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闇金は警察に相談できる!相談の注意点・対応できない場合の対処法は?
目次
「闇金に追われて辛い。警察に相談したいけど、どうすればいい?」
「警察は闇金問題に取り合ってくれないって本当?」
闇金業者は違法な営業を行っているため、警察に相談することで取り締まりの対象となる可能性があります。2003年に「貸金業規制法及び出資法の一部改正法(ヤミ金融対策法)」が成立したことをきっかけに、闇金業者への取り締まりが強化され、警察はこれまで多くの闇金業者を逮捕してきました。
一方で、メディアのドキュメンタリー番組などでは、「警察に相談しても取り合ってもらえなかった」という声が紹介されることもあります。実際、警察に闇金問題を相談しても、すぐに動いてもらえない場合があるのも事実です。
では、警察が闇金問題に動かないのはどのようなケースなのか、また、警察が対応して闇金対応してくれるためにはどうすればいいのかを詳しく解説します。また、警察が対応してくれない場合や、闇金問題がすぐに解決できない場合の対処法についても紹介します。
ヤミ金が避けたがること7つ
ヤミ金に適切に対処するためには、ヤミ金業者がどのような行為を嫌がるのかを理解しておくことが重要です。
ここでは、ヤミ金が嫌がる行為を7つご紹介します。
ヤミ金が嫌がること7選
‐連絡が取れなくなり、音信不通になる
‐ヤミ金業者が使用している銀行口座が凍結される
‐ヤミ金業者の携帯電話が使えなくなる
‐借りたお金をそのまま持ち逃げされる
‐警察に通報する
‐弁護士や司法書士からの連絡を受ける
‐インターネット上で悪評が広がる
これらの項目について、詳しく確認していきます。
連絡が取れなくなり、音信不通になる
ヤミ金業者が最も嫌がるのは、利用者との連絡が途絶えてしまうことです。
貸金業者として登録していない、あるいは登録していても違法な利息を取り立てるヤミ金業者は、利用者に対して裁判などの法的手段を取ることができません。
そのため、利用者と連絡が取れなくなると、貸し付けたお金を回収できなくなる可能性があるため、大きな問題となります。
ヤミ金業者はお金を確実に回収するため、契約時に利用者の家族、友人、会社などの情報を聞き出します。そして、利用者が音信不通になった場合には、聞き出した情報をもとに、会社や家族に嫌がらせの連絡をすることがあります。
ヤミ金業者が使用している銀行口座が凍結される
ヤミ金業者も一般の方と同じように銀行を利用して財産を管理しているため、違法な手口で得たお金を保管している銀行口座が凍結されることを非常に嫌がります。
ヤミ金業者の場合、新たに口座を開設する際、銀行の審査に通りにくく、一般人のように簡単に口座を作ることができません。そのため、銀行口座が凍結されることは、ヤミ金業者にとって大きな打撃となります。
しかし、ヤミ金業者は、自分たちの素性が銀行口座を通じて明らかになるのを避けるため、他人名義で口座を開設することがほとんどです。また、凍結された場合に備え、複数の他人名義の口座を所有している可能性もあります。
そのため、銀行口座が凍結されたとしても、必ずしもヤミ金業者の取り立てが止まるわけではありません。より慎重な対応が必要となります。
ヤミ金業者の携帯電話が使えなくなる
ヤミ金業者にとって、仕事で使用している携帯電話が使えなくなることは大きな問題です。利用者との連絡手段がなくなり、直接取り立てに行く以外の方法がなくなってしまうため、非常に困るでしょう。
さらに、足がつかないように第三者名義で携帯電話を契約し直す必要があり、これには時間も手間もかかります。
また、ヤミ金業者は、借金の返済ができない利用者に携帯電話を契約させるだけでなく、無関係な第三者に「短期アルバイト」として携帯電話の契約を依頼し、他人名義の携帯電話を手に入れる手口を使うことがあります。
携帯電話を他人に使わせる目的で契約することは、携帯電話不正利用防止法違反に該当し、契約者自身も刑事罰の対象となります。そのため、以下のようなアルバイトの募集を見かけても、絶対に応募しないよう注意してください。
【アルバイトの募集例】
- 携帯を契約するだけのバイトです
- 簡単に稼げます
- 即日現金をお渡しします
- 請求書は無視してもらえればOKです
- 契約した携帯電話は当方で転売します
【犯罪となる例】
インターネット掲示板で「携帯電話の購入アルバイト」を見つけ応募した。携帯電話を実際に利用するつもりはなかったが、契約後に業者に渡し、日当を受け取った。
引用:携帯電話等を販売店からだまし取る行為は犯罪です!|警視庁
このような行為は法律違反となり、厳しい処罰を受ける可能性があるため、決して関わらないようにしましょう。
借りたお金をそのまま持ち逃げされる
ヤミ金が嫌がる行為の一つに、貸したお金を回収できず、借り逃げ(借りパク)されることがあります。
借り逃げを防ぐため、ヤミ金業者はあらゆる手段を駆使し、利用者が簡単に関係を断ち切れないように仕組みを作っています。具体的には、以下のような行為が行われます:
- 毎日しつこく督促の電話をかける
- 職場や家族に連絡する
- 自宅に押しかける
- 返済ができなかった場合、新たな借金をさせたり、返済を「シャンプ」させて利息を上乗せする
- 犯罪に使われる銀行口座や携帯電話を契約させたり、他の犯罪行為に加担させる
このように、利用者と何らかの繋がりを維持することで、借り逃げを防ごうとするのがヤミ金業者の特徴です。
ただし、ヤミ金からの借金を借り逃げすることは、以下の理由から非常に困難であると考えておくべきです。
ヤミ金から借り逃げした場合に想定される被害
- 引越しをしても住所を特定され、自宅に押しかけられる
- 家族や友人、親戚が嫌がらせを受ける
- 会社に嫌がらせの連絡が行き、最悪の場合解雇される
- 借り逃げを目的としてお金を借りた場合、詐欺罪で逮捕される可能性がある
- 「不法原因給付」が適用されず、返済義務が発生する
これらのリスクを踏まえ、ヤミ金業者との取引から抜け出す際は適切な方法を検討することが重要です。専門家の助けを借りて、被害を最小限に抑える対応を心がけましょう。
警察に通報する
ヤミ金は違法業者に該当するため、警察による摘発を常に恐れています。
