借金減額の方法とは?なぜ法的に認められる?制度利用時の注意点も

最近テレビやインターネットで、「あなたの借金も減る可能性があります」という広告を見かける機会が増えました。自分には無理だ、危ない方法ではないのか、と思うかもしれません。

しかし、法的に認められている借金減額の方法があります。以下は借金の返済総額を正当に減額できる主な手段です。

  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)
  • おまとめローン
  • 過払い金返還請求

この記事では、少しでも借金返済の負担を減らしたいと考えている方向けに、借金減額に関する手続きと仕組み、デメリットなどを解説します。

目次

  1. 借金減額の3つの方法について、減額の仕組みと利用条件を解説!
  2. 借金減額のデメリットとは?生活への影響を確認
  3. 借金減額はなぜ認められる?債務整理の法的な成立理由とは
  4. 借金減額診断(シミュレーター)とは?利用の流れと注意点
  5. 借金減額の手続きを依頼する場合の費用
  6. 借金減額の無料相談窓口のおすすめは?法律事務所を選ぶ際のポイント
  7. この記事のまとめ

借金減額の3つの方法について、減額の仕組みと利用条件を解説!

正当な手段で借金を減額する方法は大きく分けて以下の3つです。

  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産):借金の減額または免除
  • おまとめローン:複数の借り入れを一本化して利率を低くする
  • 過払い金返還請求:支払い過ぎた利息を取り戻す

債務整理は借金の減額または免除が可能

債務整理とは、弁護士や司法書士、裁判所などが介入することにより、法的に借金問題を解決する方法のことです。借金そのものの減額、あるいは免除を目的としています。

国民健康保険料や税金といった公的な支払い以外の借金は、基本的に債務整理が可能です。

債務整理できるもの

  • 自動車・住宅ローン
  • 教育ローン
  • 銀行カードローン
  • 奨学金
  • クレジットカードのキャッシング
  • 個人の貸し借り

債務整理できないもの

  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 各種税金
  • 教育費や養育費
  • 罰金

債務整理の方法は以下の3つです。方法は現在の収入や財産状況、借金の総額などを考慮して選択します。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

それぞれの手続きについて確認しましょう。

任意整理:将来利息や遅延損害金のカット

任意整理とは債権者と債務者が和解し、将来利息や遅延損害金のカットや返済期間の延長などを行い、借金を返済しやすくすることです。和解できた場合、返済するのは借金の元金のみとなり、3〜5年の分割払いが可能なため月々の返済額を抑えられます。

なかなか借金が減らない状況として、返済のほとんどを利息に充てているケースがほとんどです。任意整理をすると返済は元金のみとなり、支払った分は着実に借金を減らせます。

任意整理の特徴は以下の通りです。

  • 債権者と和解し返済可能な条件を決める
  • 信用情報機関に5年間事故情報が登録される
  • 元金のみを返済する
  • 交渉対象の借金が選択できるため、保証人の借金を外せる

個人再生:借金の減額

個人再生は、裁判所に申し立てた上で返済計画を承認してもらい借金を減額する手続きです。家や車といった財産は基本的に残せます。個人再生は、任意整理による完済が見通せない場合などの選択肢です。

個人再生の特徴は以下の通りです。

  • 裁判所を介して借金総額を減額する手段
  • 信用情報機関に5〜10年程度事故情報が登録される
  • 残った借金は原則3~5年で返済する
  • 家や車などの財産は処分されない

自己破産:全ての返済が免除

自己破産は、裁判所に申し立てを行い「支払い不可能」という状態を認められることで、全ての借金返済を免除してもらえます。ただし、家や車などの財産も処分しなければなりません。病気で働けない、失業中といった状態での選択肢です。

