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あける
彼氏や彼女に借金がある場合、結婚しても問題ないかどうかは大丈夫?
目次
- 彼氏や彼女に借金がある場合、結婚しても問題ないかどうかは大丈夫?
- 彼氏や彼女に借金がある場合、結婚して問題ないか?借金がある相手との結婚について
- 結婚前に独身時代の借金を清算するのが基本
- 結婚を決める前に確認すべきなのは「借金の理由」
- 結婚前の交際相手に借金が発覚した場合の対処法
- 結婚せずに別れるべきかの判断基準
- 離婚の理由で第2位にランクインしたのは「経済的な理由」
- 債務整理を行う際のポイント
- 結婚を考えている相手の親が借金を抱えている場合
- 彼氏や彼女が借金を滞納し続けた場合、どんな影響があるか?
- 次に重要なのは、彼氏が自分を変えようとするかどうか
- 結婚式や新婚旅行、そして新婚生活のためにお金を借りたい
- 結婚を考えている彼氏・彼女の借金を肩代わりしても問題ないか?
- 借金を抱えた状態で結婚生活を始めると、どうなるのか?
- まとめ
「借金がある彼女と結婚を考えているけど、このまま結婚しても問題ないのか?」
「結婚前に自分の借金問題をどう解決すればいいのか知りたい」
交際を重ねて結婚を考えている相手に借金があることが分かると、多くの人は結婚しても問題ないかどうか迷うことがあるでしょう。中には「自分が借金を肩代わりすれば解決できる」と考える人もいるかもしれません。しかし、誤った判断や対応をすると、結婚後に後悔したり「こんなはずじゃなかった…」と思うことがあるかもしれません。
この記事では、借金を抱えている彼女・彼氏との結婚を考えた場合の判断基準や借金問題の解決方法について詳しく解説します。また、自分自身が借金を抱えていることで結婚を躊躇している場合の対処法も紹介します。お金の問題はカップルにとって重要な課題です。正しい判断と解決策を見つけ、後悔しない選択をしましょう。
彼氏や彼女に借金がある場合、結婚して問題ないか?借金がある相手との結婚について
では、借金を抱えた彼女・彼氏と結婚を考えた場合、どのような影響があるのでしょうか。
借金は夫婦の争いの原因になることが多い
借金を含む金銭問題は、夫婦喧嘩の大きな原因となることがあります。恋人同士であれば、互いの財布事情はそれほど気にならないかもしれませんが、結婚して夫婦になれば状況は大きく変わります。金銭感覚の違いが夫婦仲に亀裂を生むことがあり、生活費に困る経済的な状況が問題となると、争いが避けられなくなることもあります。
結婚生活にはもともとお金がかかります。独身時代の借金を抱えたまま結婚するということは、マイナスからのスタートとなることを覚悟しておくべきです。特に女性は、妊娠、出産、子育てのタイミングで収入が減少することがあります。そして、出産や子育てには、夫婦2人のときよりも多くの生活費が必要となります。毎日ギリギリの状態で子育てをすることは、かなりのストレスを伴うはずです。
「愛さえあればお金は問題ない」という考え方もありますが、正常な結婚生活を送るためには、ある程度のお金が必要だということを忘れずにおきましょう。
親が反対する可能性
結婚相手に借金があることで、親から反対されることが考えられます。大切な息子や娘を借金がある相手と結婚させることを避けたいという親心は理解できます。そのため、反対されたことに不満を感じるのではなく、親の気持ちをしっかり理解するよう努めることが大切です。
借金のことを親に伝えないという選択肢もあります。 確かに、借金の額が大きくなく、完済の目途が立っているのであれば、あえて話す必要はないかもしれません。ですが、親に言うべきかどうかは、結婚相手と十分に話し合ってから決めるべきです。
もし借金を理由に結婚を反対された場合は、借金の理由や金額だけでなく、毎月きちんと返済していて完済の目途が立っていることを説明してください。相手の誠実さを伝え、借金に対するマイナスイメージを払拭するように努力しましょう。
それでも承諾してもらえない場合は、完済するまで結婚を延期することも選択肢に入れるべきです。 自分と相手のために、借金がゼロになってから結婚する方が良いでしょう。
結婚後の生活に影響が出る可能性
借金を抱えたまま結婚すると、結婚後の生活に支障をきたす可能性があります。
例えば、マイホームや車をローンで購入しようとしても、借金の金額によっては新たにローンを組むことができない場合があります。
もし相手の借金が原因でローンを組めない場合、自分名義でローンを組むしかなくなることもあります。
また、返済が滞っていると、個人信用情報に「延滞」の事故情報が記載され、新たにクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりすることができなくなる可能性もあります。
これはいわゆる「ブラックリスト」状態で、返済が完了してから数年が経過しない限り、この状態は解消されません。
結婚前に独身時代の借金を清算するべき
独身時代の借金は、できれば結婚前に清算しておくべきです。そもそも、独身時代の借金はその人個人のものであり、結婚相手には返済の義務はありません。借金額が少ないと、「すぐに返済できるから」と後回しにしがちですが、これが結婚後の喧嘩の原因になることもあります。少額であればあるほど、独身時代の借金は結婚前に清算しておくべきです。
結婚前にできた借金は、配偶者には返済義務がない
前述の通り、結婚前の借金の返済義務は、原則として配偶者にはありません。
結婚前の借金は、お金を借りた本人にのみ返済の責任があり、たとえ結婚した相手であってもその返済義務を負うことはないということです。
ただし、結婚前に借金の(連帯)保証人となっていた場合、返済義務を負うことになるため、注意が必要です。
また、結婚前の借金がある状態で配偶者が亡くなった場合、残された配偶者がその借金を相続することになります。
この場合、相続放棄や限定承認といった方法を選択することで、負担を避けることができます。相続放棄は全ての財産(負債も含む)を相続しない方法、限定承認はプラスの財産の範囲内で負債を相続する方法です。
