リボ払いを一括返済方法で手数料を減らす!早期完済のやり方とそのメリット

リボ払いは一括返済可能!返済を早く終わらせる方法とその手順をご紹介

「リボ払い」は、毎月の支払額を調整できるため、支払いが厳しい月には少額に、余裕がある月には多めに支払うことができ、柔軟に対応できます。しかし、便利である反面、返済残高が増加したり、返済期間が長引くと手数料がかさむこともあります。そこで、今回はお金のプロであるFPが、リボ払いの手数料を抑えるための方法として「一括返済」や「繰上返済」の活用法を紹介します。

リボ払いとはどのような支払い方法か?

リボ払いとは、事前に設定した金額を毎月一定額ずつ返済するクレジットカードの支払い方法です。クレカの支払い方法には、リボ払いと一括払いの2つの主な選択肢があります。リボ払いは、一括払いと比較すると支払額が一定であるため、支出を管理しやすいというメリットがあります。また、利用額が多い月でも、負担を抑えることができる点が特徴です。しかし、一括払いと異なり、リボ払いでは返済が長期間にわたるため、利息の支払いが増え、最終的にはトータルの返済額が大きくなる可能性もあります。

リボ払いのメリットとデメリット

リボ払いの利点は、毎月の支払額を柔軟に調整できる点です。急な支出が発生した際に支払い額を少なく抑えられるため、予算管理がしやすく、柔軟に対応できます。しかし、リボ払いには欠点もあり、手数料が高いため、長期間利用し続けると総支払額が増えてしまいます。また、未払い残高が多くなると、完済が難しくなることもあります。

なぜリボ払いでは手数料が増えるのか?

リボ払いは毎月の返済額を柔軟に決められるため、便利な支払い方法ですが、実際にはカード会社に一時的に借金をし、返済を先延ばしにしていることになります。カード会社は、利用者が返済を遅らせることに対して、無料で待ってくれるわけではなく、未払い残高に基づいて手数料を請求します。そのため、利用期間が長引いたり、未払い残高が増えたりすると、手数料が高くなり、支払う回数も増えてしまうのです。

リボ払いの手数料の割合

先に述べたように、カード会社はリボ払い利用者の未払い残高に基づいて手数料を請求しますが、多くのカード会社では、未払い残高に対して15%の手数料を設定しています。なお、国は借金をする利用者を保護するために利息制限法を制定しています。この法律では、金利が以下のように制限されています。
 ・貸付額が10万円未満の場合:年利20%まで
 ・10万円以上100万円未満の場合:年利18%まで
 ・100万円以上の場合:年利15%まで

早期に返済すれば、リボ払いの手数料を削減することができる

リボ払いの手数料は、次の計算式で求められます:【手数料=未払い残高×手数料率(通常は15%)÷365×利用日数】。この計算からわかるように、手数料を軽減するためには「未払い残高を減らすこと」と「利用日数(返済期間)を短縮すること」の2つの方法が重要です。毎月の返済額を増やして未払い残高を減らし、可能な限り早く完済することが大切です。これを実行するための方法として、一括返済や繰上返済があります。

一括返済

ここでは、一括返済のやり方について解説します。

一括返済とはどのようなものか?

未払い残高を一度に全額返済する方法を「一括返済」と呼びます。この方法では、全額を一度に返済するため、未払い残高がゼロになり、以降は手数料が発生しなくなります。実行にはまとまった資金が必要となるため、一括返済に変更するハードルは高いものの、その分手数料を大きく軽減することができます。

一括返済のメリットとデメリット

一括返済の最大のメリットは、手数料の大幅な軽減効果です。これをわかりやすくするために、リボ払い手数料率15%のクレジットカードで、20万円の買い物をし、毎月1万円ずつ返済した場合を考えてみましょう。

・予定通り、毎月1万円を返済し続ける場合
支払い回数は24回、返済総額は23万1,581円で、手数料は3万1,581円となります。

・6ヶ月後に一括返済をした場合
返済総額は21万3,378円、手数料は1万3,378円となります。
一括返済を行った場合と行わなかった場合の差額は1万8,203円となり、約1万8,000円の手数料軽減効果があったことがわかります。

※返済総額は元利均等返済で独自に計算したものです。実際の返済額の計算方法は各金融機関で異なるため、注意が必要です。

一括返済した場合、もう一つの利点があります。それは、リボ払いの利用可能枠に大きな余裕ができることです。この余裕によって、予期しない支出に備えることができます。しかし、再度リボ払いを使うと、一括返済による手数料軽減効果が無駄になってしまうので注意が必要です。