逮捕されると営業は続けられなくなるだけでなく、利用者に貸したお金の回収も不可能になります。さらに、場合によっては刑事裁判で実刑判決を受け、刑務所に収監される可能性もあります。
そのため、ヤミ金業者は警察への通報を防ぐために、「警察に通報したら家族や職場に嫌がらせをする」「酷い目に合わせるぞ」などと脅迫し、利用者が通報しないよう仕向けてきます。
よくある手口として、会社名や担当者の名前を明かさず、契約書も交わさないことで、違法な貸付けの証拠を残さないようにするケースがあります。このような場合、そもそも実在しない架空の会社名を使っており、請求している相手がどこの誰なのかも特定できないため、警察に相談しても対応が難しくなる可能性があります。
弁護士や司法書士からの連絡を受ける
ヤミ金業者が警察と同じくらい、場合によってはそれ以上に恐れているのが弁護士や司法書士の介入です。
弁護士は法的な根拠に基づき、違法な金利で奪われた利息を返還するよう要求したり、そもそも借金を返済する必要がないとして、これ以上1円も支払わないと毅然と主張することが可能です。
多くのヤミ金業者は、弁護士や司法書士から連絡が来た時点で、法律の専門家を相手に交渉を続けても無駄だと判断し、手を引くことがほとんどです。
また、弁護士や司法書士は、利用者から依頼を受ければすぐに対応を開始できるため、ヤミ金業者にとっては警察以上に警戒すべき存在といえるでしょう。
インターネット上で悪評が広がる
ヤミ金業者が違法な利息を請求するには、まず自分たちのところでお金を借りてもらうことが必要です。
しかし、ネット上で評判が悪くなると、将来お金を借りてくれる可能性のある「見込み客」を失うリスクがあります。
そのため、ヤミ金業者は、会社名を曖昧にしたり、対応する人物の名前を利用者ごとに変えるなど、ネット上に情報が残らないようさまざまな対策を講じています。
ヤミ金の取り立てを避けるための実践的な対策
ヤミ金業者による執拗な取り立てから逃れるには、どのように対処するのが最善なのでしょうか。
ここでは、ヤミ金から逃れるための5つの対処法を解説します。
ヤミ金から逃れる5つの対処法
- 連絡を取れないようにする
- ヤミ金には一切返済しない
- 契約や取り決めについて書面を取り交わす
- 警察に被害届を提出する
- 弁護士に交渉を依頼する
これらの対処法を活用して、ヤミ金の取り立てから身を守る方法を確認していきましょう。
ヤミ金には一切返済をしない
ヤミ金から借りたお金は、利息だけでなく元本についても、1円も返済する必要はありません。
この点について、民法では以下のように「不法原因給付」に関する規定が設けられています。
(不法原因給付)
第708条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
引用:民法708条|e-Gov法令検索
つまり、ヤミ金のような違法な貸金業者が法外な利息を巻き上げる目的で貸付を行った場合、その貸付金の返済を請求する権利がない、ということです。これは、契約自体が無効とみなされるためです。
この原則は、一般的なヤミ金だけでなく、対応が比較的穏やかに見える「ソフト闇金」や、個人間で法外な利息を請求する「個人間融資」「ひととき融資」などにも適用されます。
自分でヤミ金からお金を借りた手前、「借りた分くらいは返さなければ」と感じ、元本だけでも返済しようと交渉を試みることがあるかもしれません。しかし、契約が無効である以上、利息はもちろん元本についても返済する義務はありません。また、元本だけ返済する交渉をしても、ヤミ金業者に理由をつけられて利息を請求される可能性が高いです。そのため、これ以上1円も支払わないようにすることが基本的な対処法となります。
なお、利用者が最初から借金を踏み倒す目的でヤミ金からお金を借りた場合、詐欺罪に該当し、刑事罰を受ける可能性があります。また、この場合は民法708条の「不法な原因が受益者についてのみ存したとき」に該当し、借金の返済義務が生じる可能性もありますので注意が必要です。
連絡が取れない状態にする
ヤミ金から逃れる方法として、まず考えられるのは、ヤミ金との連絡を完全に断つことです。
携帯電話の番号を変更し、LINEやSNSなどの連絡手段をすべてブロックすれば、ヤミ金業者が本人と直接連絡を取ることはできなくなります。
運が良ければ、この方法でヤミ金が手を引く可能性もありますが、一方で、連絡が取れなくなったことで家族や友人など、周囲の人に嫌がらせが及ぶリスクがあります。
さらに、ヤミ金業者は申告された職場にも連絡を入れる可能性が高いため、会社に迷惑がかかってしまうおそれもあります。
このような理由から、ヤミ金との連絡を突然すべて断つ方法は、慎重に検討する必要があり、最初の手段としてはおすすめできません。
弁護士や司法書士にヤミ金との交渉を任せる
ヤミ金対策で最も効果的な方法は、弁護士や司法書士に依頼してヤミ金業者と交渉してもらうことです。
弁護士や司法書士であれば、依頼を受けたその日にヤミ金業者に連絡し、即座に取り立てを止めることが可能です。また、弁護士や司法書士が介入するだけで、多くのヤミ金業者は素直に手を引くことが一般的です。
さらに、弁護士や司法書士はヤミ金業者に対して法的措置を取ることもできます。契約の無効を主張することで借金を帳消しにしたり、過剰に支払った利息の返還を求めることが可能です。また、ヤミ金が使用している不正な銀行口座や携帯電話の利用を停止するよう申請することもできるため、その効果は非常に大きいといえます。
ただし、注意が必要な点として、弁護士や司法書士は法的手段で借金を帳消しにしたり、取り立てを止めることはできますが、家族や職場への嫌がらせ、自宅への押しかけといった行為を実力で阻止することはできません。
そのため、最も効果的な対応としては、ヤミ金業者への交渉や法的手続きは弁護士や司法書士に任せる一方で、嫌がらせや自宅への押しかけなどに備えて、最寄りの警察に事前に相談しておくことをおすすめします。この二重の対策により、ヤミ金問題にしっかりと対応できるでしょう。
契約や合意事項は書面で取り交わす
ヤミ金業者と契約する際や新たな約束を交わす場合、口頭での確認だけで済ませるのではなく、必ず書面に残すようにしてください。
ヤミ金業者は、利用者からお金を引き出すために、守る気のない約束をすることがあります。例えば、「今回しっかり払ったら、来月分の返済は免除する」と口頭で約束されたとしても、それを証拠として残していなければ、後から法的措置を取ることはできません。
