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あける
差し押さえでなぜ銀行口座はバレる?調査方法も解説
目次
差し押さえが執行されると、債権者はあなたのすべての銀行口座を把握することになります。預貯金を差し押さえるための銀行口座調査では、あなたが保有している全ての口座が明らかになることを理解しておきましょう。
仮に銀行口座が差し押さえられた場合でも、その情報が家族や会社に直接通知されることはありません。ただし、家族と共同で使用している口座が差し押さえられると、入出金ができなくなり、家族に気づかれる可能性が高くなります。さらに、給与が差し押さえられた場合、会社にはその事実が確実に伝わることになります。
もし、借金の支払いを滞納していた場合、最終的には強制執行が行われるリスクがあります。強制執行では、あなたの給料や財産が対象となり、必ず預貯金も差し押さえられます。加えて、銀行口座の全額差し押さえや、銀行系クレジットカードの利用停止も発生するため、滞納分の支払いまたは債務整理などの対応が求められます。
この記事では、差し押さえ時に家族や会社にバレる可能性や、差し押さえられた場合の注意点について解説しています。後半では、銀行口座の差し押さえを回避する方法も紹介しますので、裁判所からの書類が届いている方や、借金を滞納している方はぜひ参考にしてください。
もし銀行口座の差し押さえを受けた場合、債務整理を含めた総合的な相談をしたい方には、弁護士への相談をお勧めします。弁護士は債務整理やその他の手続きについてのサポートを提供してくれます。
銀行口座は差し押さえ時に必ず知られるのか?
債務者が借金や税金を滞納すると、預貯金がある銀行口座が差し押さえられる可能性があります。しかし、差し押さえが行われても、自ら銀行口座情報を開示する必要はありません。そのため、「銀行口座を公表しなければ、債権者に知られることはないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
結論として、銀行口座は差し押さえ時にほぼ100%の確率で明らかになります。日本では、債権者や裁判所が銀行口座を探し出すルートが確立しており、隠し口座でさえも見つけることができる仕組みが整っています。
万が一、隠し口座が発覚して差し押さえられた場合、その口座を家族が知っていれば、家族にもあなたの口座が差し押さえられたことが明らかになります。また、給与の差し押さえが決まると、給与を支払っている会社にも支払いの滞納がバレてしまうことになります。
口座差し押さえで隠し口座がなぜバレるか理由を紹介します。
銀行口座は全て明らかになると考えておくべき理由
銀行口座の存在は、債権者や裁判所に必ず知られると思っておいた方が良いでしょう。債務者であるあなたに開示請求や開示義務はありませんが、あらゆる手段を使ってあなたの銀行口座を徹底的に調査します。
仮に新たに隠し口座を開設したとしても、既存の銀行口座の入出金明細を確認することで、ある程度その存在が把握されます。さらに、弁護士照会などの方法も存在します。
また、2020年4月の民法改正により、財産開示手続きの申立権者範囲が拡大し、情報取得手続きも強化されたため、債権者が強制執行を進めやすくなりました。
これらの点から、ネット銀行などを利用して隠し口座を作っていたとしても、必ずバレると思っておいた方が良いでしょう。
銀行口座の差し押さえが家族や会社に知られるリスク
原則として、銀行口座が差し押さえられても、家族や会社にそのことがバレることはありません。差し押さえが行われても、その事実が第三者に公表されることはないためです。
しかし、差し押さえが原因で銀行口座が凍結された場合や、給与が差し押さえられた場合などは、第三者にその事実が知られる可能性があります。
家族が管理している口座は差し押さえでバレる可能性がある
差し押さえられた銀行口座を自分以外の家族が使用している場合、その家族には差し押さえの事実がバレることになります。家族にバレる理由は以下の通りです。
- 通帳の取引内容に「サシオサエ」の記録が残るため
- 銀行ローンの延滞による口座凍結で、入出金ができなくなり、家族も口座を使えなくなるため
給与の差し押さえが行われると勤務先に通知される
給与が差し押さえられた場合、給与を振り込む会社には裁判所から債権差押命令が送付されます。つまり、給与の差し押さえは勤務先に必ず知られることになります。また、給与を振り込む銀行口座が凍結されている場合も、会社に差し押さえの事実が気づかれることになります。
ただし、差し押さえが会社にバレたからといって、懲戒処分やその他のペナルティが課せられることはありません。給与の差し押さえを理由に解雇することは、不当解雇にあたるため不法行為です。
