述の「借り入れ履歴があるとターゲットにされやすい」という点を言い訳として使うことができます。
つまり、妻に疑われた場合、「結婚前に借り入れをしたが、完済後も勧誘が来る」と説明することができます。また、顧客情報が他の業者に流出している可能性を伝えると、複数の業者から勧誘が来ても納得されやすいでしょう。
とはいえ、その場ではうまく説明できたとしても、不審に思われるリスクは残ります。その後、言動や持ち物について注意深くチェックされる可能性があるので、慎重に行動しましょう。
金融業者に連絡して契約書や明細書の郵送を停止する
各金融業者のコールセンターに連絡することで、明細書などの書類を郵送しないように設定できます。また、ウェブサイトの会員ページを通じて、書面ではなくweb明細を選べる会社もあります。
さらに、自動契約機や店舗で契約を行う金融業者では、契約書が郵送されることはありません。
契約書が郵送されない業者を選び、その後、コールセンターやウェブサイトで書類の郵送を避ける手続きを行うことが重要です。
督促を避けるために延滞しないことが重要
最も重要なのは、返済を延滞せず、督促を受けないようにすることです。期日内に確実に支払いを続けましょう。
そのためには、借金が膨らまないように努めることも大切です。借入額が増えると、月々の返済額も増加し、支払いがより難しくなります。
この記事を参考に、今後は借金がこれ以上膨らまないように心掛けてください。
契約書やキャッシングカードが見つからないようにする
契約書やキャッシングカードを自宅に保管していると、それらが見つかり、借金がバレてしまう可能性があります。
一緒に暮らしている以上、完全に隠し通すのは難しいでしょう。掃除中に偶然発見されることもあれば、妻が疑念を抱いて意識的に探し始めることも考えられます。
車など「見つからないだろう」と思って隠した場所でも、発見される可能性はゼロではありません。借金の証拠を隠す場合は、自宅以外の場所を選ぶ方が安全です。
契約書やキャッシングカードは「妻が来ない場所」で保管する
自宅以外で隠し場所を探すとすれば、最も身近なのは職場かもしれません。多くの企業では、各自にデスクやロッカーが与えられていることが一般的です。
職場の環境にもよりますが、同僚が借金のことを追求する可能性は低いと思われるため、安全な隠し場所として有効でしょう。自宅と同じかそれ以上に多くの時間を過ごす場所でもあるため、物を持ち出しやすい点も便利です。
もし職場での保管が難しい場合、貸金庫や貸しロッカーも選択肢となります。多くの銀行では口座を保有していれば貸金庫を利用でき、最近では月数千円で利用できる貸しロッカーサービスも増えてきています。
やや大げさに感じるかもしれませんが、借金を完全に隠しきる覚悟があるなら、こうした工夫も必要です。
カードレスの金融業者を選ぶことを検討する
金融業者を選ぶ際、キャッシングカードを発行しない業者を選ぶことも効果的な方法です。借金の証拠を掴まれないようにするためには、そもそも証拠を作らないという意識が重要です。
ただし、カードレスの金融業者は選べる選択肢が限られているため、その点がデメリットとなる場合もあります。各社のウェブサイトでカードレスに対応しているかどうかを確認しておくと良いでしょう。
また、銀行系のカードローンでは、ATMで使用するキャッシュカードにキャッシング機能を追加できる場合があります。銀行のキャッシュカードなら、仮に見つかっても不審に思われにくいという利点があります。
ATM利用明細や銀行口座の履歴に注意する
借入や返済に銀行口座を使用している場合、借金が発覚することがあります。
ATMの明細書には、金融業者の名前や「融資」「返済」「カードローン」などの詳細が記載されており、これが原因で借金がバレるケースもあります。ポケットに入れたまま明細書を洗濯してしまったり、財布やカバンをチェックされたりすることで発覚することが少なくありません。
また、銀行口座の履歴にも注意が必要です。口座内で不自然な取引があれば、すぐにバレる可能性があります。通帳の記帳はもちろん、最近ではweb明細を利用する銀行も増えてきました。家族の中で誰がどの口座を管理しているか、十分に注意することが大切です。
振込融資や口座振替の利用は避けるべき
銀行口座の履歴から借金がバレるのを防ぐためには、まず銀行口座を利用した取引を避けるのが効果的です。
例えば、借入金が銀行口座に振り込まれる振込融資や、口座からの振替返済は履歴が残るため、通帳を記帳されるとすぐに発覚してしまいます。
ATMでの借り入れや返済を行うと、履歴が残らないため、発覚のリスクを減らすことができます。ただし、銀行系のカードローンは口座と紐付けられていることが多く、銀行のウェブサイトから履歴を確認される可能性があるため、注意が必要です。
利用明細は自宅外で処分することを心掛けよう
ATMの利用明細は通常、保管しておくことはありません。借入や返済の履歴が必要な場合でも、後からまとめて発行できることが多いため、必要時に再発行をお願いすることが可能です。
そのため、ATMで発行された利用明細は、すぐに処分することをおすすめします。自宅に持ち帰ると、処分を忘れたり、ゴミ箱から偶然見つかってしまう可能性があるので、外で処分する方が安全です。