一括返済には、まとまった資金が必要というデメリットもあります。手数料の軽減効果は大きいものの、無理に完済を目指すと家計に圧力がかかり、場合によってはさらなる借り入れを招くリスクがあります。無理な返済は避け、慎重に進めましょう。

一括返済するメリット

リボ払いを一括返済することで得られる主なメリットは以下の通りです。
・毎月の支払いがなくなり、返済がリセットされる
・手数料の負担を軽減できる
・利用可能枠が元に戻る

毎月の支払いが終了し、リセットできる

リボ払いを一括返済すると、次回の引き落としから毎月の支払いがなくなり、支払残高をリセットできます。
一括払いと異なり、リボ払いを続けながらお買い物をすると、返済が長期化することがあります。
もしリボ払いが長引いている場合、手持ちの資金に余裕がある時に一括返済を行い、清算することで、返済の長期化を防ぐことができます。

手数料の負担が軽減される

リボ払いの手数料は、利用日数に基づいて計算されます。したがって、一括返済をしてリボ払いの返済を終了させることで、最終的な手数料の負担を軽減できます。
反対に、返済が長引くと、支払う利息の総額が増加してしまいます。

利用可能枠にゆとりができる

一括返済で利用可能枠に余裕が生まれる

リボ払いでは、カードの種類や利用状況に応じて「利用可能枠」が設定されていますが、一括返済をすることでこの枠に余裕が生まれるというメリットがあります。例えば、利用可能枠が100万円で支払い残高が30万円の場合、新たに利用できるリボ払い枠は70万円です。しかし、一括返済を行うことで30万円が返済され、利用可能枠は100万円に戻るため、大きな買い物にも活用できます。また、毎月の支払いがなくなることで、家計の負担が軽減され、収支改善が期待できます。

利用可能枠が復活する

リボ払いを完済すると、リボ払いで利用していた金額分の利用可能枠が回復し、今後の支払いに使える金額が増加します。クレジットカードには以下の上限額があります。

  • ショッピング枠(ショッピング利用のための上限額)
  • キャッシング枠(キャッシング利用のための上限額)
  • 総枠(ショッピングとキャッシング両方で使える上限額)

もしリボ払いを利用してショッピングやキャッシングをしている場合、未返済の残高分だけ上記の枠が埋まります。例えば、ショッピング枠が100万円のクレジットカードで、リボ払いによる残高が20万円ある場合、ショッピング枠は最大80万円までしか使えません。しかし、この20万円を一括返済すれば、再びショッピング枠の100万円全額を利用できるようになります。

リボ払いを一括返済する方法とは

リボ払いを一括返済する方法は、クレジットカード会社によって異なりますが、一般的な方法として以下の手段があります。

  • 次回の引落し時にまとめて返済
  • 銀行振込
  • ATM返済

次回の引落し時に返済額を増額して一括返済ができる場合があります。この場合、会員ページなどから事前に申請を行い、返済額を増額する手続きをします。

振込みによる返済の場合、WEBや電話で事前に申込みをして指定された銀行口座へ振込む形になります。

また、ATMを利用して一括返済を受け付けるクレジットカードもあります。ATMにクレジットカードを挿入し、暗証番号を入力後、画面上で「お預入れ」や「ご入金」などのオプションを選択し、返済金額を入力して支払いを進めます。カードに応じた操作方法を確認して手続きを進めてください。

繰上返済

ここでは、繰上げ返済について詳しく見ていきます。

繰上返済の意味とは?

リボ払いの繰上返済とは、通常の返済額よりも多くの金額を返済に充てる方法です。例えば、毎月1万円を返済しているところを、2万円や3万円といった具合に返済額を増やします。
これにより、未払い残高を早めに減らし、返済期間を短縮することができるため、手数料の軽減につながります。一括返済に比べると軽減効果は少ないですが、必要な資金が少なくて済むため、実行しやすい方法と言えます。

繰上返済のメリットとデメリット

繰り上げ返済のメリットは、まとまった資金がなくても手数料を軽減できる点です。無理のない範囲で早めに未払い残高を減らすことができ、返済期間を短縮し、手数料の削減につなげることができます。

具体例として、リボ払い手数料率が15%のクレジットカードで20万円の買い物をした場合、毎月1万円ずつ返済するとどうなるか見てみましょう。

  • 予定通り毎月1万円の返済を続ける場合:返済回数は24回、返済総額は23万1,581円、手数料は3万1,581円
  • 6ヶ月経過後、毎月の返済額を1万円から3万円に増額した場合:返済回数は12回、返済総額は21万9,439円、手数料は1万9,439円