借金が繰り返される可能性がある
20代から30代の独身で既に借金がある彼は、将来的にも同じように借金を繰り返す可能性が高いと言えます。
家を購入するためでもなく、生活も自分一人分で済む状況において、そのお金すら他人から借りているという状態は、彼の人生観を反映していると考えざるを得ません。
「結婚をきっかけに人が変わる」というのは、ドラマや映画の中の話に過ぎません。
実際には、彼のだらしない金銭感覚や無駄遣いに振り回される可能性が高いです。あなたが不満をぶつけるたびに、お互いの溝は深くなるでしょう。
自分で起業したために借金があるとか、親の住宅ローンを肩代わりするために借金があるなど、借金の原因が明確な場合は、その後も借金を繰り返す可能性は低いでしょう。
しかし、個人的な理由で借金を抱えている状態で結婚を申し込む時点で、相手の価値観を疑う必要があります。
人は簡単に変わることはありません。「借金を0円にしてからでないと結婚は考えられない」と断ることで、ショック療法を施すことが重要です。
お金に困った生活が続くことになる
独り身の時は、週末のデートも楽しく過ごせますが、結婚すると生活が最優先になり、日常が中心となります。
一緒に生活を始めると、「外食するぐらいなら貯金した方がいい」と思うことも増えてきます。何をするにもまずお金のことが頭に浮かび、「お金に困る人生」になってしまう可能性があります。
共働きの2人暮らしなら生活費に余裕があるかもしれませんが、数年後には子どもができる可能性もあります。子どもができると、当然仕事を休む期間が生まれ、キャリアも一時的に断絶することも現実的な問題です。
借金に追われる夫婦生活は本当に辛いものです。どんなに彼のことが好きでも、彼自身の借金は結婚前に整理してもらうことが重要です。
自分の収入が差し押さえられてしまう
結婚して夫婦になると、どれだけきっちり管理しようとしても、お互いの財布を完全に分けるのは難しくなります。
同居している家の家賃や光熱費は、ひとつの銀行口座から引き落としをすることが一般的ですし、食費に関してもお互いの負担分を厳密に設定するのは難しいでしょう。
その結果、気づけばあなたの方が彼より多くの生活費を負担していることも十分にあり得ます。
借金を抱えている彼は、すでにその返済に多くのお金を使っている状態です。
最初は、自分との生活費を支払う前に消費者金融やクレジットカード会社にお金を優先的に支払っていることを許容できるかもしれませんが、時間が経つにつれて、その状態が精神的に受け入れられなくなる日が来る可能性もあります**。
自分にも債権者から支払いの請求が届く
結婚している夫婦であっても、法律上は別々の個人として扱われるのが原則です。
ただし、一緒に生活しているため、印鑑登録や実印などを同じ場所で管理することが多いでしょう。
その場合、彼氏があなたを無断で借金の保証人にしてしまうこともあり得ます。
もし保証人になった場合、彼が借金を返せなくなれば、あなたに対して借金の請求が来ることになります。
最悪のケースでは、あなたの給与が差し押さえられ、勤務先の人々に借金があることが知られる可能性もあります。
ただし、あなたの同意なしに保証人にされていた場合、その契約は無効となります。困った場合は、ぜひ弁護士に相談してください。
家を購入したり、子どもを持つことができなくなる
結婚する時点で借金が多い彼氏は、すでに金融機関のブラックリストに載っている可能性がありQ
結婚前に独身時代の借金を清算するのが基本
結婚生活を始める際には、できるだけマイナス要素を排除しておいた方が良いです。
独身時代に借りたお金は、できれば結婚前に清算しておくのが基本です。
そもそも、独身時代に作った借金は個人のものなので、結婚相手に返済義務はありません。
少額の借金だと、「すぐに返せるから」と完済を先延ばしにしがちですが、結婚後にそれがトラブルの原因となることもあります。
むしろ、少額だからこそ、少し無理をしてでも独身時代に返済しておくべきです。
結婚を決める前に確認すべきなのは「借金の理由」
ここまでは借金のある彼氏に対してかなり否定的な内容をお伝えしてきましたが、これからは「借金の理由別」に許容できるケースとそうでないケースについて考えてみましょう。
あなたの大切な彼に、次のような事情が当てはまるのではないかと思う点があれば、ぜひチェックしてみてください。
その借金が客観的に仕方ない事情だったかどうか
もし彼に借金があった場合でも、その理由によっては許容できるケースもあります。
例えば、「家族が高額な医療を必要とする病気になり、やむを得ず借金をした」や、「人生をかけた起業のために借金をしたが、ビジネスがまだ軌道に乗るかどうかの段階にある」という事情があれば、その借金は許容できる場合もあるでしょう。
もちろん、どんな理由であれ借金は期日までに返済しなければならないため、負担は変わりません。ただし、最悪の場合には合法的に借金を免除してもらったり、減額してもらったりする方法(債務整理)も選択肢としてあります。
重要なのは、「借金の原因」が彼の性格に起因しているかどうかを見極めることです。
もし借金が彼のだらしない性格や生活態度から来ているのであれば、その理由は注意が必要です。
彼の性格に原因がある場合、いくら救済措置を受けても、また借金を繰り返す可能性が高いといえます。
また、友人を助けるために保証人になったなど、一見仕方がないように思える理由でも、実は人生経験の未熟さが原因である場合もあります。この点は十分に注意が必要です。
あなたと結婚する彼は、あなたの将来の生活を支える大黒柱となる男性です。
どんなに性格が良くても、生活力がなく、自分自身を守れないような人では「頼りない」と感じるのは避けられません。
お金の使い方が荒い、ギャンブルなどが原因の借金の場合は慎重に考えよう
極端にお金の使い方が荒い、またはギャンブルに依存する習慣がある場合、注意が必要です。
このような状況で借金をしてしまう理由として、日常のストレスを「極端な買い物」や「ギャンブル」などで解消する癖がついている可能性があります。
さらに、お金遣いが荒いという行動は、彼の性格に起因する場合も考えられます。