ATMの利用明細が犯罪に使われることはほとんどありませんが、不安がある場合は細かくちぎって、コンビニなどのゴミ箱に捨てるようにしましょう。
スマホやパソコンの検索履歴・閲覧履歴の管理
スマホやパソコンで「借金」や「金融業者」を検索すると、検索履歴や閲覧履歴が残ることになります。
履歴が必ずしも決定的な証拠となるわけではありませんが、不審に思われるきっかけにはなり得ます。パスワードや指紋認証を設定しても、履歴が見られるリスクを完全に排除することはできません。
そのため、検索や閲覧の履歴は残さないようにし、万が一見られることがないように注意しましょう。
検索履歴を削除し、プライバシーモードを活用する
Google検索のサジェスト(キーワード入力時に表示される検索候補)は手動で削除することができます。また、インターネットブラウザの設定からウェブサイトの検索履歴や閲覧履歴を削除することも可能です。
ただし、履歴が全く残っていない場合、逆に「やましいことがあるのでは?」と疑われる可能性もあるため、すべてを消去するのではなく、必要なものだけ消す方が良いでしょう。
さらに、シークレットウィンドウやプライベートブラウジングなどのプライバシーモードを利用すれば、履歴が残らないため、削除の手間を省くことができます。
ローン審査や奨学金の保証人審査に影響が出る
家族がいる場合、家や車を購入したり、子供の奨学金や教育ローンを申し込んだりする機会が訪れることがあるでしょう。その際、これらのローンには必ず融資審査があります。
銀行も消費者金融も、融資を行う前には必ず信用情報をチェックします。クレジットカードや借り入れ履歴は信用情報機関を通じて共有されているため、隠すことは不可能です。
過去に滞納履歴があると、それが原因で審査に通らない場合があります。さらに、総量規制により個人への融資には制限があり、借金総額が年収の1/3を超えると貸し付けができなくなります。
貸金業者は、融資契約を結ぶ際、顧客の返済能力を超える貸し付け契約をしてはならないと規定されています(出典:e-Govポータル「貸金業法第13条の2」)。
ローン審査で「完済条件付き承認」といった回答が出ることもあり、現在の借金を完済すれば融資が可能になる場合があります。このような審査結果により、借金が発覚するケースもあるかもしれません。
ローン審査が必要な高額商品は購入を見送る
借金がローン審査で発覚するのを防ぐためには、ローン審査自体を申請しないことが最も効果的な方法です。つまり、不動産や車などの高額な購入は諦める必要があります。
また、もし購入に関する手続きを全て自分で行えば、審査の回答も自分一人で受け取ることができる可能性があります。しかし、これは購入の経緯や夫婦間の合意、時間の調整など、各自の状況によるため、必ずしも実現できるとは限りません。
「持ち家より賃貸の方が経済的」「車は購入するよりカーリースの方が費用を抑えられる」といった、将来的な高額商品購入を避けるライフプランを家族に提案してみるのも一つの手です。
奨学金には機関保証を利用する
教育ローンは奨学金とは異なり、「親の借金」となるため、審査を回避することはできません。一方、奨学金は「子供の借金」となるため、利用前に子供と十分に話し合うことが重要です。
奨学金では、親が保証人となり、代わりに機関保証を利用する方法もあります。機関保証を選ぶことで、保証人を立てる必要がなくなり、親の借金が審査に影響を与えることはなくなります。
保証料は、毎月の奨学金から差し引かれる形で支払われます。その金額は奨学金の種類や進学先に応じて異なるため、日本学生支援機構の公式ウェブサイトで確認することができます。
借金を隠すためには日常生活の態度や暮らし方にも注意が必要
借金がバレる主な理由について紹介しましたが、これらの対策を完璧に行っても、場合によっては借金が発覚することもあります。夫婦関係においては、日常的な態度や些細な変化から、相手が何か隠しているのではないかと疑われることもあるでしょう。
隠し事が借金だと直接的にわからなくても、浮気など別の疑いをかけられることも考えられます。借金を隠す理由は様々だと思いますが、根本には「夫婦間で揉めずに平穏に過ごしたい」という気持ちがあるのではないでしょうか。
そのため、借金を隠す際には、あらぬ疑いを避けるためにも、常に冷静に、平常心を保つよう心がけることが大切です。
会話や帰宅時間がきっかけで借金が気づかれることも
「女性の勘は鋭い」とよく言われますが、実際、科学的にもいくつかの根拠が示されています。
例えば、女性は「右脳と左脳を繋ぐ脳梁が太く、情報を総合的に処理する能力が高い」とする説です。この説が正しければ、男性にとっては全く関係のない情報でも、女性はそこから事実を推測できることになります。
日常の会話でも、極端にお金の話題を避けたり、罪悪感から急に優しくなったりすると、逆に不審に思われるかもしれません。帰宅時間の遅さや休日の外出頻度から、疑念を持たれることも考えられます。
「平常心を保つ」というのは、態度や行動を急に変えないことを意味します。借金をする前と同じ生活スタイルを維持することが大切です。
借金返済のために新たな借金をしない
平常心を保つため、そして返済を滞らせないためにも、新たに借金をしてはいけません。一時的な解決を図るために借金を重ねても、結果的にさらに苦しむことになります。