自己破産の特徴は以下の通りです。

  • 裁判所を介して借金全てを免除してもらう手段
  • 信用情報機関に5〜10年程度事故情報が登録される
  • 家や車などの財産は処分され返済に充てられる

おまとめローンを利用すれば金利を低くできる

複数ある借り入れを1つにまとめるサービスが「おまとめローン」です。低金利の借入先にまとめることができれば、利息が減り毎月の返済負担を軽減できます。

ただし、返済能力がないと審査に通りません。特に、低金利の借入先は審査基準が厳しい傾向にあります。おまとめローンは銀行や消費者金融などの金融機関がサービスを提供しており、基本的に手続きは無料です。

過払い金返還請求で払いすぎた利息を取り戻せる可能性がある

過払い金返還請求とは、支払い過ぎた分の利息を取り戻す手続きです。カード会社や消費者金融といった金融機関に対して、法律で決まっている上限以上の金利で利息を支払った場合に適用されます。

金利の上限は、利息制限法で下記のように定められています。

借金額金利の上限
10万円未満年20.0%
10万~100万円未満年18.0%
100万円以上年15.0%

貸金業者に対して上限金利を超えて返済を行っていた場合、過払い金が発生している可能性があるため返還請求が可能です。

さらに、過払い金は返済予定の借金と相殺できます。そのため、全体の返済額を減らせるのです。

借金減額のデメリットとは?生活への影響を確認

借金減額の手続きは、債務者にメリットがあると同時にデメリットも存在します。主なデメリットは以下の3つです。

  • 債務整理:ブラックリストに載る
  • おまとめローン:返済期間が延長してしまうケースがある
  • 過払い金返還請求:借り入れが難しくなる

ブラックリストに載る

債務整理のデメリットとしては、信用情報に事故情報が登録されること、つまりブラックリストに載ることが挙げられます。

信用情報とは本人の属性以外に、借り入れや返済などの状況、クレジットカードやキャッシングの契約状況のことです。信用情報は以下の信用情報機関に登録されます。

  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
  • 株式会社日本信用情報機関(JICC)
  • 株式会社シーアイシー(CIC)

事故情報が登録されると、債務整理状況によって変わりますが最低でも5年間は以下のような制限を受けなければなりません。

  • クレジットカードが利用できない
  • ローンなどの新たな借り入れができない
  • 借金の保証人になれない
  • スマホや携帯電話の分割払いができない
  • 賃貸住宅の契約ができない
  • クレジットカードが利用できない

事故情報が登録されると、それまで利用していたクレジットカードは強制解約となり、新規の発行もできなくなります。事故情報が削除されれば再発行は可能ですが、それまでの期間はデビットカードなどを代用すると良いでしょう。

・ローンなどの新たな借り入れができない

事故情報が登録されると、原則としてローンやキャッシングなどの利用ができません。

・借金の保証人になれない

借金の契約をする際は保証人も審査対象になるため、事故情報が登録されると借金の保証人になれなくなります。例えば、子どもが奨学金受給する際の保証人などです。

・スマホや携帯電話の分割払いができない

スマホなどの分割払いもローンと見なされるため、新規契約時での分割払いができません。一括払いを選択しましょう。

・賃貸住宅の契約ができない

賃貸物件を借りる際に、賃貸保証会社として信販会社を選ぶと信用情報を確認される可能性があります。事故情報が登録されていると賃貸審査に通らないケースがあるため、信販会社と提携している不動産会社の利用は避けた方が良いでしょう。

債務整理のデメリットについてはこちらもチェック

「債務整理のデメリットは?手続きによる違いや対処法・よくある誤解も」

おまとめローンは返済期間が延びる可能性がある

借金を一本化した上でさら毎月の返済額を減らしすぎると、返済期間が延長してしまう恐れがあります。

以下の表は、借入金200万円を年利15%から年利12%にしたケースです。月々の返済額は減っていますが、返済期間は6か月延長してしまっています。

借金一本化前借金一本化後
借入額2,000,000円2,000,000円
年利15%12%
返済総額2,331,032円2,327,244円
利息331,032円327,244円
返済期間(支払回数)2年(24回)2年6ヶ月(30回)
月々の返済額94,000円77,000円