とはいえ、勤務先には一定の動揺を引き起こし、「借金や税金を滞納している人」といった悪い印象を与えることになります。その結果、居心地が悪くなったり、信用が低下したりするなど、いくつかのデメリットが生じる可能性があります。
借金滞納時に行われる差し押さえの種類
借金の長期延滞により債権者が法的手続きを取ると、裁判所から財産差し押さえの許可(強制執行)が下されます。長期間借金を滞納した場合、口座差し押さえには、銀行口座の預金を差し押さえるケースと、給与を差し押さえるケースの2つのパターンがあります。同じ差し押さえでも、内容は全く異なるため、まずその違いを確認しておきましょう。
差し押さえの種類 | 口座 | 給与 |
---|---|---|
裁判所からの通知先 | 銀行 | 勤務先 |
金額の上限 | 債権者の請求分 | 手取りの4分の1 |
回数 | 原則1回(場合によっては複数回) | 債務完済まで |
借金の滞納時に行われる差し押さえには、このように種類があることを理解しておきましょう。
給与が差し押さえられる場合
給与の差し押さえとは、給与を受け取る前に一定の金額が差し引かれる、いわゆる天引きの措置です。給与の差し押さえが決まると、裁判所から勤務先と債務者に通知書が送付されます。差し押さえられる金額は、手取り金額の4分の1までです。
例えば、毎月の給与が20万円の場合、その4分の1にあたる5万円が天引きされ、残りの15万円が支払われることになります。給与の差し押さえによる支払いは、残高が完済されるまで続けられます。
銀行口座が差し押さえられる場合
銀行口座の差し押さえは、裁判所からの申請に基づき、銀行が口座に残っている預金を強制的に差し引く処置です。差し押さえが決定すると、裁判所から債務者と銀行の両方に通知が送られます。その通知を受け取った銀行は、指示に従って指定された金額を債務者の口座から引き落とします。
差し押さえられる金額の上限は、債務者が受けている請求の残高の総額までです。もし差し押さえ対象となる預金残高がその額に満たない場合、預金の全額が差し押さえられることになります。
差し押さえは一度の通知につき一回限りですが、差し押さえた金額が借金の残高に足りない場合、債権者は完済まで差し押さえを繰り返すことがあります。
債権者はどうして債務者の銀行口座を把握できるのか?
債務者であるあなたが自ら口座情報を開示しなくても、銀行口座が明らかになる理由は以下の通りです。
- 引き落とし口座から特定される
- 給与支払い口座から特定される
- 銀行への直接確認で特定される
- 弁護士照会などの特別な手続きで特定される
「預貯金を隠しておこう」や「できるだけ預貯金を守ろう」と思っていても、必ずバレてしまいます。もし、公にされていない銀行口座を持っていたとしても、既に明らかになっている口座の入出金明細に不自然な点があれば、徹底的に調査される可能性があります。
あなたの銀行口座がどうしてバレるのか、その仕組みについても詳しく解説していきます。
給料支払い口座が特定できる理由
債権者(差し押さえを行う側)は、債務者(あなた)の勤務状況を把握することができます。そのため、給料の支払い口座も当然知ることができ、口座情報を手に入れる仕組みになっています。
給料支払い口座が差し押さえられると、タイミングによっては、給料の全額を差し押さえられる危険性があるため、十分に注意する必要があります。通常、給料の差し押さえは手取りの1/4までと決められており(手取り44万円を超える場合は33万円以上)、しかし、給料が口座に振り込まれた瞬間、賃金(給与)債権ではなく、債務者の預貯金として扱われるため、全額が差し押さえられることになります。
もし債権者が給料日直後を狙って差し押さえを行った場合、その月の収入がすべて差し押さえられる可能性もあるでしょう。ただし、もし債権者の差し押さえタイミングがずれた場合、当該口座の差し押さえを回避することはできます。しかし、債権者は債権全額の回収を目指して繰り返し差し押さえを申し立てることが可能です。
一度は給料の差し押さえを回避できたとしても、根本的な問題を解決しない限り、給料全額を差し押さえられるリスクが続きます。
引き落とし口座を特定することができる理由
差し押さえの原因となった債務(借金など)の引き落とし先として指定している(またはしていた)銀行口座は、当然、債権者(差し押さえを実施する側)によって把握されています。そのため、差し押さえが許可された時点で、債権者はあなたの引き落とし口座を調査し、差し押さえ手続きが開始されます。
これまで、残高不足で通常の引き落としができなかった場合でも、差し押さえが行われる際は金額に関係なく差し押さえが可能です。口座内にある全ての金額が1円単位で差し押さえられることになります。