あなたの前で見せる彼の金銭感覚の乱れが、彼の見栄っ張りな性格や、女性に対して良く思われたいという虚栄心に関連していることもあるでしょう。
日常的な彼の言動をよく観察し、本当に信頼できる人物かどうかを見極めることが大切です。
現在の「借金がある」という状態は、良くも悪くも彼の性格やこれまでの人生の過ごし方を反映している結果であることを理解しておきましょう。
堅実に生活してきた人には、特別な事情がない限り借金はないものです。
結婚前の交際相手に借金が発覚した場合の対処法
結婚を考えている相手に借金があることが分かった場合、どうすればよいのでしょうか?相手から告白されたり、何かのきっかけでその事実が明らかになったとき、最初は混乱し、どうすべきか分からなくなるのは当然のことです。しかし、時間が経って冷静になったら、次のような対処方法を考えていきましょう。
借金の内容を把握する
結婚を考えている相手に借金があることが分かった場合、まずは借金の詳細を確認することが大切です。具体的には、以下の項目を確認しましょう。
- 借金の総額
- 借入先(名称や件数)
- 毎月の返済額
- 完済までの期間
- 借金をした理由
- 延滞の有無
- 保証人や担保の有無
特に、借金の総額、延滞の有無、借金の理由は必ず確認しておくべきです。借金がどの程度あり、毎月いくら返済しているかを把握しないと、その後の適切な対策が難しくなります。また、借金の理由によっては、結婚自体を再考する必要があるかもしれません。さらに、話し合いの際に相手の態度や口調にも注目しましょう。
相手の態度を確認する
彼女や彼氏に借金について聞く際、相手の態度は今後どうすべきかを判断する重要な材料となります。具体的には、次の点をチェックしてください。
- 返済の意思があるか
- 借金に対する考え方
- 真摯に話し合いに応じるか
- お金を無心してこないか
借金について話しても返済の意思が感じられない場合、お金に対していい加減な性格である可能性があります。金銭感覚は簡単に改善できるものではなく、結婚後に大きな問題に発展するリスクがあります。また、黙っていたことへの反省の態度や、真摯に話し合いに応じるかも冷静に観察することが大切です。
もし借金について話したがらず、真面目に向き合おうとしない場合、お金以外の問題でも一緒に解決に向けて協力できる相手かどうか疑問が残ります。開き直ってお金を貸してほしいと言われても、安易に貸すことは避けましょう。
返済計画を作成する
結婚前に借金を完済することを目指して、返済可能な額で返済計画を立てます。
返済計画を立てる際には、借金を抱えている恋人の家計の見直しが必要です。
家計の見直しの基本は、収入の増加と支出の削減です。
収入を増やし、支出を減らすことができれば、返済に充てられるお金が増え、早期の完済が可能になります。
収入を増やす方法
収入を増やす方法としては、「働く時間を増やす」、「アルバイトや副業をする」、「転職する」などがあります。
もし会社勤めをしているなら、仕事を多く割り振ってもらい、残業を増やして残業代を稼ぐのが一つの方法です。また、勤務先の就業規則で副業が許可されていれば、アルバイトや副業を始めるのも良いでしょう。
特に、現在はインターネット社会であるため、パソコンがあればクラウドソーシングを活用して、自分に合った仕事を見つけることができます。クラウドソーシングのWEBサイトでは、仕事内容と報酬金額が明記されており、多様な仕事案件が掲載されています。
給料アップのための他の方法としては、転職をすることも考えられます。ただし、転職する際は自分の能力が十分でないと、逆に給料が下がる可能性があるので注意が必要です。
また、一時的な臨時収入を得る方法として、「不用品の売却」や「結婚後に家庭に入る予定なら、会社を辞めて退職金を得る」といった手段もあります。
不用品の売却では、使わなくなったものをネットフリーマーケットやオークション、または近所のリサイクルショップに持ち込んで売ることができます。
少しでも収入を増やして、月々の借金返済額を増やすよう努めましょう。
支出を削減する方法
支出を削減するための効果的な方法は、家計簿をつけることです。
もし家計簿をつけるのが面倒であれば、簡単なお小遣い帳を使うだけでも十分です。
1ヶ月間、次のような支出項目について、いくら支払っているかを確認してみましょう。
主要な支出項目
- 家賃
- 自動車関連費用
- 水道光熱費
- 食費
- 通信費
- 遊興費
- 被服費
- 交際費
- 雑費
これらの項目について、どの部分で節約できるかを考えてみましょう。
もし、結婚を考えている彼氏・彼女と同棲が可能であれば、同棲するのも一つの選択肢です。
同棲すれば、出費の多い家賃を減らせるうえ、水道光熱費も節約できます。
節約して浮いたお金を借金返済に充てることで、早期完済が実現できるかもしれません。
返済が順調に進んでいるか確認する
返済計画表通りに進んでいるかを、定期的に確認しましょう。
返済が進み、残りの借金が少なくなった時には、臨時収入を活用して完済を目指すことも考慮しましょう。
返済先が減ることで、借金の管理が簡単になり、支払う利息を減らすことができます。
何より、順調に借金が減っていると一目で確認できれば、モチベーションの維持にもつながります。
どれくらいの期間で完済できるかがわかれば、将来の見通しも立てやすくなるでしょう。
貸付自粛制度に申請する
彼女や彼氏に結婚前の借金が発覚し、さらに借金を繰り返す恐れがある場合、日本貸金業協会が提供している「貸付自粛制度」を利用する方法があります。この制度は、ギャンブル依存症や浪費癖がある人を対象に、本人やその家族の生活に支障をきたす恐れがある場合、貸金業者に対してこれ以上貸し付けを行わないよう求めるものです。
申請方法は、来協での手続きのほか、郵送やWeb申告も可能で、無料で手続きができます。
この制度への登録は最大5年間となりますが、申告できるのは本人のみという点に注意が必要です。
本人が借金しない意思を示して、自ら手続きを行う必要があり、配偶者や親族が本人に内緒で申請することはできませんので、そこはしっかり覚えておくことが重要です。