そのため、ヤミ金とのやり取りは、すべて書面に記録するか、メールやLINEなどを利用して証拠として残しておくことが非常に重要です。
警察に対して被害届を提出する
ヤミ金の執拗な取り立てに悩んでいる場合は、警察に相談し、被害届を提出することをおすすめします。
ヤミ金業者を逮捕する権限を持つのは警察だけです。同じヤミ金業者による被害者を増やさないためにも、早めに警察に相談することが重要です。
ただし、警察には「民事不介入」の理念があり、個人間のトラブルは基本的に当事者間で解決するべきだとされています。そのため、明らかに違法な取り立てが行われているという証拠がなければ、警察が動いてくれる可能性は低いです。
警察に相談する際は、以下のような証拠を提出するようにしましょう。
- メールやLINEでのやり取りの記録
- 違法な取り立てに関する電話の録音
- 暴行や脅迫を受けている動画
- 違法な金利が記載されている書面
- 借りた金額、返済した金額とその返済日を記録した資料
これらの証拠を揃えて相談することで、警察が動きやすくなり、問題解決への一歩を進めることができます。
闇金の恐怖と嫌がらせの実態
「1回だけ」と思い、1度でもヤミ金からお金を借りてしまうと、さまざまな形でヤミ金の怖さを実感することになります。
ここからは、ヤミ金の怖さや多岐にわたる嫌がらせについて詳しく解説していきます。
過剰な利息を請求される
闇金は、法律で定められた上限金利を大幅に超える違法な利率で利息を請求してきます。
利息制限法では、以下のように上限金利が規定されています:
- 元本が10万円未満の場合:年20%
- 元本が10万円以上100万円未満の場合:年18%
- 元本が100万円以上の場合:年15%
引用:日本貸金業協会
正規の貸金業者はこの利息制限法に基づいて利息を請求する必要がありますが、違法な闇金業者はこれを無視し、以下のような高金利を請求します:
ヤミ金の利息例
- トイチ:10日で10%
- トサン:10日で30%
- トゴ:10日で50%
たとえば、100万円を「トイチ」で借りた場合、10日で10万円の利息が発生します。これを放置すると、半年後には利息が500万円以上になる計算です。
さらに、闇金独特の制度である「ジャンプ」(返済日に利息のみを支払い、元本返済を延期する方法)を利用させられると、実質年利が300%を超えるケースもあります。このような違法な利息設定により、返済はさらに困難になります。
個人情報が不正に利用される
ヤミ金は、最初の貸付時に利用者から本人や家族、親族、友人などの個人情報を詳しく聞き出します。
これらの情報は、借金取り立てに利用されるだけでなく、悪意を持って第三者に流出させたり、同系列の詐欺グループに提供されたり、さらには別の犯罪行為に悪用される危険性があります。
一度ヤミ金からお金を借りると、他の業者から「お金を貸します」という連絡が頻繁に来るようになります。ここでさらにお金を借りてしまうと、これまでには想像もできなかった新たなトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。ヤミ金に関わるリスクを理解し、慎重な行動を心がけましょう。
毎日のようにしつこい取り立てを受ける
ヤミ金は、返済が少しでも滞ると、非常に執拗な取り立てを行ってきます。
以下のような取り立てや嫌がらせを受ける可能性があります:
- 莫大な利息を含めた金額で再度借用書にサインさせる
- 自宅や親族、友人の家に押しかけ、連日にわたりドアを叩く
- 職場に何度も電話をかけたり、直接押しかけてくる
- 子どもの学校に押しかけ、子どもに危害を加えると脅す
- 自宅やマンションのエントランスなど、人目につく場所に「金返せ」などの張り紙をする
- 妻や娘に返済金を作るため、風俗で働くよう強要する
これ以外にも、ヤミ金が行う嫌がらせにはさまざまな手口があり、被害は自分だけでなく、家族や親族、友人など、周囲の大切な人にまで及ぶ可能性があります。
中には、嫌がらせに耐えられなくなり、命を絶ってしまう人も少なくありません。ヤミ金被害は深刻な社会問題であり、早急な対処が必要です。
自己破産をしても取り立てが続く
通常、自己破産をすれば借金を返済する義務がなくなるため、貸金業者に自己破産を伝えれば、それ以上の返済を求められることはありません。
しかし、違法な貸付を行っているヤミ金は、自己破産の事実を無視して取り立てを続けることがあります。
特に注意すべき点として、ヤミ金の激しい取り立てに屈して少しでも返済してしまうと、その行為が「偏頗弁済(へんぱべんさい)」に該当し、自己破産が認められなくなる可能性があります。自己破産後の対応には十分な注意が必要です。
返済期限の延長と引き換えに犯罪行為への加担を強要されることも
ヤミ金は、借金の返済期日を延ばす条件として、ヤミ金の業務に必要な銀行口座(飛ばし口座)の開設や携帯電話の契約を利用者に要求することがあります。
しかし、銀行口座や携帯電話の譲渡は法律で禁止されており、これらの行為に加担すると、違法行為に該当し、利用者自身が罰せられる可能性があります。
さらに、振り込め詐欺(受け子・出し子)やその他の特殊詐欺、違法薬物の運搬といった犯罪行為に関与するよう強要されるケースもあります。
気づかないうちに犯罪行為の一端を担わされていることもあるため、十分な注意が必要です。
ヤミ金から強い要求を受けて断りきれずに犯罪行為に加担してしまうと、被害者であるはずの利用者が、結果的に犯罪者として前科がついてしまう可能性があります。決して安易な気持ちでヤミ金の要求に応じないようにしましょう。
闇金問題に対して警察が動かない理由
闇金業者は違法な貸付を行っているため、本来であれば逮捕されるべき存在です。しかし、闇金問題を警察に相談しても対応してもらえないケースがあるのはなぜでしょうか。ここでは、警察が闇金問題で動かない具体的な理由について解説します。
民事不介入のため、対応してもらえないことがある
裁判で扱われる事件には、民事事件と刑事事件の2種類があります。このうち、警察が取り締まりを行うのは後者の刑事事件であり、殺人や窃盗などの犯罪が該当します。
一方、民事事件とは、損害賠償問題や離婚、不倫など、個人間の紛争が該当します。そして、警察にはこれらの民事事件には介入しないという原則があります。この原則を民事不介入と呼びます。