銀行への直接確認で口座が特定される理由
債権者は、銀行などに問い合わせることで、直接あなたの口座状況を把握することができます。通常、銀行口座は個人情報として扱われるため、第三者である債権者(差し押さえを実施する側)がその情報を取得するのは難しいと考えられています。しかし、債権者の権利を保護するため、裁判所に申し立てを行うことで、第三者開示が可能となります。この第三者開示は、2020年の民法改正により実現しました。
参考:裁判所「第三者からの情報取得手続きについて」
弁護士照会などの特別手続きで口座が特定される理由
弁護士は、自分が担当する案件の証拠を収集したり、業務を遂行するために必要な場合、あなたの銀行口座情報や預貯金残高についての情報開示請求を行うことができます。開示請求を受けた金融機関は、原則としてその情報を弁護士に全て開示しなければなりません。
弁護士は、第三者からの情報提供や、発覚している銀行口座の入出金履歴、さらにはその他の情報を基に、開設している銀行口座を特定します。そのため、銀行口座を隠すことはほぼ不可能であると考えておくべきです。
未申告の銀行口座が差し押さえられる理由とは
勤務先はローン申込時に申告することが一般的ですが、銀行口座はそうではありません。それにも関わらず、債権者に通知していない銀行口座が差し押さえられる理由について疑問を持つ方も多いでしょう。
債権者が口座情報を取得できる理由は、主に以下の3つです。
- 滞納しているローンの系列会社である
- 口座振替が設定されている
これらの理由により、未申告の銀行口座が差し押さえられることがあります。
滞納しているローンの関連会社が関与しているため
消費者金融会社や信販会社の中には、銀行と同じグループに属している、または銀行と提携しているところもあります。
例えば、消費者金融のプロミスやモビットは三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループに属しています。また、アコムは三菱UFJ銀行を中心にした三菱UFJフィナンシャルグループに所属しています。これらの銀行の口座を保有している場合、債権回収のために口座情報が参照されることがあります。
口座振替の設定がされているため
申込時に銀行口座を申告していなくても、毎月の支払い方法として口座振替を設定している場合、その口座は差し押さえの対象になります。
また、振込で貸付を受けるために銀行口座を設定した場合も同様です。振込を受けてから時間が経過すると、銀行口座を登録したことを忘れてしまうことが多いので、注意が必要です。
借金・養育費・賠償金などによる銀行口座差し押さえの流れ
借金や養育費、賠償金などの金銭を支払わずに放置していた場合、以下の流れに従って銀行口座の差し押さえが行われます。
- 債権者からの取り立て〜支払督促の申し立て
- 裁判所から「支払督促状」が届く
- 裁判所から「仮執行宣言付支払督促状」が届く
- 判決の確定
- 強制執行の申し立て〜財産調査
- 債権差押命令の発令
- 銀行口座の差し押さえ
まずは、借金や養育費、賠償金などの滞納によって銀行口座が差し押さえられる場合の流れを見ていきましょう。
① 債権者による取り立てと支払督促の申立て
支払いを約束した期限までに支払いを行わなかった場合、債権者(あなたに金銭を請求できる権利を持つ者)から直接取り立てが行われます。電話や書面などで「返済期日を過ぎています」といった通知が届くでしょう。
債権者が本気で取り立てを行う場合、弁護士を通じて内容証明郵便が届くことも考えられます。
もし、債権者からの取り立てを無視したり放置していた場合、債権者は裁判所に対して支払督促を申し立てることになります。
② 裁判所から「支払督促状」が送付される
債権者が裁判所に支払督促の申し立てを行うと、裁判所は内容を確認し、不備がなければ債務者(あなた)に対して支払督促状を送付します。裁判所から届く支払督促状は、債権者から送られる督促状とは法的効力が異なるため、注意が必要です。
裁判所から送付される支払督促状は、あなたの銀行口座やその他の財産を差し押さえる手続きの一環です。支払督促状を無視または放置していると、次のステップに進むことになります。
支払督促状が届いた時点で、あなたには2週間の猶予があります。この期間内に裁判所に異議申し立てを行うことで、自分の意見を伝えることが可能です。「一括では支払えない」「分割払いを希望する」など、何か言い分がある場合は、必ず異議申し立てを行いましょう。
③ 裁判所から「仮執行宣言付き支払督促状」が届く
支払督促状の送付から2週間が経過し、債務者から異議申し立てがなかった場合、債権者は2週間の翌日から30日以内に仮執行宣言の申し立てを行います。
仮執行宣言とは?