過払い金返還請求をすると借り入れが難しくなる

過払い金返還請求を行うと、請求先の貸金業者との取引ができなくなる可能性があることを覚えておきましょう。借金返済中に過払い金返還請求を行った結果、残債がある場合は「債務整理を行った」とみなされてしまい、ブラックリスト登録されてしまいます。

一方、過払い金返還請求で借金を完済できたときはブラックリスト登録はされません。

ただし、「社内ブラック」といわれる貸金業者の社内情報に、過払い金返還請求の事実が登録されるケースがあります。社内ブラックに載せられると審査で落とされることがあり、結果的に貸金業者と取引ができなくなるのです。

過払い金返還請求のデメリットについてはこちらもチェック

「過払い金返還請求のデメリット2つ!借金の返済中に行うリスクも解説」

借金減額はなぜ認められる?債務整理の法的な成立理由とは

ここまで借金を減額する方法や、債務者の生活への影響を解説しましたが、借金減額は双方の同意のもと行われます。どうして債権者が同意してくれるのか疑問を持たれた方もいるかもしれません。

減額制度が成立する理由を債務整理を例にして解説すると、債務整理には目的が2つあり、債務者と債権者の双方にメリットがあります。

  1. 債務者の経済的な再起を促す
  2. 債権者の利益を保護・調整する

1.債務者の経済的な再起を促す

自己破産の制度がなければ、返済できないほどの借金があるときに生活が立ち行かなくなってしまいます。債務整理によって、こういった状況を回避できるのです。

2.債権者の利益を保護・調整する

債権者は、債務者からできるだけ多くの金額を回収したいと考えるでしょう。しかし、債務者がきちんと返済できなければ十分にお金を回収できません。自己破産制度によって、債務者の財産を見積もった分のお金を最低限受け取れるようになるのです。

このように、債務整理は債務者のみならず債権者にも利点があるため、制度として承認されています。

借金減額診断(シミュレーター)とは?利用の流れと注意点

自身の借金が減額可能かを判断するには、インターネットで検索すると無料で診断できるツールがあります。これが借金減額診断(シミュレーター)です。

借金減額診断(シミュレーター)とは入力項目を満たすことで、

  • 借金減額の方法
  • 減額できる大まかな目安
  • 過払い金の有無

などが分かります。

「無料で借金の減額診断ができます」という広告だけを見ると怪しいと感じてしまいますが、診断ツールの利用に対して大きなデメリットはありません。というのも、借金減額シミュレーターはあくまで債務整理による減額の可能性を試算するものです。そのため、ツールの利用自体は手続きとはみなされません。

以下では、

  • 借金減額シミュレーターの利用の流れ
  • 借金減額シミュレーターの注意点

について解説します。

借金減額シミュレーターの利用の流れ

借金減額シミュレーターを利用する手順は以下の通りです。

1.必要情報を入力

「借入金の総額」や「借入期間」、「現在の支払い状況」などを入力、または選択します。

2.シミュレーション結果を確認

「減額の可能性があるか」「どれくらいの金額を減額できるか」といった情報が表示されます。

3.追加のヒアリングを受ける

減額できる金額などを詳しく知りたい場合、シミュレーターの提供元である弁護士または司法書士事務所に、別途詳細な情報を伝えなければなりません。提供元から連絡があるため、質問項目について回答するようにしましょう。

借金減額シミュレーターの注意点

借金減額シミュレーターを利用することによるデメリットはほとんどありません。ただし、以下の注意点は認識しておくようにしましょう。

・どのくらい借金を減額できるかは正確に算出できない

正確な計算を行うためには、借金の総額や金利、取引の内容などを総合して判断しなければなりません。しかしツールではそれが難しいため、計算結果はおおまかな数値となります。