借金の原因となるものから離れる
借金の原因がギャンブルやお酒、買い物などの場合、その原因から離れるための努力も重要です。依存症の状態に至っていなくても、医学的なアプローチやカウンセリングを通じて、借金の原因を断ち切る必要があります。
借金の原因を断ち切れない限り、たとえ完済できたとしても、再度借金を繰り返す可能性が高いためです。
専門の医療機関やカウンセリングを受けながら、お金の使い方、生活習慣、交友関係を見直し、それを実践していくことが大切です。
借金の返済が不可能だと感じた場合…
借金の一覧表や家計簿を作成し、毎月の生活費と返済額の合計が月収を上回る場合は、「支払不能」と判断するべきです。そうなった場合、協力して返済を続けるのは避けた方が良いでしょう。相手に責任感を持たせる意味でも、彼女や彼氏には結婚前に自分自身で借金を整理してもらうことが重要です。
弁護士に相談する
返済不能な借金を抱えている場合、まずは専門家である弁護士に相談することが重要です。弁護士と無縁の生活を送っている人は、「弁護士に相談するなんて…」と躊躇するかもしれません。しかし、弁護士は法律の専門家として、借金に関する様々なトラブルや問題を解決する方法を熟知しています。
そのため、相手に最適な解決策を提案してくれるはずです。まずは本人と一緒に弁護士事務所の無料相談を受けてみると良いでしょう。
債務整理を勧める
自力で解決が難しい借金がある場合、彼女や彼氏に「債務整理」を提案することをおすすめします。弁護士に先に相談した場合でも、債務整理を勧められることがほとんどです。債務整理は、法律に基づいて借金問題を解決する方法で、通常は弁護士のサポートを受けながら進めます。
債務整理には主に以下の3つの方法があります:
- 任意整理
債権者(貸金業者)と直接交渉して、将来の利息や遅延損害金を減額したり、返済期間を延長したりする手続きです。 - 減額後の借金は、3~5年で完済を目指します。
- 手続き対象の借金を選べるため、保証人がいる借金や車のローンなどを除外できます。
- 結婚後の家計からの返済負担を減らしたい場合でも、毎月の返済額を抑えることが可能です。
- 個人再生
家庭裁判所に申し立てて、借金総額を大幅に減額できる手続き(1/5~1/10程度)です。 - 減額後の借金は、原則3年、最長で5年以内に完済を目指します。
- 全ての借金が対象となるため、保証人の借金や結婚後の本人名義の借入も含まれます。
- 住宅ローンを除外することで、持ち家を維持する「住宅ローン特則」が特徴です。
- 自己破産
家庭裁判所に返済不能を認めてもらい、借金を全額免除してもらう手続きです。 - 本人名義の一定以上の財産はすべて処分され、債権者への返済に充てられます。
- こちらも全ての借金が対象となります。
- ギャンブルや浪費が原因の借金は「免責不許可事由」とされ、管財事件になることがあり、費用がかかります。
いずれの方法も借金を減免する手続きですが、デメリットも存在します。共通するデメリットとして、債務整理後、個人信用情報に5~10年間「事故情報」が記録されることがあります。
この期間中、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだり、分割払いを利用したりできなくなります。
もし債務整理後に結婚を考えている場合、上記のようなデメリットを理解し、覚悟しておくことが必要です。
債務整理の概要
項目 | 過払金返還請求 | 任意整理 | 自己破産 | 個人再生 | 特定調停 |
---|---|---|---|---|---|
借金をゼロにできる | △ | × | 〇 | × | × |
債務整理後に借金返済がない | △ | × | 〇 | × | × |
家を残せる | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
車を残せる | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
裁判手続きが不要 | △ | 〇 | × | × | × |
債務整理中に就けない職がない | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
金融機関のブラックリスト(※1)に載らない | △ | × | × | × | × |
官報(※2)に債務整理をした事実(住所・債務者名)が掲載されない | 〇 | 〇 | × | × | 〇 |
※1) ブラックリストというものは実際には存在せず、返済遅延や債務整理を行った場合、金融機関が利用している個人信用情報機関に金融事故情報が登録されます。
※2) 官報は、国が発行している公式な新聞のようなもので、インターネットを使えば直近30日分を無料で閲覧することができます。
債務整理の方法にはいくつかの種類がありますが、今後結婚を考えている場合には「任意整理」と「自己破産」がお勧めです。
これらの方法について、さらに詳しく説明します。
任意整理
任意整理は、借金の総額がそれほど多くない場合におすすめの方法です。
裁判所を通さずに進めるため、債務整理費用が低く抑えられ、借入先の債権者との交渉も最短で3カ月程度で完了することが多いです。
借金を抱えている彼氏や彼女の代理として、弁護士が債権者と直接交渉し、返済負担を軽減するための調整を行います。
減額内容は、一般的に過剰に支払った利息があれば、引き直し計算を行い、払い過ぎた利息を借金の元本に充当して借金総額を減らす方法です。
さらに、今後の利息カットも債権者に求めます。
交渉がうまくいけば、通常、減額後の借金を3年程度で分割払いで完済することになります。
ですが、将来的に結婚を考えている場合は、できるだけ毎月の返済額を多くし、ボーナスなどのまとまった収入があった際には繰り上げ返済を行うようにしましょう。
また、結婚前に借金をできるだけ早く完済することを目指すべきです。
自己破産
自己破産は、経済的に破綻し、返済が続けられないと判断した場合におすすめの方法です。
この方法では、弁護士が代理人として管轄の地方裁判所に破産申し立てを行います。