借金に関するトラブルも民事事件に該当するため、「お金を返してもらえない」「闇金から借金をした」といった相談をしても、警察が具体的な対策を取ることは基本的にありません。
実際に警察に闇金問題を相談した場合、「無視すればいい」「返済はしなくていい」といった助言だけで終わるケースも多くあります。確かに、法律上は違法な貸付に返済義務はないため、返済せずに無視しても問題ありません。
しかし、闇金に個人情報を握られている状況では、実際に無視を実行できない人がほとんどです。そのため、警察からの助言だけでは、闇金問題を解決するには不十分な場合が多いです。また、民事不介入の考えに基づき、闇金問題に深く関与しない警察官もいるのが現実です。
事件としての性質がない
人命や安全に関わる事件が発生した場合、警察は迅速に対応する必要があります。闇金問題も警察が扱うべき事件の一つではありますが、殺人事件などに比べて事件性が低いとみなされることが多く、その結果、後回しにされたり、取り合ってもらえないケースが少なくありません。
また、警察が組織として動いている点も、闇金問題が後回しにされる一因です。最初に相談を受けた警察官が解決に乗り出したいと思っても、上司が賛同しなければ捜査に着手できません。
さらに、警察官の評価制度も影響しています。規模の大きな事件や人命に関わる案件を解決するほど手柄となり、昇進にも繋がるため、個人の闇金トラブルよりも優先されがちです。
一方で、暴力を受けている、犯罪に巻き込まれそうになっているなど、事件性が明らかに高い場合は、警察が迅速に対応してくれる可能性があります。
取り締まりがしづらい
闇金業者の多くは、住所や固定電話番号を持たず、他人名義の携帯電話や銀行口座を利用しているため、取り締まりが難しいという特徴があります。
また、闇金業者は返済が滞る利用者に対して、携帯電話を契約し、その端末を業者に渡すよう求めることがあります。これはいわゆる名義貸しであり、初回の貸付時に「信用が足りない」という理由で携帯電話の名義貸しを強要されることもあります。このため、業者が使用している携帯電話の番号を調査しても、判明するのは被害者の情報だけです。
同様に、銀行口座も他人名義で売買されるため、口座を調査しても業者の身元を特定することはできません。さらに、多くの闇金業者は「客振り」と呼ばれる手法を利用しています。これは、ある利用者が返済金を別の利用者の口座に振り込む仕組みで、こうした方法も業者の追跡を困難にしています。
これらの巧妙な手口により、闇金業者の身元を特定することが難しくなり、取り締まりが一層困難になっています。
警察が対応する場合の闇金問題
闇金問題を警察に相談しても無駄というわけではありません。状況によっては警察の協力を得られる場合もあります。警察が実際に動いてくれるケースについて、具体的な例を挙げながら解説していきます。
暴力や物損行為
闇金業者による暴力行為、例えば殴られる、刃物で脅されるといった場合や、自宅のドアや窓を壊される器物破損が発生した際は、迷わず警察に通報しましょう。特に暴力行為は命や安全に直結する問題です。「闇金だから通報しづらい」といった遠慮は必要ありません。すぐに110番してください。
また、自宅への危害については、器物破損だけでなく、不法侵入としても取り締まりが可能です。その際、写真や録音、動画などを証拠として記録しておくことが重要です。
違法行為に関与させようとする
闇金から借りたお金が返済できない場合、以下のような行為と引き換えに返済を免除すると持ちかけられることがあります:
- 携帯電話を契約し、闇金業者に渡す
- 銀行口座を開設し、闇金業者に預ける
- 指定された場所でお金を受け取るよう指示される
最初の2つは、すでに解説した通り名義貸しに該当する違法行為です。3つ目については、一見問題がないように思えるかもしれませんが、これはオレオレ詐欺などの特殊詐欺における「受け子」、つまり被害者がだまされて用意したお金を受け取る役割を果たす行為に当たります。
これらの指示に従うと、自分自身が逮捕される危険性があります。もし闇金からこれらの提案を持ちかけられた場合は、絶対に従わず、速やかに警察に相談してください。
労働による返済を強要される
闇金から借りたお金が返済できない場合、労働によって返済するよう脅されることがあります。闇金が斡旋する仕事の多くは、以下のような違法性を含むものです:
- パチンコの打ち子
- オレオレ詐欺の受け子
- 人身売買や売春
たとえ違法性がない場合でも、危険を伴う仕事である可能性が高いため、指示に従って働くのは非常に危険です。このような状況に陥った際は、迷わず早急に警察に相談してください。
脅しや嫌がらせを受けた
警察がどの程度動いてくれるかは、状況や警察署の方針によって異なるため一概には言えませんが、脅迫や嫌がらせを受けた場合でも対処してもらえるケースは多くあります。特に、以下のような闇金業者による脅迫行為は、警察が対応してくれる可能性が高いです:
- 胸ぐらを掴まれる
- 「殺す」といった言葉で脅される
- 家族に危害を加えると脅す
これらは、相手に恐怖心を与える行為であり、脅迫罪に該当するため取り締まりの対象となります。ただし、これらの行為に対して被害届を出すためには、明確な証拠が必要です。動画や録音などで、できる限り証拠を残しておくようにしましょう。
警察に相談する際の留意点
警察に相談する際、110番を利用できるのは緊急時のみです。たとえば、闇金業者に暴力を振るわれそうになったり、自宅周辺で暴れている場合などは緊急性が高いため、即座に110番に連絡してください。その際は落ち着いて状況を正確に伝えることが大切です。
一方、それ以外のケースでは、事前に準備を整えたうえで警察に相談に行く必要があります。ただし、繰り返しになりますが、状況によっては警察が取り合ってくれない場合もあります。そのような事態を避けるために、どのように準備を進めればよいのか、必要な手順を解説していきます。
相談する先は「生活安全課」
警察署にはさまざまな部署があり、相談内容に応じて担当課が異なります。闇金問題については、防犯や保安活動全般を扱う生活安全課が担当です。警視庁の公式ホームページでも、闇金問題は生活安全課に相談することを推奨しています。
Q: ヤミ金について相談したい場合は?