・個人情報の取り扱いに注意

悪質な業者がツールを提供している可能性もあります。怪しいと思ったら、提供元が弁護士・司法書士事務所であるか、サイト内にある運営者情報を確認しましょう。

・診断後に電話やメールで連絡が来る場合がある

診断後は、提供元の弁護士や司法書士事務所から電話やメールでの連絡があります。連絡時に詳細なヒアリングをされるケースがほとんどですが、ヒアリングをせずに診断結果のみを受け取ることもできます。

借金減額シミュレーター(借金減額診断)についてはこちらもチェック

「借金減額シミュレーターは本当に安全?診断の仕組みと利用上の注意点」

借金減額の手続きを依頼する場合の費用

借金減額の手続きは個人でも可能ですが、専門的な知識が必要になるため弁護士や司法書士に依頼するケースがほとんどです。

以下は、弁護士や司法書士に手続きを依頼する場合の費用相場です。

任意整理1社あたり3~5万円+減額報酬(10~20%)
個人再生約70万円〜(裁判所費用:約20万円〜、弁護士費用:約50万円〜)
自己破産約30~70万円(裁判所費用:5〜20万円、弁護士費用:20〜50万円)
おまとめローン手続き費用は無料
過払い金返還請求1社あたり2~3万円程度+過払い金報酬(取り戻せた過払い金の20%)

依頼費用の支払いが難しい場合の対処法

費用の工面が難しい場合、分割払いの利用がおすすめです。

また、弁護士または司法書士に債務整理を依頼することで、債権者に「受任通知」が送付されるため、費用を積み立てやすくなります。受任通知が送付されると借金の取り立てが止まり、その分返済に充てていた費用を弁護士や司法書士の費用に充てられるのです。

債務整理の費用についてはこちらもチェック

「債務整理の費用相場は?払えない場合の対処法や法律事務所の選び方も」

借金減額はまず無料相談窓口へ!法律事務所を選ぶ際のポイント

借金を減額する方法についての相談先は次の通りです。

  • 弁護士・司法書士事務所
  • 法テラス

気軽に相談できる弁護士・司法書士事務所

弁護士・司法書士事務所の多くは無料相談ができるため、債務整理が可能なところであれば借金減額に関する相談も可能です。

弁護士・司法書士事務所を選ぶ際のポイントを3つご紹介します。

1.適切な費用であるか

債務整理の費用が相場より高すぎる場合は注意しましょう。料金体系も後々トラブルに発展しないように確認しておきます。

2.債務整理の実績は十分か

依頼するところによって得意な法律業務は異なるため、債務整理の実績があるところに依頼しましょう。

3.担当者との相性は問題ないか

担当する弁護士・司法書士との相性も重要です。事前の無料相談である程度相性を確認した方が良いでしょう。

費用の工面が難しい場合は法テラスへ

法テラスは、法的トラブル解決のために設立された国の機関です。借金の減額手続きを相談すると、提携する弁護士・司法書士を紹介してくれます。

法テラスでは「民事法律扶助制度」があり、経済的に費用の工面が難しい場合、弁護士・司法書士費用の立て替えや法律相談が3回まで無料です。ただし、申込者1人につき資産の合計額が180万円以下という要件を満たす必要があります。

その他にも条件があるため、まずは法テラスの「要件確認体験ページ」を確認しておきましょう。

この記事のまとめ

借金を減額する手続きは以下の通りです。

  • 債務整理(任意整理・個人再生・自己破産):借金の減額または免除
  • おまとめローン:複数の借り入れを一本化して利率を下げる
  • 過払い金返還請求:支払い過ぎたお金を取り戻す

債務整理が認められているのは、債務者と債権者の双方に以下のようなメリットがあるためです。

  1. 債務者の経済的な再起を促す
  2. 債権者の利益を保護・調整する

借金の減額手続きには、ブラックリスト登録といったデメリットも存在します。生活に一定の影響を及ぼすため、対処法などを事前に把握しておきましょう。

また、借金減額シミュレーターを利用することで、デメリットなく借金減額の試算が可能です。借金減額の手続きをスムーズに進めたい場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。

悩む前に試してみる◎?
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