月々の返済が困難になった時点で、1人で問題を解決しようとするのは無理だと考えるべきです。率直に打ち明け、家族の協力を得ることが重要です。
もし借金を繰り返し、自分でコントロールできなくなっている場合は、迷わず周囲の助けを借りるべきです。さらに、そうした状況から抜け出すために、「債務整理」を活用して借金を減額・免除する方法もあります。
実際に債務整理を行うかどうかは、無料相談後に決められるため、まずは気軽に弁護士のアドバイスを受けてみましょう。
配偶者に返済義務が生じる借金のケース
冒頭でもお伝えした通り、借金の返済義務は基本的に契約者本人にあります。そのため、生活を共にしている場合でも、配偶者名義の借金に対して返済義務を負うことはありません。しかし、絶対に返済義務がないとは言い切れません。以下のいずれかに該当する場合には、たとえ妻(夫)の借金であっても、配偶者に返済義務が生じることがあります。
- 借金の理由が「日常家事債務」
- 配偶者が連帯保証人になっている
- 借金が自分名義である
借金の理由が日常家事債務に該当する場合
日常家事債務とは、夫婦が共同生活を送る中で日常的にかかる支出、すなわち生活に欠かせない生活費のことを指します。もし妻(夫)が生活費のために借金をしていた場合、その借金は「日常家事債務」とみなされることがあり、その場合、夫にも返済義務が生じることがあります。民法では、日常の家事に関連する債務に関して連帯責任があることが以下のように定められています。
(夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をした場合の連帯責任)
第七百六十一条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたとき、もう一方は、この行為によって生じた債務について連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対して責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
引用元:e-GOV法令検索|民法
日常家事債務の対象範囲
夫婦ごとに金銭管理の方法は異なりますが、同じ家に住んでいる以上、共に使用しているものが必ずあります。例えば、以下の費用は「公平に負担すべきもの」とされています。
- 家賃
- 生活家電の費用
- 公共料金
- 食費
- 教育費
- 生活必需品の費用 など
もし妻(または夫)がこれらの共同で負担すべき費用を捻出するために借金をしていた場合、その借金は共同で負担することになります。例えば、住んでいる家の家賃を支払うことができない場合、名義人が妻(または夫)であっても、配偶者には返済義務が生じます。
また、金融機関のローンで言うと、子どもの教育ローンが一例として挙げられます。教育ローンを契約する際、夫婦のどちらかが名義人となりますが、子どもの教育は夫婦で一緒に行うものです。そのため、妻(または夫)の名義でローンを組んだ場合でも、もう一方の配偶者には返済義務が生じます。
日常家事債務の判断基準について
教育費や家賃などが日常家事債務に該当することは明確ですが、場合によってはその範囲が曖昧なこともあります。実際、基準については明文化されておらず、線引きが不明確な部分もあります。
借金の返済義務があるかどうかを判断する際には、購入した物の種類や価格、家計の状況、地域の慣習などを考慮した上で、弁護士などの専門家に個別に相談し、判断を仰ぐことが必要です。
配偶者が連帯保証人となっている場合
契約者本人が返済できなくなった場合、連帯保証人や保証人が代わりに返済責任を負うことになります。したがって、配偶者名義のローンで連帯保証人や保証人となっている場合、自分がその返済をしなければなりません。
特に連帯保証人である場合は、契約者本人と同様に督促を受けることや、財産が差し押さえられるリスクがあるため、注意が必要です。
保証人と連帯保証人の違いについて
連帯保証人と保証人は似ているように見えますが、実際には大きな違いがあります。保証人は民法に基づき、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」といった権利が認められています。
- 催告の抗弁権: 支払いを請求された際に、先に本人に請求するように主張できる。
- 検索の抗弁権: 支払いを求められた際に、最初に本人の財産を差し押さえるよう要求できる。
- 分別の利益: 複数の保証人がいる場合、支払うべき金額を分割する権利。
つまり、保証人の場合、配偶者の借金の代わりに支払いを請求された際でも、「本人に請求してほしい」と主張して支払いを拒否することができます。また、契約者本人に財産があれば、それを差し押さえて返済させるように訴えることも可能です。
一方で、連帯保証人にはこれらの権利は認められません。
借金が自分名義である場合
妻が家計を管理している場合、夫の銀行カードやパスワードを知っていたり、夫名義のカードで買い物をすることは珍しくありません。しかし、基本的には債務の支払い義務は契約者本人にあります。
また、クレジットカードの場合、規約により本人以外の利用は禁じられています。例えば、妻が夫名義のクレジットカードで高額な買い物をした場合、その行為はカードの規約違反に該当し、支払いの免除を受けることは難しいでしょう。
