このページを読んでいる方の中には、債務整理という名前は聞いたことあるけど、どんな手続きか知らないという方も少なくないでしょう。
実は借金で困っている人の8割が「債務整理」を行っています。
このページでは債務整理の種類とメリット・デメリット、債務整理の選び方について丁寧に紹介していきます。
ぜひ債務整理を考えるときの参考にしてください。
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債務整理にはどんな種類がある?
債務整理とは、借金の返済ができなくなってしまった時や、借金の返済が辛くなってしまった時に利用できる手続きです。
債務整理をすることで、借金を減額できたり免除してもらうことができます。
債務整理は大きく分けると
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
以上の4つに分けることができます。
それぞれの特徴について紹介します。
任意整理
- 裁判所を通すことなく借入先と支払いの交渉をする
- 借入先との交渉を専門家に任せることができる
- 将来利息(これからかかる利息)をカットして元本のみの返済にする
- 専門家に無理のない返済プランを組んでもらうことができる
個人再生
- 裁判所を通して返済金の減額・期間を伸ばしてもらう
- 減額後3年間での完済を目指す
- 返済総額が1/5~1/10に減額される
- 住宅ローンを残すことができる
自己破産
- 裁判所で借金を免除してもらう
- 免責が認められると借金の支払いが免除される
- 20万円以上の財産と99万円以上の現金は没収され返済に回される
特定調停とは
- 簡易裁判所の仲介で借入先と交渉できる
- 借金をしている本人が書類準備など全ての手続きを行う
債務整理手続きのメリット・デメリット
次に、任意整理・個人再生・自己破産・特定調停それぞれの手続きのメリット、デメリットをご紹介します。
メリット・デメリットをしっかり確認して、自分に合う債務整理手続きを見つけましょう。
任意整理のメリット・デメリット
まずは、任意整理のメリット・デメリットについて紹介します。
- 最短即日で電話・手紙の取り立てや督促を止められる
- 裁判所を通さないため、対象の借金を選べたりなど柔軟に対応してもらうことができる
- 利息のカットをするため消費者金融やリボ払い、闇金の借金に向いている
任意整理は裁判所を通さず、借入先と弁護士で交渉をします。そのため、柔軟な対応が可能です。
他の債務整理のように財産を手放したり、資格制限を受けたりといったこともありません。
また、任意整理する借入先を選択できるので、保証人付きや担保付きなどの借入を外すことも可能です。
保証人へ迷惑をかけたくない、ローンの支払いが終わっていない住宅や車を手放したくないときにも選択肢となります。
- ブラックリストに載ってしまう
- 裁判所の命令ではないので強制力がない
- 他の債務整理と比べて減額幅が小さい
任意整理の一番大きいデメリットはブラックリストに載ってしまうことです。
任意整理手続きをした減額後の借金完済後、約5年間新しい借入やローンの契約ができなくなります。
また、任意整理自体に強制力がなく必ずしも借入先が和解に応じてくれるとは限りません。
個人再生のメリット・デメリット
- 返済総額を1/5~1/10まで減額できる
- 持ち家を残すことができる
- 資格制限や就業制限がなく、仕事を続けることができる
個人再生は、借金総額をカットできるので大幅な返済負担の軽減につながるのがメリットです。
裁判所を通す手続きのため、借入先に対しての強制力もあります。
財産の処分の必要がなく、住宅資金特別条項を適用すれば住宅ローンの残っている自宅も手放さずに住み続けられます。資格制限もありません。
- 利用できるのは借入総額が5,000万円以下の場合
- 収入がある場合のみ手続きができる
- 保証人や連帯保証人に支払い義務が移る
個人再生は債務整理の中でも最も複雑で規定の多い手続きです。
手続き後に借入残高が残るため、継続した収入がある人のみ手続きができます。
また、手続きをする上での上限金額が定められていて、5,000万円以下の借入金額でなければ手続きできません。
個人再生をすると、任意整理よりも長い期間事故情報として登録されます。10年間はローンを組んだり借入したりができなくなります。
用意しなければならない書類も大量にあるため、手続きが難しいのもデメリットの1つです。
自己破産のメリット・デメリット
- 借金が帳消しになる
- 自己破産手続き後の収入を自由に使うことができる
- 手続きをすることで全て没収されるわけではない
自己破産をすると全ての財産を没収されてしまい手元に何も残らなかったり、手続き後も貧しい生活が続いたりすると誤解している人が多いです。
しかし実際は、借金の免責の許可決定が確定すれば借金が帳消しになります。
その上、20万円以下の財産と99万円以下の現金は残るので生活の立直しが可能といえます。
自己破産後は借入残高の支払いもなく、得た収入を自由に使えるので、以前より裕福な生活を送っている方もいます。
- 家や車、土地など一定以上の価値があるものは没収される
- 保証人や連帯保証人に支払い義務が移る