仮執行宣言とは、判決が確定する前でも執行できる効力を指します。例えば、借金や養育費、賠償金などの支払いで裁判に進み、何度も上告されると、裁判費用がかかる上、判決確定まで時間がかかります。その間に債務者が財産を処分する可能性があるため、仮執行宣言を付けて、財産差し押さえの効力を与える仕組みです。
仮執行宣言付き支払督促状が送付された場合でも、さらに2週間以内であれば異議申し立てが可能です。遅くとも、仮執行宣言付き支払督促状が届いてから2週間以内に異議申し立てを行いましょう。
④ 仮執行宣言付き支払督促の確定
仮執行宣言付き支払督促状が送付されてから2週間が経過し、異議申し立てがなかった場合、その内容は確定します。この確定は、債権者が主張した債権が法的に認められたことを意味します。
つまり、法的にあなたが債務を負っていると認められることになります。そのため、あなたが任意で支払いを行わない限り、債権者は申し立てを行い、銀行口座などを差し押さえることが可能になります。
⑤ 強制執行申立てと財産調査
債権が確定すると、債権者は強制執行(銀行口座などの差し押さえ)を実施するために、強制執行の申し立てを行います。多くの債権者は、強制執行を行うために支払督促を利用し、仮執行宣言付き支払督促状が確定した時点で、すぐに強制執行の申し立てを行うことになります。
また、強制執行の申し立てを行う際には、債務者の財産状況を調査します。この段階で、債務者の銀行口座がすべて明らかになります。
⑥ 債権差押命令の発行
債権者が裁判所に強制執行の申し立てを行うと、裁判所は必要な書類を確認します。提出された書類に不備がなければ、裁判所は債務者と第三債務者(あなたの勤務先や銀行など)に対して債権差押命令の正本を送付します。
その後、債権者には、債務者および第三債務者に対して債権差押命令が送られたことが通知されます。
⑦ 銀行口座の差押え実施
債権差押命令を送付してから1週間(給与などが差し押さえ対象の場合は4週間)が経過すると、債権者は第三債務者に対して債権の請求を行うことができます。債権者はあなたの口座状況を把握しているため、口座にお金が入るタイミングを見計らい、銀行に請求を行うでしょう。
租税公課による銀行口座差押えの流れ
健康保険料や税金などの租税公課を滞納している場合、以下の流れで差し押さえが行われます。
- 納期限を過ぎた後に督促状が発送される
- 督促状送付から10日経過後、銀行口座が差し押さえられる
租税公課は日本国民の義務であり、滞納が発生すると直ちに差し押さえを行う必要があると、法律で定められています。借金とは異なり、裁判所を介することなく、銀行口座が差し押さえられます。
次に、租税公課が差し押さえられるまでの流れについて見ていきましょう。
①:納期限後、督促状が送付される
税金や保険料などは、自治体や種類ごとに納期限が決まっています。その期限を1日でも過ぎると、滞納が始まります。
租税公課を滞納した場合、すぐに督促状が送付されます。督促状が届いた時点で、できるだけ早く支払いを済ませるようにしましょう。
②:督促状発送から10日後に銀行口座を差し押さえ
督促状が送付されてから10日が経過すると、銀行口座などの差し押さえが行われることになります。なお、地方税法などの法律では「差し押さえが可能になる」とは記載されておらず、「差し押さえをしなければいけない」と定められています。つまり、租税公課を滞納した後に督促状が発され、10日が経過した時点では、必ず差し押さえが実施されることになります。
参考:地方税法「第331条(市町村民税に係る滞納処分)」
ただし、実際には督促状が送付されてから10日経過した直後に銀行口座などが差し押さえられるケースは稀です。もしあなたが少しでも支払いの意思を示せば、差し押さえを回避できるので安心してください。
銀行口座差し押さえ時の4つの注意点
銀行口座が差し押さえられると、預貯金が入っているはずなのに入金されていないという状況が発生することもあります。そのため、銀行口座が差し押さえられる場合には、以下の点に注意が必要です。
- 差し押さえ前に銀行からの連絡はありません
- 差し押さえのタイミングや時間帯は債権者や金融機関によって異なります
- 口座内の残高は全額が差し押さえの対象となります