A: 相談内容によって担当部署が異なる場合がありますので、お住まいの地域の警察署にある生活安全課にご相談ください。
引用元:警視庁 よくある質問
証拠は必ず持参するようにする
闇金を取り締まってもらうには、闇金から受けている被害を客観的に伝えられる証拠を用意することが重要です。また、闇金業者に関する情報を提供することで、警察がより効果的に対応しやすくなります。些細な情報でも重要な手がかりになる場合がありますので、十分に準備を整えたうえで相談するようにしましょう。
闇金業者の名前、連絡先、利用している口座
闇金は取り締まりが難しい存在ですが、少しでも手がかりになりそうな情報は、警察に伝えることが重要です。闇金業者が使用している名称や連絡先、ホームページ、電話番号、振込先の銀行口座などを業者ごとに整理し、メモにまとめておきましょう。
また、これまでに受け取った印刷物やチラシも貴重な情報源になる可能性があります。闇金に関するものは、できるだけ警察に提出するよう心がけましょう。
闇金とのやり取りに関する資料
闇金業者の情報だけでなく、取引内容を警察に伝えることで、被害の実態をより正確に伝えられます。契約書や取引明細がある場合は、闇金業者の身元を特定する手がかりとなるため、必ず提出しましょう。
ただし、明細を発行しない闇金業者も少なくありません。そのような場合は、融資や返済に利用した銀行口座の通帳や振込控えなど、取引が分かる資料を用意してください。また、業者とのメールやLINEのやりとりを保存したスクリーンショットも、証拠として非常に有効です。
被害に関連する音声や動画
先ほど解説したように、闇金問題は相談しても対応してもらえないケースがあるのが現状です。特に、被害に関する証拠がない場合、緊急性が低いと判断され、後回しにされたり、警察からの助言だけで終わることもあります。
闇金から脅されている場合や何らかの被害を受けている場合は、それを証明できる動画や音声を準備し、提出してください。これらは非常に重要な証拠となり、被害届の提出がスムーズに進む可能性が高まります。
被害届を受理される
被害届とは、犯罪被害に遭ったことを警察に届け出るための書類で、警察はこの被害届を基に捜査を開始します。被害届は、暴行や器物破損といった物理的な被害だけでなく、口頭や電話での脅迫に対しても提出可能です。
ただし、被害届を出せば必ず捜査が行われるわけではありません。しかし、被害届を出さなければ警察が対応を始めることはありません。闇金問題の解決に向けて、積極的に行動を起こすことが重要です。
闇金には相談したことを知らせないようにする
個人間でのトラブルであれば、加害者に「警察に相談した」と伝えることで問題が解決する場合があります。警察に被害届を出されると、加害者は学校や会社に事件が知られるリスクが高まり、逮捕や勾留される可能性もあるためです。
しかし、闇金業者に「警察に相談した」と伝えるのは注意が必要です。逆に嫌がらせや恐喝がエスカレートする恐れがあります。闇金の場合、被害届を出しても即座に対処してもらえるとは限らず、警察が動く前に被害届を取り下げるよう脅される可能性が高いです。
警察の担当者が直接闇金業者に電話をかけるなど具体的な対応を取ってくれる場合は問題ありませんが、そうした行動が必ず取られるとは限りません。そのため、警察が迅速に動かない場合は、闇金業者に相談したことを伝えないようにするのが賢明です。
警察署で対応してもらえない場合は、#9110に電話する
十分な準備をして警察署に相談に行った場合でも、警察署や担当の警官によっては期待した結果が得られないこともあります。そのような場合は、#9110に電話をして相談することをおすすめします。
#9110は全国共通の警察相談専用電話で、発信元の地域を管轄する警察本部の相談窓口に自動的に繋がる仕組みです。受付時間は、平日午前8:30~午後5:15(一部地域では24時間対応)で、時間外は当直や音声案内による対応が行われます。この番号は、緊急対応を行う110番とは異なり、緊急性がない相談専用の連絡先として設けられています。
#9110では、闇金問題をはじめ、DVやストーカーなどさまざまな犯罪に関する相談を受け付けており、警察安全相談員(現役または元警察官)に対応してもらえます。また、相談内容に応じて最寄りの警察署や法テラス、消費生活センターなどの適切な機関への案内や引継ぎも行われます。
闇金問題について#9110に相談する場合、警察署に再度行くよう指示されることが多いため、必ず「生活安全課に相談したが対応してもらえなかった」という事実を伝えましょう。その際、相談した警察署や部署名、担当者の名前を具体的に伝えることで、解決に向けた行動がより期待できます。
闇金問題がすぐに解決するわけではない
警察に無事被害届を提出できても、闇金問題がすぐに解決するわけではないことを念頭に置いておきましょう。
その理由の一つは、闇金業者の取り締まりが非常に困難である点です。多くの闇金業者は住所を持たないため、銀行口座や電話番号などの情報を基に捜査が行われますが、それらは他人名義であるケースが多く、身元の特定が難しくなります。
また、被害届が受理されても必ず捜査が行われるわけではありません。法律上、被害届が出された案件は必ず捜査しなければならないという規定はなく、緊急性の高い事件があればそちらが優先されることもあります。