借金をしている債務者の財産は、生活必需品を除きほとんどが処分されますが、裁判所から免責許可が下りることで、税金や国民健康保険料などの例外を除き、基本的にはすべての借金が免除されます。
これにより、借金ゼロの状態から新たに人生を再スタートできるため、結婚を控えて新しい人生を迎える方には適した方法です。
ただし、自己破産を行うには弁護士費用と裁判所に支払う手続き費用が必要です。
債務者に20万円を超える高額財産がない場合は、「同時廃止」と呼ばれる方法が適用され、裁判所に納める費用(予納金、収入印紙代、郵便切手代、官報掲載費用)は合計で約5万円程度です。
弁護士費用は通常20万円程度ですが、法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、分割払いで毎月5千円から1万円程度で支払うことができます。
そのため、自己破産に必要な費用はおおよそ25万円ほどと見積もっておくと良いでしょう。
借金が多く、金銭的に困窮している債務者にとって25万円は大きな額に思えるかもしれませんが、借金をゼロにできることを考えると、この費用は十分に価値があるものと言えるでしょう。
債務整理のデメリット
結婚を考えている彼氏や彼女に多額の借金があり、返済が困難な場合は、結婚前に債務整理を行い、借金問題を解決させることが重要です。
ただし、債務整理を行うと、個人信用情報機関に金融事故情報が登録され、任意整理の場合は約5年間、自己破産では5年から10年の間、金融機関から新たに借金をすることができなくなります。
その結果、現在使用しているクレジットカードは解約され、その後新規でクレジットカードを作る際には、審査に通らない可能性が高いです。
また、結婚後に車や家を購入する際に、自動車ローンや住宅ローンの契約ができなくなります。
しかし、抜け道もあります。結婚後に債務整理をしていないパートナーがクレジットカードを作り、その際に家族カードを作成すれば、債務整理を行った方も家族カードを利用することができます。
さらに、債務整理をしていないパートナーであれば、自動車ローンや住宅ローンの契約も可能です。
そのため、債務整理を行った彼氏や彼女は、結婚後にはその影響を受けることはなくなると言えます。
おまとめローンの利用
もし、借金を抱えている彼氏・彼女が複数の金融機関から借り入れをしている多重債務者である場合、借金を1つの低金利なローンにまとめる「借金の一本化」を検討することが有効です。
借金を一本化するメリットは、支払利息額を減らせることと、返済管理が簡単になることです。
おまとめローンと呼ばれるこの金融商品は、銀行や消費者金融が提供しており、月々の支払利息が減るため、完済までの見通しが立ちやすくなることがあります。
おまとめローンの利点は確かに多いですが、デメリットも存在します。
その1つが、融資審査が厳しいことです。
他社の借金をまとめるため、融資金額が大きくなるため、金融機関としても慎重に審査を行います。
多重債務者に融資を行うため、審査が厳しくなるのは仕方ありません。
おまとめローンを利用したい場合は、ダメもとで申込みをするくらいの気持ちで申し込んだ方が良いでしょう。
交際相手に借金があっても避けるべき対処法
彼女や彼氏に借金がある場合、結婚したいという気持ちがあっても、次のような対応は避けるべきです。これらの行動は、問題を先送りにするだけでなく、最終的にあなたにまで悪影響を与える可能性があります。
借金を代わりに支払う
結婚を急ぎたい、または借金の理由が気の毒だからと言って、簡単に借金を肩代わりすることは避けましょう。返済の約束でお金を立て替えても、最終的に相手が返済しなかった場合、あなたが泣き寝入りすることになる可能性があります。
さらに、安易に手を差し伸べることは相手を甘やかすことになり、「困ったときには助けてもらえる」と考え、自己責任で問題に向き合おうとしなくなる恐れがあります。結婚を考えているのであれば、特に注意が必要です。借金という自分の問題に向き合わない人は、将来的にあなたや家族に問題が生じた際にも、真摯に共に向き合ってくれない可能性が高いです。
連帯保証人を引き受ける
たとえ結婚を約束していても、交際相手の連帯保証人になることは避けるべきです。連帯保証人とは、借金をした本人が返済できなくなった場合に、代わりにその返済をする責任を負う人を指します。本人の支払い能力に関係なく、返済義務を負うのが連帯保証人です。
「名前を書くだけだから」と言われても、絶対に連帯保証人の欄に署名してはいけません。万が一、相手と連絡が取れなくなったり、自己破産をした場合、連帯保証人としてあなたが残りの借金全額を返済することになります。また、相手が「いざとなったら代わりに払ってくれる」と甘えた考えを持つ可能性もあります。ですので、どんな場合でも連帯保証人にはならないようにしましょう。
結婚せずに別れるべきかの判断基準
借金をする理由はさまざまであり、借金があるからと言ってすぐにお付き合いを終わらせる必要はありません。しかし、金銭感覚は非常に重要です。
借金の返済についてしっかりと話し合い、完済後に前向きに結婚を考えることができるのであれば、結婚後も一緒に財産を築いていけるでしょう。しかし、借金や今後のお金の話を面倒だと避けたり、隠し事が多い場合は注意が必要です。
恋人同士ではお互いの良い面ばかりが見えてきますが、結婚するとその人の欠点も見えてきます。結婚してすぐに離婚することを避けるためにも、借金問題についてはシビアに考えておくことが大切です。
ここでは、お付き合いを続けるか、それとも別れるべきかについての判断基準を考えています。
すぐに別れるべき場合
お付き合いしている彼氏または彼女が次のような借金の原因を抱えている場合、その人との結婚は避け、すぐにでも別れるべきです。
- 自分や友人にまでお金を無心する「借金癖」がある
- パチンコや競馬に依存している「ギャンブル依存症」
- 高級ブランド品やエステ、趣味にお金を費やす「浪費癖」
- キャバクラやホストなどで遊ぶ「遊び癖」
- 借金の話を持ち出すと逃げる、真剣に話し合おうとしない
- ズボラでいい加減な性格、借金に対して楽観的な甘い考えを持っている
