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「任意整理手続き後の返済額は一括返済できる?」
「一括返済したいけど損にならない?」
任意整理後の返済期間中に家計の状況等が変わり、一括返済してしまいたいと考える人も多いと思います。
任意整理をした後、残りの返済額を一括返済することはできます。ただ、任意整理後の一括返済には注意点もあります。
任意整理の後に一括返済はできる
目次
任意整理手続き後、分割払いで和解していた返済を一括払いに変更することは可能です。
和解契約には一括返済を禁止する規定はありません。そのため一括返済は和解契約の違反にはなりません。
一括返済に変える方法
自分で借入先に対して直接月々の返済をしている場合、一括返済したいという話を借入先に直接申し出て、銀行振り込みなどで一括返済を行います。
月々の返済を専門家の事務所が代行している場合は、事前に専門家に申し出て、一括返済についても代行してもらうようにしましょう。
専門家が一括返済を代行せずに、借金をした本人が返済してしまうと、借入先からの窓口が専門家ひとつだったやり取りが複雑になってしまい、問題解決が難しくなってしまう場合もあります。
繰り上げ返済の方法も同じ
一括返済を考える際に、まとまった金額を返済する他の方法として繰り上げ返済を検討する人もいると思います。
任意整理の後に、繰り上げて一部の残高を返済することは可能で、支払を変更する方法も一括返済と同じです。
貸金業者に自分で直接返済している場合は、自分で申し出てください。専門家に代行してもらっている場合は、専門家に事前に相談するようにしましょう。
任意整理後に一括返済するメリット
利息が将来に向かって発生しないように、既に債務を整理しているので、任意整理後の一括返済のメリットは、そんなに多くはありません。
挙げるとすると次の2点です。
精神的な開放感を得られる
一括返済をすれば、借金がなくなりますので、借金を負っている状況からは一気に解放されます。
毎月の返済が大きなプレッシャーになる方もいると思いますので、精神面の変化が大きなメリットとなる場合もあります。
返済総額を減額できる可能性がある
専門家に減額の交渉を依頼し、返済額を減額できる可能性はあります。借入先と交渉の結果、減額に合意が得られれば返済額を減らせます。
しかし、任意整理手続きで利息をカットしている状況なので、減額交渉はかなり難しいと言えます。
任意整理後に一括返済するデメリット
任意整理後の一括返済は、メリットが少なく、デメリットの方が重要です。
では、任意整理の一括返済にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
最終的に返済する総額は変わらない
メリットの方で記述したように、返済総額の減額交渉が成功しない限り、返済する総額は変わりません。
任意整理手続きで将来利息をカットしている状態なので、手続き後は基本的に利息が発生しません。
前倒しで返済したところで、将来の利息の発生を抑えることにはならないので、一括返済をしても、和解契約通りに月々の返済を継続しても、負担する返済総額は変わりません。
一括返済は、返済総額の減額以上に、借金の精神的な苦痛から解放されたいという方に向いています。
ブラックリスト入りの期間は短縮されない
信用情報への自己登録期間、つまりブラックリストの登録期間が一括返済によって短縮されることはありません。
任意整理による事故情報の登録期間は、任意整理を始めたときから5年間の登録期間です。
期間は、問題なく完済さえできれば一括返済をしてもしなくても変わることはありません。
ブラックリスト入りすると、新規のローン借り入れや、クレジットカード作成が出来なくなるので、生活に不便を感じる方もいるでしょう。
ブラックリスト入りの期間中は、デビットカードや、家族の名義で購入するなどの工夫で乗り切りましょう。
一時的に生活が苦しくなる可能性がある
一度にまとまった金額を返済に回すので、手元のお金が一気になります。
そのタイミングで意図していない、病気やけがなどで急な出費が出てくると、生活が苦しくなってしまうこともあります。
一括返済後には、それまで毎月返済に充てていた金額分を貯蓄にまわすことも検討してみてはいかがでしょうか。
貯蓄があれば、臨時でまとまった出費が必要なときでも、生活への負担を最低限に抑えることができます。
任意整理手続き後に一括返済する場合の注意点
デメリットを把握した上で一括返済をしたい場合は、次のような注意点があります。
確認して見ましょう。
どの業者にも平等に返済する必要がある
一括返済は、どの業者にも平等に行う必要があります。つまり、一括返済は借入先のすべての業者に対して全額を返済する必要があります。
特定の借入先だけに借金返済をすることは、破産法で禁じられていて、自己破産の手続きなどでは免責が不許可になる可能性もあります。
一括返済は、全ての貸金業者に一括返済ができる状態で実行しましょう。
また、専門家で返済する借入先が偏らないように配慮しながら進めることができます。心配な方は専門家に相談するといいでしょう。
一括返済を申し出ると期限の利益を手放してしまう
借金をしている人は、「和解で決めた支払期限までは完済しなくてよい」と主張できる権利を持っていて、これを期限の利益といいます。
借金をしている人が貸金業者に一括返済を申し出ると、その時点で期限の利益を放棄することになります。
つまり、借金をしている人は、一括返済以外には選択肢がなくなるのです。
一括返返済を申し出た後に、支払うことができない状況となれば、返済を期待した借入先は裏切られたと捉えられます。
そうなった場合、借入先からは一括返済を求められるだけでなく、強制執行されてしまう可能性もあります。
まとめ
任意整理後の一括返済は、下記のようなメリットがあります。
- 精神的に借金から解放される借金総額の減額ができる場合がある
とはいえ、任意整理手続きによって利息がカットされている状態のため、一括返済をしてもしなくても、最終的な返済総額は変わりません。
また、一括返済は、一度業者に申し出ると、取り消すことができません。
返済方法の変更を申し出る前に、判断を誤らないためにもまずは専門家に相談することをおすすめします。