闇金問題から一刻も早く解放されたい場合は、警察への被害届の提出に加え、他の相談窓口や専門機関を利用することを強くおすすめします。
警察以外での闇金問題の相談先
これまで警察への相談方法を中心に解説しましたが、警察に相談するのは少しハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。実際、闇金の相談が無料でできる場所は警察以外にもあります。ここでは、警察以外で闇金相談を受け付けている組織とその特徴についてご紹介します。
貸金業相談・紛争解決センター
貸金業相談・紛争解決センターは、日本貸金業協会が運営する窓口で、貸金業者(消費者金融など)に関する借り入れや多重債務、苦情や紛争を解決するための相談先です。
このセンターでは、闇金に限らず貸金業全般に関する相談を受け付けているため、闇金以外の業者とのトラブルに悩む方や、取引相手が闇金かどうか判断できない方に適しています。最近では、「ソフト闇金」と呼ばれる、違法な営業を行いながらも顧客対応が穏やかな業者が増えています。このような業者は健全な貸金業者と見分けがつきにくいため、警察に相談すべきか迷うケースも少なくありません。その際、貸金業相談・紛争解決センターに相談することで、適切な判断を仰ぐことができます。
相談方法は電話だけでなく、ウェブ、FAX、全国各地の窓口でも受け付けており、費用がかからない点が大きなメリットです。ただし、国民生活センターと同様に、直接的に闇金問題を解決できるわけではないため、その点には注意が必要です。
国民生活センター
国民生活センターは、消費に関するさまざまなトラブルや紛争を解決するために設立された独立行政法人で、「消費者センター」と呼ばれることもあります。
このセンターでは、国内のサービスや商品に関する苦情や問い合わせを受け付けており、健康食品やサプリメント、ネット通販などの契約トラブルに関する注意喚起でも知られています。また、多重債務の相談も受け付けており、公式ホームページの「各種相談の件数や傾向」では、2020年度に多重債務に関する相談件数が2万件を超えていることが明らかにされています。実際、闇金問題についての相談事例も数多く寄せられています。
相談は、消費者ホットライン(局番なし188)を通じて土日祝日も気軽に利用できる点がメリットです。ただし、警察とは異なり、闇金問題の直接的な解決には結びつかないため注意が必要です。闇金被害に遭い、どうしたらよいかわからない時や、まず誰かに話を聞いてもらいたい時に選択したい相談先といえるでしょう。
弁護士・司法書士
弁護士や司法書士が運営する法律事務所では、債務整理に関する無料相談を受け付けており、闇金問題についても相談することが可能です。無料相談だけでは解決に至りませんが、契約して依頼をすれば、闇金業者との直接交渉を行い、問題の根本的な解決に向けて対応してもらえます。
法テラス
法テラス(日本司法支援センター)は、国民が法的トラブルを解決するための支援を行う機関です。借金問題をはじめ、相続や離婚など弁護士・司法書士の助けが必要なトラブルに直面した際に、支援を通じて問題解決へ導きます。
法テラスでは、収入や財産が基準以下である場合、弁護士や司法書士を紹介し、必要な費用を立て替える「民事法律扶助制度」を提供しています。そのため、他の相談機関とは異なり、闇金問題に直接対応し解決へ向けた具体的な行動を起こすことが可能です。
ただし、法テラスの民事法律扶助制度を利用する際には、以下のようなデメリットがある点に注意が必要です。
- 解決までに日数がかかる
- 弁護士を自分で選ぶことができない
- 収入や資産に制限がある
これらの条件を踏まえつつ、闇金問題の解決手段として活用を検討することをお勧めします。
時間がかかるため注意が必要
法テラスの民事法律扶助制度を利用する際には審査が必要で、支援が決定するまでに少なくとも2週間程度の時間がかかります。また、審査を受ける際には収入や資産に関する書類を準備する必要があります。
さらに、法テラスでは借金問題以外にもさまざまな法的トラブルの相談を受け付けているため、地域によっては混雑している場合があります。特に、法テラス東京などの大都市にある事務所では、初回相談の予約が2週間以上待ちになることもあります。そのため、早急な解決を望む方には適していない場合があります。
持ち込み制度を活用しよう
法テラスで紹介される弁護士は自分で選ぶことができないため、場合によっては闇金問題の対処実績がない弁護士が紹介されることもあります。闇金問題の解決は弁護士の経験やスキルに大きく左右されるため、不適切な弁護士に依頼すると、闇金業者との関係を完全に断ち切れないリスクが生じる可能性があります。
法テラスを利用する前に、自分で法律事務所を選び無料相談を受けた後、その事務所から法テラスの民事法律扶助制度を申し込む「持ち込み制度」を利用する方法がおすすめです。この制度を活用すれば、闇金問題に強い弁護士を選んで依頼することが可能です。まずは依頼したい弁護士が民事法律扶助制度に対応しているかを確認しましょう。
収入や資産には制限が設けられている
法テラスの民事法律扶助制度は、すべての人が利用できるわけではありません。利用するには、収入と資産の両方が法テラスの定めた基準を下回っている必要があります。たとえ収入が少なくても、不動産などの高額な資産を所有している場合は審査を受けられません。
闇金問題は警察と専門家、どちらに相談するべきか?