さらに、クレジットカードの不正使用は夫婦間に限らず、未成年の子どもによるケースでも発生します。子どもが使った場合でも、クレジットカードの支払い義務が免除されることは原則としてありません。
特定の条件下では契約が無効になる場合も
妻が夫名義の借金を作った場合でも、必ずしも夫に支払い義務が生じるわけではありません。無権代理として認められた場合、その契約を無効にすることができます。無権代理とは、金銭契約を代わりに行う権限がない状態を指します。
この無権代理が認められるためには、夫がその借金に気づかなかったこと(善意無過失)を証明しなければなりません。金融機関に対して無過失を立証するためには、法的知識が必要であるため、手続きが難しい場合があります。そのため、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。
配偶者の借金が発覚した場合に確認すべき事項
配偶者に借金があることが判明した場合、その事実に大きな衝撃を受ける方が多いでしょう。しかし「借金」と一口に言っても、その金額や背景はさまざまで、単に金額の大きさに注目しがちですが、担保や連帯保証人の有無によっても対処方法は異なります。そのため、早急に状況を確認することが重要です。
そこで、夫(妻)に借金があることが明らかになった際に確認すべき点について説明します。
借入先と借金の総額を確認する
「借金をしている」という事実が発覚した場合、まずは借入先と借金の総額を確認することが重要です。現在の借金額は、ATMの利用明細で確認できますが、金融機関によっては借入残高が明細に記載されないこともあります。その場合、本人にネットバンキングの会員ページなどで確認してもらうと確実です。
しかし、借金額が非常に大きい場合、本人が金額を開示しないこともあります。家族が借金残高を確認したい場合でも、金融機関に問い合わせてその情報を得ることはできませんので、その点には注意が必要です。
保証人や連帯保証人がいるかどうか
最初に説明した通り、もし自分が配偶者の借金の連帯保証人になっている場合、返済義務が発生するだけでなく、督促や差し押さえのリスクも伴います。また、連帯保証人や保証人が夫婦以外の第三者である場合でも、延滞が続くとその第三者に迷惑がかかる可能性があります。
消費者金融のローンや銀行のカードローンの多くは、申込時に保証人が不要ですが、自動車ローンは借り手の状況によっては保証人を求められることがあります。さらに、奨学金を人的保証制度で借りている場合も、保証人や連帯保証人が必要です。そのため、該当するローンを借りている場合は、必ず保証人の有無を確認するようにしましょう。
担保が設定されているかどうか
担保とは、借金の返済が不可能になった場合に、物品を換金してその金額で返済に充てることができるものを指します。土地や不動産を担保にすることで、高額な金額を低金利で借り入れることが可能です。
不動産を担保にしてお金を借りることには手続きが面倒だというイメージがありますが、近年ではインターネットの普及により、不動産担保ローンの申し込みが手軽になっています。例えば、楽天銀行の不動産担保ローンでは、インターネット上で審査申し込みができ、銀行窓口に行くことなく手続きが完了します。
もし自宅を担保にして借金している場合、延滞が長引くと家を売却されてしまう可能性があります。借金が発覚した際には、担保があるかどうかを必ず確認することが重要です。
延滞があるかどうかを確認する
借金が期日通りに返済されているかどうかは、必ず確認するようにしましょう。「督促の連絡がないから延滞していないだろう」と本人に確認せずに判断するのは危険です。特に消費者金融などの金融機関では、督促が家族に気づかれないように配慮して行われるため、実際には長期間延滞していても家族が気づかないことがあります。
延滞が2~3ヶ月以上続くと、信用情報に影響が出てブラックリストに登録され、一定期間ローンの契約ができなくなります。ブラックリストに載っても他の人には影響はありませんが、本人が自動車ローンや住宅ローンを組む予定があった場合、その計画が大きく狂ってしまいます。
さらに延滞が続くと、最終的には金融機関から法的措置が取られ、給与や財産が差し押さえられる可能性もあります。給与差し押さえが行われると、勤務先に借金の延滞が知られることになります。延滞を放置するのは非常に危険ですので、借金の額や存在だけでなく、必ず返済状況も確認するようにしましょう。
借金をした理由
お金を借りるという行為には、必ず何らかの理由があるはずです。借金の原因は人それぞれ異なり、「冠婚葬祭が重なった」など一時的な支出増が原因の場合もあれば、ギャンブル依存や浪費など、慢性的な支出が背景にある場合もあります。
一時的な支出増や収入の減少が原因であれば、家計を見直すことで借金の増加を防ぐことは可能です。しかし、ギャンブル依存や浪費が原因となっている場合、そのままにしておくと借金がさらに増えてしまうリスクがあります。借金を減らすためには、まず借金の原因を明確にし、それに対処することが非常に重要です。
配偶者の借金が判明した後に取るべき対応