もし彼氏や彼女がこのような状態であれば、性格や人柄に根本的な問題があります。結婚しても幸せにはなれません。また、借金を抱えている人と結婚することに対して、あなたの親も強く反対するでしょう。
結婚してもパートナーと親との関係がうまくいかず、結婚生活が不幸に終わる可能性が高いです。親から祝福されない結婚は避けるべきであり、そのような結婚を選ぶことは将来の不幸を招くことになります。
別れるべきケース
借金の理由や相手の態度によっては、別れを選ぶべきかもしれません。次のような言動や借金の原因がある場合、結婚を考える前に、交際を続けるべきかを再評価する必要があります。
- 借金に関して嘘をつく
- 話をはぐらかす
- 借金癖がある
- ギャンブル依存症や買い物依存症などの傾向がある
- 借金についての考え方が甘い
- ズボラでだらしない性格
- 借金の問題に真剣に向き合おうとせず、疑念を抱かせる
もし、借金に関して真摯に話し合おうとせず、嘘をついていると感じた場合、その相手には誠意が欠けている可能性があります。また、借金に対する甘い考えや、だらしない性格は、よほどの努力がない限り改善することは難しいでしょう。さらに、借金がギャンブルや浪費、お酒が原因の場合、依存症の可能性もあります。依存症が改善されない限り、借金を繰り返す危険性が高いです。このような理由で借金がある場合、結婚の可否だけでなく、今後の付き合いを慎重に考える必要があるでしょう。
別れなくても問題ないケース
一方で、次のような理由で借金をしたと告げられた場合、すぐに別れを考える必要はありません。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 病気の治療や入院のための借金
- 奨学金
- 起業のための借金
住宅ローンや自動車ローン、奨学金など、借金の理由がはっきりしている場合、金額が身分に見合っている限り、特に問題にはならないことが多いです。これらの借金は、利息が高くなく、返済期間が長期にわたることが一般的なので、収入が安定していて家計に過度の負担をかけない場合、結婚後も大きな問題はないでしょう。
病気の治療や入院費用など、生活を維持するために仕方なく借りたお金は一時的なものであり、返済を続けられるのであれば、大きな問題にはなりません。また、起業のために借金をしている場合は、事業が順調かどうかを見極める必要があります。
判断が難しいケース
別れるべきか、結婚するべきか迷う場合もあります。次のようなケースでは、借金の額やその経緯、理由を確認したうえで、個別に判断をすることが重要です。
- 身内の借金を肩代わりしている
- 連帯保証人になっている
もし彼女や彼氏が連帯保証人となって借金を背負ってしまった場合、元々の債務者が誰で、保証人になった理由をしっかり確認する必要があります。また、身内の借金を肩代わりした場合も、可能であればその借金の背景や金額を詳しく聞いてみましょう。納得できない理由で大きな借金をしている場合、結婚後に相手の家族との関係に問題が生じる可能性があることも考慮しておくべきです。
彼氏や彼女との関係を続けるべき場合
彼氏や彼女が借金をした理由が以下の場合、結婚を前提にお付き合いを続けることが許容できるでしょう。
- 住宅を購入するために「住宅ローン」を借りた
- 車を買うために「自動車ローン」を組んだ
- 「病気の治療費」のためにお金を借りた
- 「冠婚葬祭費用」のためにお金を借りた
- 「奨学金」を借りた
- 「事業を起こす」ために借り入れをした
住宅ローンは税金対策としても利用されることがあるため、給料に見合った家を購入したのであれば問題はありません。自動車ローンについても、身の丈に合った車を購入しているのであれば問題はないでしょう。しかし、クルマが趣味の方の中には、収入に見合わない高級車を購入し、そのために借金を重ねてしまうことがあります。自動車ローンの場合、購入した車が身分不相応な高級車でないかどうかを確認することが重要です。
病気の治療費や生活費用のためにやむを得ず借りたお金は一時的なものであり、その後返済できるのであれば特に問題はないでしょう。
離婚の理由で第2位にランクインしたのは「経済的な理由」
令和5年(2023年)の司法統計によると、女性(妻)が離婚を申し立てた理由は以下の通りです。
1位:性格の不一致
2位:生活費を渡さない
3位:精神的虐待
4位:暴力
5位:異性関係
6位:その他
7位:不詳
8位:浪費
9位:性的不調和
10位:家庭を顧みない
11位:アルコールの過剰摂取
12位:家族や親族との不仲
13位:病気
14位:同居を拒否
「性格の不一致」が最も多く挙げられていますが、驚くべきことに「生活費を渡さない」という経済的理由が2位にランクインしています。
一部のケースでは「お金に余裕があっても生活費を渡さない」という場合もあるかもしれませんが、多くのケースでは「借金があって、生活費を渡したくても渡せない」というのが現実的な状況でしょう。
借金が原因で経済的な問題が生じると、婚姻関係そのものが破綻することがあることを理解しておくことが重要です。
また、「借金がある」という事実だけでは離婚理由にはなりません。離婚は原則として双方の同意が必要で、相手が同意しなければ離婚できない可能性があります。
一方からの意思表示で離婚を成立させるためには、民法第770条第1項に基づく法定離婚事由が必要です。具体的には以下の事由が含まれます。
- 配偶者に不貞行為があった場合
- 配偶者が悪意をもって遺棄した場合
- 配偶者の生死が3年以上不明の場合
- 配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがない場合
- その他、婚姻を継続することが困難な重大な事由がある場合
債務整理を行う際のポイント
借金返済が難しく、債務整理を検討している場合には、次のような注意点があります。結婚後に後悔しないためにも、事前にしっかり理解しておくことが大切です。
ブラックリストに登録されるのは数年間続く
前述の通り、債務整理を実施すると、その情報は信用情報機関に登録されます。信用情報機関には3つの主要な機関があり、それぞれ登録される内容や期間が異なります。以下は、債務整理の種類別に各信用情報機関での取り扱いについて説明します。