- ブラックリストに載る
自己破産する大きなデメリットは、本人が自己破産した場合、支払いの義務が保証人や連帯保証人にかかってしまうことといえます。
そのため自己破産をする時は、保証人や連帯保証人となってくれている友人や家族がいる場合、事前に話しておくことが必須です。
家や土地などの価値のある財産は、通常処分を免れません。車に関しては年式と価格を考慮して決められます。
特定調停のメリット・デメリット
- 借金の減額が期待できる
- 自分の都合に合わせて手続きを進めることができる
- 財産を没収されない
特定調停は自分で手続きをする代わりに、費用がほかの債務整理よりも安くなっています。
財産などを没収されることもなく、自分で進めれば弁護士への支払もないので他の債務整理手続きより費用が安く済むことが多いです。
- 思い通りの結果になる可能性が低い
- 手続きに必要な書類等の準備を一人で行わなければならない
- 朝廷がうまくいかなかった場合は他の債務整理手続きに移行しなければならない
本人主体で進められる分、面倒な書類作成や手続きも自分でする必要があります。結果も全部が希望どおりにいくとは限りません。
調停が成立しなかった場合には、自己破産などの別の債務整理の手続に移行しなければならなくなることもあるので要注意です。
債務整理別、手続きができる人の条件
債務整理には、大きく4つの手続きがあること、それぞれどのような特徴があるのかわかっていただけたでしょうか。
じゃあ、私はどの手続きを選んだらいいんだろう
そう思っている方も少なくないと思います。
ここからは、債務整理手続きができる条件をご紹介します。
- 手続後3年〜5年程度で完済できる
→長くても5年以内に返済しなければなりません。そのため、完済までの期間が5年よりも長い場合は和解が成立しないこともあります。 -
これまで1度でも返済している
→そもそもの返済意思がないと見なされれば、減額後も支払うつもりがないと考えられ、交渉に応じてもらえない可能性があります。
▶︎任意整理の条件って何?手続きをスムーズに進めるためには?
- 手続後3〜5年で完済できる人
→最長でも5年以内に返済する必要があるので、それができない経済状況と判断されると応じてもらえません。 - 債務の総額が5,000万円を超えない人
→税金などを除いた債務が5,000万円以上の場合だと、個人再生はできません。
▶︎個人再生の条件って何?小規模個人再生と給与所得者等再生で違う?
- 支払不能せあることを証明できる
→自身が無理だと感じていても、客観的に見て十分な財産がある場合は自己破産ができないことがあります。 - 非免責債権ではない借金であること
→税金など一定の類型の債務は自己破産による免責の対象となりません。
- 指定された期日に出廷できる人
→債務者本人が裁判所に出廷する必要があるので、平日でも仕事などの都合をつけなくてはいけません。 - 書類などの準備を自己責任でできる人
→特定調停では原則的に手続の準備を自分でする必要があります。弁護士に依頼し準備してもらうことも可能ですが、費用がかかります。 - 減額後の借金を返済できる見込みがある人
→特定調停では借金が0になることはほとんどありません。よって、その後の返済ができるかも注意が必要です。
▶︎特定調停をするための条件って何があるの?できない場合もある?
債務整理をするための表はいくら必要?
債務整理では、全ての手続きで借金を0にできるというわけではありません。
借金が0になる可能性がある債務整理
自己破産(税金などは支払義務が残る。)
借金が0にならない債務整理
・任意整理
・個人再生
・特定調停
自己破産以外の方法では基本的に減額になるので、手続が終わった後も借金を返済していかなければなりません。
借金後も返済していくことを考えると、収入がないと自己破産以外の債務整理は難しいと考えられます。
どうしても費用が用意できそうにない、という方は法テラスに相談することをお勧めします。
債務整理をすべき人はどんな人?
ここまで読んでいただいた人の中で自分が債務整理をするべきかどうか悩んでいる方も多いかと思います。
ここからは一般的に債務整理をした方がいいと言われる条件を紹介します。
普段の自分にとって債務整理が必要かどうか振り返ってみてください。
- 常にクレジットカード利用限度額に達している
- 返済期間が5年以上の債務がある
- 収入の少なさから借金をしてしまう
- 浪費が激しい
上に挙げた条件はあくまでも目安です。
債務整理にはデメリットもあり複雑な手続きです。
自分にはどの債務整理をする必要があるのか、慎重に見極めてから弁護士に依頼したり、各機関へ手続を行う必要があります。
債務整理をするなら弁護士への相談がおすすめ
ここまで読んでいただけたらわかる通り、債務整理には書類作成や、裁判所を通しての手続きなど難しいことばかりです。
債務整理の成功確率を最大限に上げるためには、弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが一番です。
しかしながら、弁護士や司法書士に相談するのはハードルが高いという方も多いでしょう。
まずは、借金減額シミュレーターで自分の借金がいくら減らせるのか知ることで日々の不安を解消することができますよ。