配偶者の借金が明らかになった後は、その問題に対して適切に対処する必要があります。ここでは、具体的な対処法を7つ紹介し、それぞれの方法について詳細に解説します。借金問題を解決するための方法は家庭の状況や借金の額によって異なりますので、自分の状況に最も適した方法を選びましょう。
借金の返済を肩代わりする
自分に財産がある場合、夫(妻)の借金を肩代わりして返済することが可能です。借金には日々利息が加算され、延滞している場合は遅延損害金も発生します。家計の支出をできるだけ減らしたいのであれば、利息が発生する借金を優先的に完済することをお勧めします。
しかし、借金を肩代わりすると、夫(妻)が「自分が借金しても相手が返済してくれる」と甘える可能性があります。このような事態を避けるためには、肩代わり後に家計管理を自分で行うか、肩代わりした分を本人に請求することが効果的です。
肩代わりした借金の返済分は請求可能
夫婦間でも、肩代わりした借金を請求することは可能です。借用書を作成し、返済方法などを明記しておけば、妻(夫)に借金の存在を認識させることができ、万が一離婚した場合にも法的に請求することができます。
借用書は自分で作成することもできますが、不備があると法的効力が失われることがあります。そのため、弁護士や司法書士に作成を依頼することをお勧めします。
返済を求めない場合、贈与税に注意が必要
贈与税とは、個人が他の個人から財産を譲り受けた際に課せられる税金です。受け取った財産が110万円を超えた場合、その超過分が課税対象となります。つまり、110万円を差し引いた額が贈与税として課されることになります。
妻(夫)の借金を肩代わりし、その返済を行う場合には贈与税は課されません。しかし、もしその借金を代わりに返済し、その返済額を請求しない場合は贈与と見なされるため、支払った金額が110万円を超えると贈与税が発生します。残高が110万円未満であれば問題ありませんが、それを超える場合は、借用書を作成し、貸与として処理することをお勧めします。
借金の一本化や借り換えで負担軽減
消費者金融からの借り入れがある場合、低金利のローンへの借り換えや、複数の借入れを一本化することで、返済負担を軽減することが可能です。消費者金融の金利は通常、法律で定められた上限の18.0%に近いことが多いですが、銀行のフリーローンなどでは一桁の金利で借り入れできることもあります。また、複数の金融機関から借り入れをしている場合、おまとめローンを利用することで、金利の負担を軽減できるだけでなく、返済の手間も省け、家計管理が容易になります。
親族に相談してサポートを得る
妻(夫)の借金が発覚した場合、相手の親族の協力を得ることで、以下のように問題を解決できる可能性があります。
- 親から借金をしないように言われることで、借金をしなくなる
- 返済のために資金を援助してもらえる
- 借金の保証人になってもらえる
ただし、相手の親族に相談する際には、妻(夫)を攻撃するような言い方は避けるべきです。妻(夫)の親族にとって、配偶者は他人であり、身内が責められるのを見て不快に思うことが多いため、協力を得られなくなるリスクがあります。借金問題の解決をお願いする際は、「借金から立ち直ってほしい」と相手を思いやる気持ちをしっかりと伝えるよう心がけましょう。
家計を見直してみる
借金の原因が収入の減少や出費の増加にある場合は、家計の見直しを検討することが重要です。まず、毎月の固定費の中で削減できる部分がないかを再評価してください。また、もし片方が専業主婦(夫)であれば、借金が発覚したタイミングでパートに出ることも一つの方法です。
借金癖がある場合は改善する
借金が習慣化している場合、配偶者に借金が発覚した後も、借り入れが増えてしまうリスクがあります。借金問題を解決するためには、新たな借り入れを増やさないことが重要です。
借金癖を改善するために有効な方法として、以下の3つが挙げられます。各方法について詳しく解説します。
- 貸付自粛制度を活用する
- 家計管理の方法を見直す
- 専門機関に相談する
貸付自粛制度を活用する
貸付自粛制度とは、借金を控える旨を日本貸金業協会または全国銀行個人信用情報センターに申告することで、金融機関からの借り入れを停止することができる制度です。金融機関は融資審査時に個人信用情報機関のデータを参照しますが、そこに「借金を自粛する」との情報が記録されることで、借り入れができなくなります。
日本貸金業協会または全国銀行協会に申告することで、全ての金融機関からの貸付を制限できます。ただし、本人以外の申告はできず、申告から3か月後には解除されることに注意が必要です。第三者が申告を行うには、本人が所在不明であったり、意思確認ができないなどの条件を満たさなければなりません。
申告の手順については、以下の公式サイトで詳細が確認できます。
- 全国銀行個人信用情報センター: 貸付自粛制度のご案内
- 日本貸金業協会: 貸付自粛制度について
家計の管理の方法を見直す
借金癖がある人は、手元にあるお金をすぐに使ってしまうことが多いです。もし妻(夫)が家計を管理している場合、自分で管理方法を変更することを検討するのが良いでしょう。
ただし、生活費を極端に少なくするなどの過度な制限は、経済的DVに繋がる可能性があります。家計の状況についてはお互いに相談しながら、相手の同意を得たうえで決定することが重要です。
専門機関へ相談する