信用情報機関と債務整理の種類
- 任意整理
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC): 任意整理そのものは登録されません。延滞や代位弁済などが3カ月以上の場合、5年間登録されます。
- 株式会社日本信用情報機構(JICC): 受任通知が送付されてから5年間登録されます。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC): 任意整理そのものは登録されません。代位弁済などは5年間登録されます。
- 個人再生
- CIC: 個人再生の事実は登録されません。
- JICC: 個人再生の申立てが行われた日から5年以内に登録されます(契約日によって変動あり)。決定後は5年間登録されます。
- KSC: 個人再生の申立てが行われた事実は登録されませんが、開始決定が出た場合、その事実は最大10年間登録されます。
- 自己破産
- CIC: 免責許可決定が確認された後、報告日から5年間登録されます。
- JICC: 免責許可決定の確定日から5年間で削除されます。
- KSC: 手続き開始決定日から最長で10年間登録されます。
信用情報機関に事故情報が掲載されると、以下のような影響があります。
- 新たな借入れやローンの契約ができなくなります。
- クレジットカードの新規利用や作成ができなくなります。
- 奨学金などの保証人になることができなくなります。
- 信販系保証会社との契約が必要な賃貸物件に契約できなくなります。
各信用情報機関は独自のネットワークで情報を共有しているため、すべての機関で事故情報が解消されるまで、新規ローン申し込みやクレジットカード作成は避けることをお勧めします。
ブラックリストの影響は本人以外には及ばない
債務整理を行った本人は、5年から10年間ブラックリストに登録され、その影響を受けますが、配偶者などの家族はその影響を受けることはありません。そのため、ブラックリスト登録機関で保証人になる必要が出た場合や、ローンを組む際には配偶者の名前で申し込むことができます。
さらに、クレジットカードに関しても、配偶者名義であれば債務整理の影響を受けることはありません。本人がカードを作成できなくても、配偶者名義のクレジットカードの家族カードを作ることで、従来通りカードを使用して買い物ができるようになります。
借金を再び繰り返すリスク
債務整理をした本人に「借金癖」がある場合、借金を一度整理しても再び借金を繰り返す可能性があります。同様に、ギャンブルや浪費が原因での借金も、強い自制心を持たない限り再発する恐れがあります。結婚後にこのような借金生活が続くと、安定した家庭生活を築くのが難しくなるでしょう。
経済的に困難な結婚生活を送るリスク
債務整理を行った場合でも、自己破産によって借金がすべて免除されない限り、残りの借金は分割で返済し続けなければなりません。結婚後も毎月の借金返済が続くため、生活費に困る日々が予想されることもあります。また、高額な買い物をする際、ローンを組めない相手に代わり、自分のクレジットカードを使ったり、分割払いを申し込む必要が出てくることもあります。常に借金を抱えた状態に負担を感じる人もいるでしょう。借金を抱えている彼女や彼氏と結婚を考えている場合、債務整理を行った後でも、結婚後の家計についてしっかりと検討することが大切です。
借金を完済した後も問題は完全には解決しない
彼女や彼氏の借金を完済できたとしても、その借金の理由によっては根本的な解決にはならないことがあります。特に結婚して生活を共にすることを考えるのであれば、相手との金銭感覚の違いは大きな問題となるでしょう。ギャンブルや浪費が原因であった場合、お金の問題だけでなく、依存症への治療が必要になるかもしれません。債務整理を行った場合でも、任意整理や個人再生では3〜5年の返済期間が続きます。また、ブラックリストに載っている影響がなくなるには、5年〜10年かかることもあります。今の相手と結婚を決めたのであれば、お金の使い方について一緒に考え、将来に向けた行動を共に協力して取っていくことが大切です。
結婚を考えている相手の親が借金を抱えている場合
ここでは、結婚を前提にお付き合いしている彼氏や彼女の親に多額の借金があった場合、結婚しても問題ないかどうかについて考察しています。借金は「債権者」と「債務者」の間で結ばれる契約であり、債務者が親である場合、基本的にはその子供に親が作った借金の返済義務が課せられることはありません。しかし、次のような例外的なケースでは、親に借金があった場合、その子供にも返済義務が生じることがあります。
親の借金が原因で、子供に返済の義務が生じる場合
親が借金をした際に、子供が保証人になっていた場合、または両親が亡くなり、子供が相続人となった場合について説明します。もし子供が親の借金の保証人になっていた場合、子供にも返済義務が生じる可能性があります。特に連帯保証人になっている場合、債権者は親と子供のどちらからでも金銭を回収できるため、親に返済能力があっても子供に取り立てが行われることがあります。
また、両親が共に亡くなり、子供が相続人となった場合、プラスの財産だけでなく、マイナスの借金も相続することになります。この場合、親の借金は相続によって子供に負担されることになります。しかし、日本の相続制度には「相続放棄」という制度があり、これを利用すれば、相続人は借金を負うことなく、相続を回避することができます。相続放棄を行うためには、相続が開始されてから3ヶ月以内に裁判所に申請する必要があります。
相続放棄をすることで、子供は親の借金を相続しなくなりますが、同時に親のプラスの財産も相続できなくなるため、相続放棄を決定する前に、プラスとマイナスの財産をよく調べて判断することが重要です。
結婚を考えている彼氏や彼女の親に多額の借金がある場合、お付き合いを続けるかどうかの判断ですが、彼氏や彼女が親の借金の保証人でなければ、お付き合いを続けて問題はないでしょう。
彼氏や彼女が借金を滞納し続けた場合、どんな影響があるか?