- 銀行系クレジットカードなどが利用停止になる可能性があります
次に、銀行口座が差し押さえられた場合の注意点について見ていきましょう。
口座の残高全額が差し押さえ対象となる
銀行口座にある預貯金は、債権者が請求した金額を上限として全額差し押さえられます。そのため、差し押さえ金額が口座内の残高を超える場合、預貯金が0円になる可能性があります。
家賃やライフライン、携帯電話料金など、各種料金の引き落とし口座として指定していた場合、未納が発生するリスクも考えられます。銀行口座の差し押さえのタイミングは債権者や金融機関によって決まるため、他の支払いに遅れが生じないよう、十分に注意してください。
差し押さえのタイミングと時間帯は債権者と金融機関に依存
債権者(差し押さえを実行する側)は、債権を回収するために強制執行を行います。そのため、あなたの銀行口座にお金が入るタイミングを見計らい、第三債務者(銀行)に対して請求を行います。
給料日に差し押さえを受けた場合、振り込まれた給料の全額が差し押さえられる可能性があります。その結果、その月の収入がなくなり、生活が困難になることも考えられます。
通常、給料の差し押さえは手取りの1/4まで(手取り44万円以上の場合は33万円以上)と定められています。しかし、銀行口座に給料が振り込まれた時点で、預貯金と見なされるため、全額が差し押さえられることがあります。
債権者は第三債務者に請求を行うだけで、実際に差し押さえを実行するタイミングは金融機関の判断に依存します。そのため、もし給料を早めに引き出すことができれば、全額の差し押さえを回避できるかもしれません。
なお、銀行口座の差し押さえは、債権差押命令に対して一度のみ実行されます。債権者が何度も差し押さえを行いたい場合、再度債権差押命令を発行する必要があります。
銀行系クレジットカードが利用できなくなる
銀行口座が差し押さえられた場合、必ず銀行には債権差押命令が届きます。そのため、差し押さえ対象の銀行のクレジットカードやカードローンが利用停止になる恐れがあります。
特に銀行は貸倒リスクが発生すると、迅速に新たな取引を停止する傾向があります。もしクレジットカードなどを各種引き落としに設定していた場合、未納が発生する可能性があるため、十分に注意してください。
銀行からの連絡は差し押さえ前にはない
銀行口座が差し押さえられる際、銀行側からの事前の連絡は一切ありません。そのため、ある日突然、口座が差し押さえられるという事態が発生する可能性があります。
債務者であるあなたが銀行口座の差し押さえタイミングを予測するためには、債権差押命令を基にするしかありません。先にお伝えしたように、債権差押命令が発令されてから1週間または4週間経過すると、差し押さえが実行可能となります。したがって、債権差押命令を受け取った時点で、銀行口座の差し押さえが近いと考えておいた方が良いでしょう。
銀行口座の差し押さえは会社や家族に知られる?
銀行口座が実際に差し押さえられた場合、何らかの対応が必要となります。以下は、銀行口座や給与が差し押さえられた際の主な対処法です。
- 督促状や催促状を確認し、差し押さえ理由や債権者名をチェックする
- 裁判所から届いた書類を確認し、債権差押命令の内容を理解する
- 差し押さえられた銀行口座がわからない場合、裁判所や銀行に問い合わせを行う
- 1週間以内に債権者に連絡を取る
- 支払いが可能であれば、全額または支払える金額を支払う
- 支払いが難しい場合、債権者との交渉や債務整理を行う
差し押さえが行われた時点で、債権者は法的手続きを進めることが必要なほど、債権回収を本気で求めています。逃げることなく、誠実に対応しましょう。
給与の差し押さえは勤務先にバレる
給与が差し押さえられる場合、裁判所から勤務先に債権差し押さえ命令が送付されます。この命令には債務者の氏名が記載されているため、借金を返済していないことが会社に知られることになります。
法律では、給与の差し押さえが理由で従業員を解雇することはできません。しかし、勤務先が小規模な場合、裁判所からの通知を受け取った際に会社側が戸惑うことが多いでしょう。通知を受け取った後、会社側は手続きに手間がかかりますので、解雇は避けられても、職場で居づらく感じることがあるかもしれません。
銀行口座の差し押さえは知られないのか?