借金を止められない状態は借金依存症として分類される依存症の一種です。この依存症を治療するためには、専門機関や借金癖に関するカウンセリングを提供している機関のサポートを受ける方法があります。以下は借金依存に関する無料相談を受け付けているいくつかの窓口です。
機関名 | 利用方法 | 受付時間 |
---|---|---|
日本貸金業協会 | 電話・面談・web | 平日9:00~17:00 |
日本クレジットカウンセリング協会 | 電話 | 平日10:00~12:40、14:00~16:40 |
全国精神保健福祉センター | 電話 | 各センターにより異なる |
依存症専門相談窓口 | 施設により異なる | 施設により異なる |
DAJAPAN | ミーティング(Zoom・各グループ) | ホームページ参照 |
日本貸金業協会
日本貸金業協会は、消費者金融やクレジットカード会社など、貸金業を営む企業が加盟している団体です。この協会では、借金癖がある方やギャンブル依存症に悩む方々を対象に「生活再建支援カウンセリング」を提供しています。
このカウンセリングは、借金問題に悩む方の依存行動の改善や、家計の健全な回復を目指しています。また、借金を抱える家族の方々への心理的支援も行っており、夫婦間で借金問題が発覚し、どう対応すべきか悩んでいる方々に非常に有用です。
参考:日本貸金業協会|生活再建支援カウンセリングについて
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、内閣の認可を受けた公益財団法人で、借金問題に直面している方々に対して、公正かつ中立的な支援を行っています。特に多重債務に悩んでいる方を対象にした専用の電話相談窓口「多重債務ほっとライン」があり、全国どこからでも電話で相談が可能です。
相談の結果、任意整理が必要と判断された場合には、家計カウンセリングを行いながら、無料で任意整理を進めることができます。
参考:日本クレジットカウンセリング協会
依存症専門相談窓口
借金依存をはじめとする依存症は、医療機関でカウンセリングや治療を受けることができます。内閣府が運営する依存症対策全国センターのウェブサイトでは、依存症治療を行っている医療機関や相談窓口、自助グループの情報を提供しています。
もし借金の原因がギャンブル依存やアルコール依存にある場合、借金問題が解決しても再び借金を繰り返すリスクがあります。そのため、専門機関での診察やカウンセリングを受けることを強くお勧めします。
参考:依存症対策全国センター
全国精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神的な疾患を抱える方々の治療や社会復帰の支援を目的として、精神保健福祉法に基づき設立された機関です。これらのセンターは、都道府県や政令指定都市に設置されており、地域によっては「精神医療センター」と呼ばれることもあります。
各センターでは、心の病に悩む方々からの相談を受け付けており、解決に向けての支援を行っています。借金依存も依存症の一種であり、専門機関に相談することで解決への糸口を見つけることができる場合があります。また、ギャンブル依存による借金の増加にも対応しており、専門家のケアを受けることで改善する可能性もあります。
参考:全国精神保健福祉センター一覧
DA JAPAN
DAJAPANは、買い物や浪費、借金依存からの回復を目指す人々が集まる自助グループで、もともとはアメリカで発祥した団体です。DAJAPANの「DA」は「Debtors(債務者)」、そして「Anonymous(匿名)」の略で、匿名で参加できる点が特徴です。
全国に10拠点を持ち、定期的にミーティングを開催しています。また、オンライングループや女性専用のLINEミーティングも実施しています。個人情報をできるだけ公開したくない方でも、第三者のサポートを得ながら参加できるため、興味のある方はぜひ利用を検討してみてください。
参考:DAJAPAN公式サイト
債務整理を行う
借金が膨らんで返済が難しくなった場合、債務整理を検討するのも一つの方法です。債務整理を実施することで、返済額を減額でき、返済の負担を軽減し、借金から立ち直る手助けになります。
債務整理は配偶者に影響がほとんどない
債務整理を行うと、その情報が信用情報に記録され、一定期間、借金やクレジットカードの利用ができなくなります。これがいわゆる「ブラック」と呼ばれる状態です。配偶者がブラック状態になると、自分の信用情報にも影響があるのではないかと心配する方もいるかもしれませんが、個人信用情報は個別に登録されるため、配偶者や同居家族に直接的な影響はありません。
ただし、住宅ローンなどで収入合算を行ったり、ペアローンを組む場合には、夫婦どちらかの信用情報が参照されるため、もし一方がブラックであれば、審査に通らない可能性が非常に高くなります。将来的に住宅ローンなどの大きなローンを組む予定がある場合は、このデメリットを理解しておくことが重要です。
また、配偶者が債務整理をした場合、自分にも影響が及ぶのではないか、また職場に知られるのではないかと不安に思うこともあるでしょう。しかし、債務整理が第三者に知られることは基本的にありません。ただし、自己破産を選択した場合、職業制限がある点や、本人名義の財産が差し押さえられる可能性があることに注意が必要です。
状況によってどの手段が向いているかは異なる