闇金問題を相談できる機関は複数存在し、警察もその一つです。ただし、問題を根本から解決したい場合には、相談先を警察または専門家(弁護士・司法書士)に絞るのが効果的です。それぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自分の状況に最適な方法を選びましょう。
専門家に相談する際のメリットとデメリット
法律の専門家に相談する最大のメリットは、依頼をすれば迅速に対応してもらえる点です。弁護士に借金問題を依頼する場合、まずは無料相談を申し込み、その後依頼を決めた際には担当弁護士との面談が行われます。早ければ面談当日に委任契約を結び、すぐに対応が開始されます。警察とは異なり、確実かつ迅速な対応が期待できるのが大きな利点です。
さらに、弁護士に依頼した場合には、稀ではありますが、闇金に支払ったお金を返金してもらえる可能性もあります。どのような場合に返金が可能なのかについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
闇金の借金は過払い金請求可能?【ケース別】返金の可能性や対処法を解説
一方、専門家に依頼する際のデメリットとしては、確実な対応が期待できる分、費用が発生する点が挙げられます。また、すべての弁護士が借金問題や闇金問題に詳しいわけではないため、闇金問題に強い弁護士を探す手間が必要になることも覚えておきましょう。
警察に相談する際のメリットとデメリット
弁護士や司法書士に依頼する場合には費用が必要ですが、警察は公的機関のため費用はかかりません。また、警察が闇金の摘発に乗り出せば、闇金問題から確実に解放される可能性が高いです。費用負担がないことと、摘発による効果の大きさが警察に相談する際の主なメリットといえます。
しかし、警察は事件性が認められない場合には対応を行いません。そのため、証拠が不十分である場合には対応を断られることもあります。また、担当者によっては「無視すればいい」といった助言だけで終わるケースも少なくありません。
たとえ証拠を揃えて被害届を提出できたとしても、警察がすぐに行動するとは限りません。闇金業者は足取りが掴みにくく、取り締まりが難しいケースが多いため、問題の解決には時間がかかることが一般的です。
闇金対応の費用について
弁護士に依頼する際に気になるのが費用面です。特に、闇金業者との交渉を依頼する場合、費用が高額になると心配する方も多いでしょう。しかし、闇金問題解決にかかる費用は法律事務所によって異なるものの、着手金を含めて闇金業者1社あたりの相場は5万円前後となっています。
また、多くの事務所では後払いや分割払いに対応しているため、費用面での負担を軽減することが可能です。具体的な支払い方法については、無料相談の際にしっかり確認しておくと安心です。
対応実績が豊富な弁護士・司法書士を選ぶ
先述の通り、弁護士の業務は幅広いため、すべての弁護士が闇金問題の対処実績を持っているとは限りません。そのため、無料相談の段階で闇金問題の解決経験が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
弁護士に闇金問題を依頼すると、まず一般的な債務整理と同様に、闇金業者に受任通知(介入通知)を送付します。この通知は、専門家が介入したことを知らせるもので、闇金業者が最も嫌う手段の一つです。通知を受け取った時点で手を引く業者も多くいます。
しかし、闇金業者の多くは住所を公表せずに営業しているため、郵送ではなく弁護士が電話で直接交渉を行うケースもあります。闇金業者との交渉経験が豊富な弁護士であれば、効果的な話の進め方を熟知しており、確実に問題を解決することが可能です。
一方で、弁護士に依頼せずに闇金への返済を続けると、完済後も個人情報を握られていることで、押し貸しなどの新たなトラブルに巻き込まれる可能性があります。弁護士に依頼し、適切に対応してもらうことで、闇金業者と完全に縁を切ることができ、安心を取り戻せるでしょう。
弁護士や司法書士に闇金問題を相談する際の手順
闇金問題を弁護士や司法書士に相談する際の手順は以下の通りです。
- 闇金問題の解決に強い専門家を探す
- 問い合わせ窓口に連絡し、相談日時を予約する
- 予約日に事務所を訪れ、専門家と相談を行う
- 提案内容に納得した場合、委任契約を結び依頼を正式に進める
1. 闇金問題を得意とする専門家を探す
闇金トラブルに強い弁護士を探す際は、以下のポイントを基準に選びましょう。
【闇金トラブルに強い弁護士を選ぶポイント】
- 明確な料金体系が提示されていること
- 豊富な解決実績を持っていること
- 着手までの対応が迅速であること
- アフターフォローが充実していること など
2. 相談の予約をするために窓口に連絡を取る
闇金問題の相談先が決まったら、電話やメールで直接問い合わせて相談日を予約しましょう。
相談料が心配な場合は、「初回相談無料」や「何度でも相談無料」といったサービスを提供している法律事務所を選ぶのがおすすめです。
3. 相談日には事務所を訪れて、専門家と話をする
予約した日時に事務所を訪問しましょう。
その際、闇金との取引履歴や預貯金通帳などの書類を持参すると、相談がスムーズに進みます。
4. 提案内容に納得した場合、依頼するために委任契約を結ぶ
事務所で提案された内容に納得できた場合は、弁護士や司法書士と委任契約を結びます。
初回相談時にそのまま契約を締結するケースもあるため、身分証明書や印鑑などをあらかじめ持参しておくと安心です。
闇金問題を弁護士や司法書士に相談する際の重要なポイント
弁護士や司法書士に闇金トラブルを相談する際のポイントは、次の5点です。
- 専門家にはできるだけ早く相談する
- 質問や相談内容をあらかじめ整理しておく
- 自分に不利なことも正直に伝える
- 関連する資料や証拠を持参する
- 闇金業者の言葉に惑わされないよう注意する
できるだけ早い段階で専門家に相談する
闇金トラブルを円満に解決するためには、弁護士や司法書士への相談は早めに行うことが重要です。
理由としては、問題を放置すると取り立てがエスカレートしたり、被害金額が増加するリスクが高まるためです。
相談する内容や質問を事前に整理しておく
闇金トラブルを弁護士や司法書士に相談する際は、事前に相談内容や質問事項を整理しておくことをおすすめします。
理由として、弁護士や司法書士との相談時間は30~60分程度と限られているため、準備不足のまま話をすると現状を正確に分析してもらいにくくなるからです。
たとえば、「深夜の連絡に悩んでいる」「支払ったお金を取り戻したい」「家族に迷惑をかけたくない」など、具体的な質問や要望をあらかじめリストアップしておくと、スムーズな相談が可能です。