繰上返済を行わなかった場合との違いは、手数料が1万2,142円軽減されることになります。この軽減効果は大きいと言えます。※返済総額は元利均等返済で独自に計算しています。実際の金額は各金融機関により異なるのでご注意ください。

また、繰上返済を行うと、予定より早く返済が進み、リボ払いの利用可能枠も早く回復します。このため、急な支出に備えることができますが、不用意に再利用することは避けましょう。

ただし、繰上返済にはデメリットもあります。支出が増える可能性があるため、通常の返済額に加えて上乗せ分を支払うことになり、家計が圧迫されないよう計画的な返済が必要です。

毎月の返済額を引き上げる

毎月のリボ払いの返済額を増やすことで、リボ払いの完済を早めることができます。返済額の変更は、クレジットカード会社の会員ページなどから手続き可能です。なお、変更方法は会社によって異なり、金額の指定やコース変更(短期・長期のコース変更)などがあります。

返済額を増やすと、毎月の負担は大きくなりますが、短期間で集中的に支払いを終わらせたい場合には、この増額を考慮するのが良いでしょう。

完済するまで、できるだけクレジットカードの利用を控える

リボ払いが終わらない原因が無駄遣いである場合、まずは無駄遣いを減らし、支出を見直すことが返済を終わらせるために重要です。もし余裕がある場合に繰上返済をしたり、毎月の返済額を増額したりしても、その一方で毎月の利用額が高いと返済は長引いてしまいます。

リボ払いの支払いが多いと感じる場合は、まず支出を見直すことが必要です。

返済方法を変更する手続き方法

返済方法を一括返済や繰上返済に変更する際の手続き方法は、カード会社によって異なります。一般的には、電話やインターネットで申し込みができます。また、最近では、スマホアプリを利用して手続きを行うことができるクレジットカードも増えており、手続きがより簡単になっています。

返済方法を柔軟に変更できるようになった一方で、変更時の条件はカード会社によって異なるため、注意が必要です。例えば、申し込みに期限が設けられていたり、手数料の日割り計算基準が異なったり、返済方法変更に手数料がかかる場合もあります。これらの違いを確認してから、変更手続きを行うことが重要です。

リボ払いの返済方法として借換えを利用することも可能

リボ払いの返済を早く終わらせたい場合、借換えを検討する方法もあります。借換えとは、新たに融資を受けて現在の借入れを返済する手段です。カードローンなどでは、借換え専用のローン商品が提供されていることもあり、リボ払いよりも低い金利で借り換えられる場合があります。リボ払いの負担を軽減したい場合、借換えを選択肢の一つとして考えてみると良いでしょう。

まとめ

リボ払いは毎月の支払額を柔軟に変更できる便利な返済方法です。繰上返済や一括返済を活用すれば手数料を減らすことができますが、手数料軽減ばかりに気を取られて無理な返済計画を立てないよう注意が必要です。誤った返済計画を立てると、生活が圧迫される恐れがあります。現在の家計状況をよく見極め、無理なく返済していくことが重要です。

よくある質問

リボ払いの一括返済方法についてよくある質問をまとめました。

リボ払いの支払額を軽減する方法は?

支払い金額を軽減する方法として、臨時収入やボーナスなどで余裕ができた際に多めに支払う繰上返済や、残高を一括で支払う一括返済があります。必ずしも一括返済をしなくても、一部をまとまった金額で支払うことで、利用残高を減らし、手数料を抑えることができます。手数料の負担を軽減したい方には、これらの方法がおすすめです。

リボ払いを一括返済に変更する方法は?

カード会社によって手続き方法は異なりますが、通常は電話やインターネットを通じて申し込むことができます。一括返済の方法は選択肢が豊富な場合が多いため、自分にとって最適な支払い方法を選びましょう。また、カード会社によっては申し込み期限が設定されていることもあるため、事前に確認しておくことをお勧めします。

リボ払いを一括返済することで得られるメリットは?

リボ払いの利用残高を一括返済すると、当初予定していた手数料を抑えることができるというメリットがあります。リボ払いの手数料は高額になることが多いため、手元に余裕ができた場合には一括返済を検討することをおすすめします。さらに、一括返済をすることで利用可能枠に余裕が生まれ、家計の収支改善にもつながります。