債務整理にはいくつかの方法があり、最適な方法は借金の金額や種類、また財産の状況によって異なります。例えば、自己破産の場合、借金の全額が免責されますが、本人名義の高価な財産はすべて差し押さえられるため、特に自宅を所有している人には適していません。
さらに、連帯保証人や保証人がいるローンを債務整理の対象にした場合、その返済義務は本来保証人に請求されることになります。もしご自身が保証人であった場合、債務整理を行っても効果がなくなるため、慎重に考える必要があります。債務整理を考える場合、まずは弁護士に相談することをおすすめします。自宅の状況や借金の内容に応じて、最適な解決方法を提案してもらえるでしょう。
死後に借金が発覚した場合は相続放棄を検討する
今回は配偶者の借金に関する解説をしていますが、この記事を読んでいる中には、亡くなった家族の借金が発覚したという方もいるかもしれません。借金を抱えたまま亡くなった場合、返済ができなくなり、そのまま期日を過ぎると延滞となり、督促状が届くことになります。このようなケースは珍しいことではありません。
借金は相続される対象です。そのため、亡くなった人の借金はまず配偶者に相続され、その結果、配偶者には返済義務が生じます。もし借金が多額であり、相続する財産を差し引いても負債が残る場合、相続放棄の手続きを検討しましょう。
ただし、相続放棄を行うと借金だけでなく、不動産などのプラスの財産も相続できなくなります。さらに、一度手続きを行うと取り消しはできません。財産調査をしてみると、実は高額な財産が含まれていたという場合もありますので、亡くなった配偶者の借金が発覚した場合は冷静に財産調査を行い、本当に相続放棄をすべきか慎重に判断してください。
借金を隠し続けるのはむずかしい
夫婦間での借金を隠す方法と、それがどれほど難しいかについて解説しました。特に女性は、日常の些細な変化から夫の様子に気づきやすいものです。男性がどんなに証拠を隠そうとしても、最終的に「嫁バレ」してしまうリスクが常に存在することを理解しておきましょう。無理に隠し通すよりも、素直に話す方が平和的に解決できるかもしれません。その際は、誠実に反省の気持ちを伝えることが大切です。
夫婦生活を破綻させないためには誠意を込めて謝罪する
これまで「借金をいかに妻から隠すか」について解説しましたが、前述の通り、基本的には正直に伝えることが重要です。すぐに打ち明ける場合でも、長い間隠し続けた後に白状する場合でも、最も大切なのは誠意を持って謝罪することです。もし開き直った態度を取ると、その後の夫婦関係は冷え込み、最悪の場合、離婚に至ったり、子供に会えなくなる、慰謝料を請求されるなどの結果を招く可能性があります。多重債務者は依存症に陥っていることが多く、改善や治療には周囲の協力が不可欠です。借金生活から抜け出すためには、しっかりと反省の気持ちを示し、協力を求めることが大切です。
「大切な存在だからこそ言えなかった」と伝える
男性は一般的にプライドが高いとされています。社会的な評価を重視するあまり、弱みを他人に見せない傾向があります。大切な妻に対して借金という弱点を見せたくないのは自然なことです。「大切だからこそ言えなかった」と素直に伝え、今後はどんなことでもしっかりと相談することを約束しましょう。夫婦関係で最も重要なのは信頼関係です。信頼とは、お互いの弱みを支え合い、補い合うことだと考えましょう。
生活を改善し、新たな借金を重ねないようにしよう
借金を増やさないことが、借金解決への第一歩です。そのためには、生活習慣を見直し、根本的に改善していく必要があります。借金の原因となる浪費の依存症は、カウンセリングを受けることで治療が可能です。また、同じ依存症を持つ人々が集まる互助会もあるので、それを積極的に活用しましょう。もし仕事のストレスが浪費の原因であれば、転職を考えるのも一つの方法です。さらに、日本貸金業協会には「貸付自粛制度」があり、自分を自粛対象者として申請すれば、協会に所属する貸金業者からの借り入れができなくなります。借金を避けるためには、借金をしない・できない環境を作ることが非常に重要です。
参照: 日本貸金業協会「貸付自粛制度について」
借金をやめるためのカウンセリングは恥ずかしいことではない
カウンセリングのような心のケアに対して、「恥ずかしい」と感じる人もいるかもしれません。「借金くらいで病院に行く必要はない」と考える人も多いでしょう。しかし、問題を先延ばしにすればするほど、解決は難しくなります。借金が増えるにつれて、周囲に与える迷惑も大きくなります。カウンセリングをはじめとする他者の支援を受けて借金から立ち直る人はたくさんいます。そこには社会的な評価や立場は関係ありません。
債務整理で借金を減額・帳消しできる方法も検討しよう
すでにお伝えした通り、債務整理を行うことで借金の減額や免除が可能です。これは国が認めた公的な制度であるため、積極的に利用することが推奨されます。債務整理を避けたいと考える人も多いですが、その理由の一つは「自己破産をすると二度と正常な生活ができなくなる」という誤った認識です。実際には、自己破産をしても通常の生活は送ることができ、自己破産後に立ち直り、成功した人もいます。さらに、任意整理や個人再生など、他の方法も選ぶことができます。
配偶者の借金は離婚の理由にできる?