銀行の預金口座が差し押さえられた場合、勤務先には差し押さえ通知が送られることはありません。差し押さえ後も対象の口座は引き続き使用可能で、残高から強制的に引き落としが行われますので、第三者に差し押さえの事実が知られることはありません。
しかし、もしその銀行でローンの支払いを滞納している場合、銀行が預金を返済に充てるために口座を凍結することがあります。凍結された場合、出金だけでなく入金もできなくなり、給与の振り込みも不可能となります。このような場合は、給与の受け取り方法を変更する手続きが必要です。
家族が知っている口座だと差し押さえがバレる
預金口座が差し押さえられると、残高が減少するとともに、通帳の取引内容に「サシオサエ(差し押さえ)」という記録が残ります。もし家族がその口座を管理している場合、差し押さえが行われたことが明確に分かってしまうため、注意が必要です。
口座や給与の差し押さえを回避する方法
銀行口座の差し押さえは、通常、会社には知られません。差し押さえられた口座が家族の知らないものであれば、家族にも発覚する可能性は低いでしょう。しかし、差し押さえによって口座内の残高が全額引き落とされるため、その影響で生活に支障が出ることがあり、不審に思われることがあります。差し押さえが発覚するかどうかに関係なく、できる限り差し押さえを避けることが重要です。
差し押さえに関する通知を受け取った時点で、延滞がかなり長期間にわたっている場合が多いです。この段階で金融機関と交渉しようとしても、ほとんどの場合、応じてもらえないでしょう。差し押さえを回避したいのであれば、弁護士に対応を依頼することが確実な方法です。
銀行口座や給与が差し押さえられた場合の対処方法
銀行口座の差し押さえは、通常、会社には知られません。差し押さえられた口座が家族の知らないものであれば、家族にも発覚する可能性は低いでしょう。しかし、差し押さえによって口座内の残高が全額引き落とされるため、その影響で生活に支障が出ることがあり、不審に思われることがあります。差し押さえが発覚するかどうかに関係なく、できる限り差し押さえを避けることが重要です。
差し押さえに関する通知を受け取った時点で、延滞がかなり長期間にわたっている場合が多いです。この段階で金融機関と交渉しようとしても、ほとんどの場合、応じてもらえないでしょう。差し押さえを回避したいのであれば、弁護士に対応を依頼することが確実な方法です。
銀行口座の差し押さえを避けるための対策
実際に銀行口座が差し押さえられた場合は、適切な対応が必要です。銀行口座や給与が差し押さえられた際の主な対処法は以下の通りです。
- 督促状や催促状を確認し、差し押さえの理由や債権者の名前を確認する
- 裁判所から届いた書類を確認し、債権差押命令の内容を把握する
- どの銀行口座が差し押さえられたのか不明な場合は、裁判所や銀行に確認する
- 1週間以内に債権者に連絡を取る
- 支払い可能な場合は、全額または支払い可能な金額を支払う
- 支払えない場合は、債権者と交渉するか、債務整理を検討する
差し押さえが実行された時点で、債権者は法的手続きを強制的に進めるため、債権回収を本気で求めています。逃げずに誠実な態度で対応し、適切な手続きを踏んでいきましょう。
税金や保険料の差し押さえは支払いの約束で回避可能
税金や保険料などの租税公課については、債務整理をしても差し押さえを回避することはできません。しかし、どんな状況でも、支払いの意思を示して約束すれば、銀行口座の差し押さえを避けることができます。
一括返済が難しい場合でも、分割払いの相談をすることで、柔軟に対応してもらえることが多いです。まずは、連絡をして支払い意思を示すことが重要です。それを行うことで、銀行口座の差し押さえは回避できます。
もし経済的に困窮して支払いができない場合は、猶予を認めてもらえることもあります。何もせずに放置するだけでは差し押さえを待つことになりますので、早めに相談をすることが大切です。
一般的な借金は個人再生や自己破産で差し押さえを防げる
現金の借り入れやローン、クレジットカードなどによる借金については、業者や個人からの借り入れにかかわらず、個人再生や自己破産を通じて差し押さえを回避できます。これらは「債務整理」と総称され、その中には比較的簡単な手続きである任意整理もありますが、差し押さえが始まる段階に達した場合、任意整理は適用できません。