事件に関連する可能性のある資料や証拠を持参する
闇金トラブルを弁護士や司法書士に相談する際は、事件に関連する資料や証拠をすべて持参することが大切です。
【相談時に用意すべき資料・証拠】
- 闇金業者の情報が分かる資料
- 名称
- 連絡先
- 使用口座 など
- 返済や取引に関する資料
- 契約書
- 取引明細
- メール、LINE、DMのスクリーンショット など
- 闇金業者の違法行為に関する証拠
- 診断書(暴力によるケガの証明など)
- 動画や音声データ など
これらの資料や証拠があることで、弁護士や司法書士が現状を正確に把握し、迅速かつ的確な対応を進めることができます。
自分にとって不利な点も正直に伝える
闇金トラブルを弁護士や司法書士に相談する際には、自分にとって不利なことも正直に伝えることが重要です。
たとえば、ギャンブル依存症が原因で消費者金融から借金を重ね、返済が行き詰まった末に闇金に手を出してしまった場合、根本的な問題であるギャンブル依存症についても正確に話しておかなければ、闇金問題解決後の債務整理や再発防止策を適切に検討することができません。
闇金や借金問題を根本から解決したいなら、自分が話しづらいと感じることも含め、すべて包み隠さず伝えられる信頼できる弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。
ヤミ金業者の言葉に影響されないようにする
闇金業者は、被害者から可能な限りお金を搾り取ることを目的としています。
そのため、「弁護士に相談しても借金は消えない」「弁護士に高い費用を払うくらいなら返済に回したほうが良い」などと嘘を並べ、被害者が弁護士に相談するのを阻止しようとします。こうした発言は、被害者を混乱させ、弁護士に頼る道を断つことで、さらに搾取を続けるための策略です。
闇金業者は自らの利益のために動きますが、一方で弁護士は依頼者の利益を守るために全力でサポートしてくれます。
ヤミ金被害を相談する際のポイント
闇金被害を相談する際には、次の2点に注意が必要です。
- 詐欺業者に引っかからないこと
- 行政書士は闇金問題の相談相手として適切でないこと
行政書士はヤミ金問題に対応できない
闇金トラブルの相談先として、行政書士は適切ではありません。
その理由は、行政書士には闇金の取り立てを止めたり、支払済みのお金を取り戻したりする権限がないからです。
本格的に闇金問題を解決したい場合は、弁護士や認定司法書士に相談することをおすすめします。
「ヤミ金問題解決」を謳う詐欺業者に注意する
違法業者の中には、闇金被害で困っている人を狙う詐欺業者も少なくありません。
こうした詐欺業者に引っかかると、さらに厳しい取り立てを受けたり、家計が一層苦しくなったりする危険があります。そのため、相談は必ず身分を明確にしている弁護士や司法書士に行うよう心がけましょう。
まとめ
闇金問題は警察に相談できます。特に督促で恐喝行為に悩んでいる場合は、動画・写真・音声などの証拠を残し、被害届を提出することが可能です。ただし、相談する警官によって対応が期待外れだったり、案件が後回しにされることもあります。
また、闇金の取り締まりは難しく、解決までに時間がかかることが多いため、「すぐに対応してほしい」「督促から早く解放されたい」と思う方には警察だけの相談では不十分な場合があります。そのため、警察と併せて弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
闇金への対応実績が豊富な弁護士に依頼すれば、迅速に闇金との関係を断つことが可能です。また、暴力や物損が発生した場合は、警察との連携を弁護士がサポートしてくれる場合もあります。闇金の督促に悩んでいる方は、まず無料相談を活用して解決の糸口を見つけてみましょう。
闇金が嫌がる行為に関するよくある質問(FAQ)
最後に、闇金トラブルに関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。
ヤミ金業者と直接交渉することは可能ですか?
ヤミ金業者と個人で交渉するのは、基本的に困難です。たとえ法的根拠を示して支払いを拒否しても、取り立てが止まらないどころか、嫌がらせがエスカレートする恐れがあります。
家族や友人、会社に迷惑が及ぶ前に、ヤミ金業者の対応は弁護士に任せることを強くおすすめします。
ヤミ金業者は金利を下げたり、返済期限を延長してくれることがありますか?
返済期日を延ばしてくれる可能性はありますが、その代わりに利息が上乗せされたり、犯罪行為への加担を要求されることが考えられます。安易に応じると状況が悪化する可能性が高いため注意が必要です。
専門家に依頼すれば、闇金業者からの嫌がらせを受けることはないのでしょうか?
闇金からの報復を恐れて弁護士への相談をためらっていると、被害が長引く恐れがあります。
弁護士や司法書士に相談することで、闇金に対し内容証明郵便を送付するなどの法的措置を講じてくれます。また、万が一嫌がらせが発生した場合でも、警察と連携しながら対策を進め、さらなる被害の拡大を防ぐための対応を行ってくれるでしょう。
闇金問題を放置せず、早めに専門家へ相談することが解決への近道です。
家族や会社への嫌がらせを止めるためにはどうすればよいですか?
家族や会社への嫌がらせを止めるには、警察の対応が必要です。
弁護士から嫌がらせを止めるよう請求することはできますが、物理的に止める権限を持つのは警察です。そのため、ヤミ金業者の対応を弁護士に任せつつ、緊急時に備えて事前に警察へ相談しておくことが重要です。
弁護士に相談したいのですが、費用が用意できない場合、どうすればよいでしょうか?
弁護士費用を準備できない場合、以下の方法を検討してみましょう。
- 初回相談無料や何度でも無料相談を提供している弁護士を選ぶ
- 費用の後払いまたは分割払いに対応している弁護士を選ぶ
- 法テラスの弁護士費用立て替え制度を利用する
闇金トラブルを弁護士に依頼する場合、費用の相場はどのくらいでしょうか?
闇金トラブルを弁護士に相談する際の費用目安は以下の通りです。
ただし、法律事務所によって費用体系が異なるため、確認が必要です。
- 相談料:30分で約5,000円(初回無料の事務所もあります)
- 着手金:無料~約5万円
- 報酬金:2万円以上~
- その他実費
さいごに
闇金問題に関する無料相談窓口は、さまざまな機関で設けられています。
例えば、消費生活センターや貸金業相談・紛争解決センターに相談することで、簡単なアドバイスを得ることができます。
しかし、闇金問題や借金問題を根本的に解決したい場合は、弁護士や認定司法書士に相談するのが最も効果的です。
早い段階で専門家に相談し、闇金被害の深刻化を防ぎましょう。