配偶者の借金癖が改善されない場合、離婚を選択肢の一つとして考えることもあるかもしれません。もし相手の同意を得て協議離婚や調停離婚を行うのであれば、借金を理由に離婚することは可能ですが、相手の同意が得られず裁判離婚となった場合、借金のみを理由に離婚が認められることは少ない可能性が高いです。
協議離婚や調停離婚であれば離婚が可能
協議離婚とは、夫婦がお互いに相談して離婚する手続きのことです。双方が合意の上で離婚届を役所に提出すれば、それが協議離婚に該当します。一方、調停離婚は協議離婚が難しい場合に、家庭裁判所で調停委員や裁判官、家庭裁判所調査官が間に入って話し合いを行い、離婚を決定する方法です。協議離婚と調停離婚はどちらも、双方が同意すれば理由に関係なく離婚手続きが進められます。したがって、借金が理由での離婚も可能となります。
財産分与の対象になる借金のケース
離婚が成立した場合、離婚の原因に関係なく財産分与は行われますが、本人が負った借金は財産分与の対象にはなりません。しかし、住宅ローンや教育ローンなど、夫婦で共同で負担すべき費用は財産分与に含まれます。
実際にどの程度の金額が分与対象になるかは、以下の計算式に基づいて決定されます。
ローンの種類 | 条件 | 分与額の計算式 |
---|---|---|
住宅ローン | 自分が住み続ける場合 | (評価額-ローン残額)÷2 |
リフォームローン | 自分が住み続ける場合 | (評価額+リフォーム代-ローン残額)÷2 |
マイカーローン | 自分が車を所持する場合 | (査定額-ローン残額)÷2 |
教育ローン | 自分が返済をする場合 | 相手への分与総額-ローン残額 |
借金を理由にした慰謝料請求は難しい
裁判離婚とは、調停で離婚に合意できない場合に、家庭裁判所に訴訟を提起し、裁判を通じて離婚を決定する手続きです。裁判離婚をするためには、配偶者の行為が民法で定められた離婚理由に該当する必要があります。以下の5つが離婚の要件とされており、いずれかに該当すれば、配偶者が反対していても離婚が認められることになります。
- 不貞行為があった
- 夫婦の協力・扶助義務を違反している
- 3年以上生死不明である
- 重度の精神病で回復の見込みがない
- その他、婚姻を継続できない重大な理由がある
借金癖は、5番目の「婚姻を継続できない重大な理由」に該当する可能性があります。しかし、単純な借金だけで「婚姻生活を継続できない」と判断するのは難しいため、通常は借金に加えて他の事情も考慮し、「婚姻を継続できない」と判断されることが多いです。例えば、借金だけでなく過度な浪費がある場合、婚姻を継続できないとされ、離婚が認められる可能性が高くなります。
借金や離婚で悩んでいる方は弁護士に相談を
離婚時には、財産分与だけでなくローン返済の取り決めも行う必要があります。借金が理由だけでは裁判離婚は認められないため、もし相手が離婚に同意しない場合、話が進まない可能性もあります。
配偶者の借金が理由で離婚を考えている場合、弁護士の無料相談を利用することをお勧めします。債務整理を行う場合は、弁護士だけでなく、認定司法書士に依頼することも可能です(借金が一社あたり140万円までの場合)。ただし、離婚問題に関しては司法書士は対応できず、代理として相手と交渉することもできません。
既に相手と離婚に関して合意し、離婚協議書などの書類作成を希望する場合は司法書士に依頼できますが、これから離婚を考えているのであれば、弁護士に相談するのがベストです。借金と離婚の両方について、専門的なアドバイスを受けることができます。
まとめ
夫に借金があることが分かっても、基本的には本人以外には返済義務は生じません。しかし、借金が日常的な家事に関連している場合や、連帯保証人になっている場合、また夫が死亡した場合には配偶者に返済義務が発生します。
夫の借金が発覚した際には、どの会社から借りているのか、借入金額や延滞の有無、保証人や連帯保証人の有無、担保が設定されているかを確認することが重要です。また、借金問題を解決するためには、借金の原因を特定し、それに対処することが求められます。
夫の借金を解決するためには、親族に相談したり、自分が借金を肩代わりしたり、金利の低いローンに借り換えたりする方法があります。借金の額が大きい場合には、債務整理を検討することも選択肢の一つです。債務整理には複数の手続きがあり、選択肢は借金や収入、家庭の状況によって異なります。判断が難しい場合は、弁護士の無料相談を利用して解決策を探るのが良いでしょう。
よくある質問:内緒の借金について
妻への内緒の借金に関するよくある質問をまとめました。
妻に内緒で借金をしていましたが、返済が難しくなってきました。内緒のまま完済する方法はありますか?
「任意整理」を利用すれば、妻に内緒で借金の減額を行い、完済を目指すことができます。まずは任意整理を得意とする弁護士に相談してみると良いでしょう。
借金が返済できず債務整理を考えていますが、弁護士費用を用意できません。妻にも内緒の借金のため頼れず困っています。どうすればよいでしょうか?
債務整理に強みを持つ法律事務所への相談をおすすめします。こうした事務所は、金銭的に厳しい状況にある依頼者の事情にも精通しており、無料相談や分割払い、後払いに対応しているところが多いです。
任意整理なら妻にバレずに債務整理できると聞きましたが、どのような手続きですか?
任意整理は、弁護士が債権者と交渉を行い、将来分の利息や遅延損害金を減額し、元金のみを分割で返済していく手続きです。利息や遅延損害金が減らされることで、借金の総額が少なくなり、月々の返済額も減少することが多いです。
任意整理中に妻にバレる可能性はあるのでしょうか?
任意整理中に2回連続で滞納すると、債権者から一括請求が行われることが一般的で、その場合、借金のことが知られてしまう可能性があります。また、債権者からの郵便物はすべて法律事務所宛に送り、法律事務所で受け取るなどの対策を講じておくことをおすすめします。
妻に内緒の借金がありますが、バレないようにする方法はありますか?
借入先には郵便物や電話連絡をしないよう依頼しておくと、バレるリスクを減らすことができます。また、早期に返済を完了すれば、リスクもその分低くなります。