任意整理は、債権者との交渉によって借金の減額を目指す手続きですが、差し押さえが行われると、債権者は法的手続きで債務を回収できるため、交渉に応じる必要がなくなります。そのため、差し押さえを回避するには、個人再生や自己破産といった法的手続きが必要です。
個人再生や自己破産は、どの段階でも差し押さえを止めることができ、もし既に銀行口座が差し押さえられていても、これらの手続きを始めることで差し押さえを停止させることが可能です。
債務整理に強い弁護士への相談が重要
債務の支払いが厳しく、債務整理を考える際には、債務整理に特化した弁護士への相談をお勧めします。債務整理に強い弁護士に依頼する利点は以下の通りです:
- あなたに最適な債務整理方法を選んでくれる
- 任意整理時の交渉を代理して行い、適切な交渉をしてくれる
- 債権者からの直接的な取り立てを受けることがなくなる
- 債務整理に関連する各種書類作成や資料収集をサポートしてくれる
弁護士に依頼する際の費用は、任意整理で10万~20万円、自己破産で30万~70万円程度が目安となります。もし費用の支払いが難しい場合は、弁護士と分割払いの交渉をしたり、法テラスを利用したりすることも考えてみましょう。
養育費の差し押さえは未払い金を支払うことで回避可能
養育費や一部の賠償金は非免責債権に分類され、自己破産などをしても免除されることはありません。そのため、これらの債務整理を行っても回避することはできません。
銀行口座の差し押さえを避けるためには、口座内の資金を自主的に支払うか、他の方法で未払い金を清算する必要があります。分割払いが認められるかどうかは、相手の判断に依存しますが、あなたが支払う意志を示すことで、分割払いに応じてもらえる可能性もあります。まずは、相手としっかりと話し合ってみることをおすすめします。
差し押さえを避けるために弁護士に依頼しよう
強制執行を確実に回避する方法は、弁護士に相談し、債務整理を進めることです。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があり、個人再生と自己破産は裁判所に申立てを行うため、手続き開始時点で差し押さえを確実に止めることができます。
一方、任意整理は裁判所が関与しないため、すでに強制執行が始まっている場合はその停止ができません。しかし、強制執行が始まる前であれば、債権者に対して差し押さえを取り下げてもらうことは可能です。
個人再生
任意整理は、弁護士を通じて債権者と交渉し、返済額を減額してもらう手続きです。この手続きは金融機関との間で行うものであり、任意整理を行うだけでは強制執行を直接止めることはできませんので、その点を理解しておくことが重要です。
弁護士による交渉で強制執行の取り下げをお願いすることは可能ですが、すでに強制執行が開始されている場合には、停止することができません。個人再生や自己破産を避けたいと考えている方は、できるだけ早期に和解交渉を始めることが重要です。
任意整理
任意整理は、弁護士を通じて債権者と交渉し、返済額を減額してもらう手続きです。この手続きは金融機関との間で行うものであり、任意整理を行うだけでは強制執行を直接止めることはできませんので、その点を理解しておくことが重要です。
弁護士による交渉で強制執行の取り下げをお願いすることは可能ですが、すでに強制執行が開始されている場合には、停止することができません。個人再生や自己破産を避けたいと考えている方は、できるだけ早期に和解交渉を始めることが重要です。
自己破産
自己破産は、借金を返済できないことを裁判所に申し立て、一定の高額な財産を差し出すことで借金を免除してもらう手続きです。この手続きは個人再生と同様に裁判所を通じて行われるため、強制執行を確実に止めることができます。しかし、破産手続きが管財事件として進められるか、または同時廃止で終了するかによって、手続きの進行方法が多少異なります。
同時廃止の場合
財産が基準に達しておらず、免責不許可事由がない場合、手続きは同時廃止事件として扱われます。この場合、自己破産の開始決定と同時に手続きが完了します。ただし、同時廃止の場合、破産手続きを行う裁判所と強制執行を許可する裁判所が異なるため、強制執行を許可した裁判所に対して上申書を提出することで、差し押さえを停止させることが可能です。
管財事件の場合
管財事件として扱われる基準は裁判所によって異なりますが、東京地方裁判所では次のいずれかに該当する場合、管財事件として進められます:
- 現金が33万円以上、または売価20万円以上の財産を保有している
- 資産調査が必要な場合
- 不動産を所有している場合
- 免責不許可事由が考えられる場合
- 法人または個人事業主の場合
- 過去7年以内に免責許可を受けた場合
管財事件においては、債務者の財産が債権者に分配される手続きが行われます。このため、破産手続きの開始決定が下されると、差し押さえは取り消されることになります。
税金滞納中は予期せぬ差し押さえのリスクがある
これまで、金融機関からの借金やローンの滞納に関する差し押さえについて解説しましたが、借金に限らず税金を滞納した場合にも銀行口座が差し押さえられることがあります。税金の滞納による差し押さえは、借金の滞納とは手続きが異なります。「税金なら問題ないだろう」と軽視するのは危険です。
税金滞納による差し押さえは借金滞納とは手続きが異なる
ローンの債権回収のために差し押さえを行うには裁判を経る必要があるため、予告なしに差し押さえが行われることは絶対にありません。強制執行が進む前に、裁判所から「支払督促」などの書類が届くため、その段階で弁護士に相談すれば差し押さえを回避することが可能です。
一方で、税金の滞納に関しては、裁判を経ることなく差し押さえが行われる場合があります。地方税法では、督促状が発送されてから10日が経過すると、財産を差し押さえることができると規定されています。
(地方税法第331条)
つまり、督促状を受け取った後10日を過ぎると、差し押さえが行われる可能性があるということです。税金の督促状が届いた場合は、できるだけ早く自治体の窓口に相談することをお勧めします。
税務署は滞納者の財産や口座を調査することができる
差し押さえの際に債務者の銀行口座が不明な場合、債権者は弁護士会照会制度を活用して口座を調査することができますが、金融機関が必ずしも開示に応じるわけではありません。実際、借金を延滞していても銀行口座が特定されない場合もあります。
一方で、税金の徴収を担当する税務署には、国税徴収法に基づき、滞納者の財産調査権が認められています。具体的には、税務署の職員は滞納者の財産を調査するために、必要と認められる範囲で以下の者に質問したり、財産に関する帳簿を検査することができます。
(国税徴収法第141条)
- 滞納者
- 滞納者の財産を占有する第三者、またはその占有が認められる者
- 滞納者に対して債権または債務がある者、または滞納者から財産を取得した者
- 滞納者が株主または出資者である法人
この調査対象には、銀行口座だけでなく、不動産なども含まれます。そのため、預金額が請求額に足りない場合、不動産の差し押さえに進む可能性もあります。
税金は自己破産でも免除されない
自己破産をすると、借金は免責され、返済義務がなくなりますが、税金は自己破産では免責されない非免責債権に該当します。免責されない債権には、以下のような例もあります:
- 養育費
- 故意または悪意による行為の損害賠償
- 重大な過失による行為の損害賠償
例えば、配偶者の不貞行為に対する慰謝料は、故意であっても悪意ではないため免責の対象となります。一方で、無謀運転や飲酒運転によって他人を負傷させた場合、その損害賠償は破産者の重大な過失として扱われ、自己破産しても免責されない可能性が高くなります。
税金を含む非免責債権がある場合は、自己破産で解決できないため、他の借金については任意整理を行い、非免責債権ではないものから優先的に解決していくことが重要です。
まとめ
以下をリライトしてください。使う単語は同じものを使用。言い回しや順番を変えるリライト。
銀行口座の差し押さえには、預金口座の差し押さえと給与の差し押さえの2つのケースがあります。銀行口座の差し押さえは会社にバレる可能性が低いですが、給与を差し押さえる場合は裁判所から勤務先に通知が発送されますので、差し押さえられたという事実が必ずバレます。
差し押さえは弁護士に債務整理を依頼することで取り消しができますが、依頼によって絶対に取り消せるわけではありません。任意整理の場合は強制執行が開始した後では取り消しが間に合わず、デメリットの大きい個人再生や自己破産でないと対処ができなくなります。
借金の滞納が長くなり裁判所から支払督促が届いたら、差し押さえに移行する前に弁護士に相談をし、早めに対処を行うようにしましょう。