結婚を考えている彼氏や彼女に多額の借金があり、約束された返済日に支払いがされない場合、どのような事態が発生するのでしょうか?ここでは、借金を滞納し続けた場合に起こる出来事について説明します。
借金の返済日が過ぎて支払いが行われないと、最初に借入先の金融機関から電話で督促が入ります。滞納から約1カ月後には、内容証明郵便などを使って督促状が送られてきます。その後、借入先から差押予告通知が届くことがあります。この通知には「借金元本と遅延損害金を全額一括で支払わない限り、財産を差し押さえる」といった内容が記載されます。
さらに、裁判所から支払督促状が届くこともあります。仮執行宣言付き支払督促が送られてきた場合、内容は「債務者は債権者に借金を一括返済せよ、さもなければ2週間以内に財産を強制執行する」となっています。
最終的には、強制執行により財産が差し押さえられます。借金の取り立てや督促を無視し続けると、最終的に借金は財産の差押えによって回収されることになります。若年層で家や土地などの不動産を所有していない場合、銀行口座や給料の一部が差し押さえられます。
もし、借金をしている彼氏と結婚後にその給料で生活しようと考えていた場合、毎月の給料の一部が差し押さえられることになるため、結婚生活は金銭的に困難なスタートを切ることになるでしょう。
また、返済が滞ってから約3ヶ月後には金融事故として個人信用情報機関に記録され、金融機関のブラックリストに載ることになります。このブラックリストの影響が解除されるのは、金融事故情報が登録されてからおおよそ5年後です。この期間中は、借金をしている彼氏や彼女は、正規の金融機関から新たに借り入れをすることができなくなります。
次に重要なのは、彼氏が自分を変えようとするかどうか
次に重要なのは、彼がこれまでの生活態度を見直し、借金を解消するために具体的な行動を起こすかどうかです。
彼がこれまでどうしても避けられない理由で借金を抱えてしまったのかもしれませんが、あなたが「借金がある男性とは結婚できない」としっかり伝えた際に、借金返済に向けて本気で行動を起こすかどうかを注意深く見守りましょう。
もしあなた自身が彼に対して感情的になり、甘く評価してしまいそうなら、信頼できる友人に協力をお願いするのも良い方法です。
第三者の客観的な意見を聞くことで、今後の人生に関わる重要な判断を正しく下す助けになります。
もし、彼が本当に借金を解消するために誠実に行動していると感じられるなら、その信頼をもって彼と共に進んでいくことも一つの選択肢です。
結婚式や新婚旅行、そして新婚生活のためにお金を借りたい
結婚を決めると、挙式を挙げ、その後にハネムーン旅行を計画することが一般的です。また、新婚生活を始めるために家具や家電を新調することもあり、どうしてもお金がかかります。
もし彼氏や彼女に借金があれば、結婚費用が不足してしまい、追加で借金を考えることもあるかもしれません。しかし、仮に結婚前に債務整理を行ったとしても、結婚費用を補うためにお金を借りると、当然利息がつき、借りた額以上の返済をしなければならなくなります。結果として、新婚早々から生活が厳しくなる可能性もあります。
結婚式を挙げず、婚姻届けを出すだけという選択肢もあります。また、どうしても結婚式や新婚旅行をしたい場合は、結婚式の際に来客からいただいたご祝儀で全て賄えるようにして、借金を避けることが重要です。これによって、金銭的な悩みを抱えず、楽しい新婚生活をスタートさせることができるでしょう。
結婚を考えている彼氏・彼女の借金を肩代わりしても問題ないか?
借金返済に困っている彼氏や彼女を見ていると、気の毒に思い、「借金を立て替えてあげよう」と考えることもあるかもしれません。しかし、結婚を前提に付き合っているとはいえ、あなたはあくまで親族ではなく、完全に他人です。
もし彼氏や彼女の借金を立て替えた後に、恋人関係がうまくいかず別れてしまった場合、貸したお金が戻ってこないリスクが高くなります。そのため、もし立て替えるのであれば、相手にお金をあげたつもりで貸し、返済を期待しない心構えを持つことが大切です。
さらに、お金を貸したことを証明するために、借用書を作成しておくことをお勧めします。もし後に別れてしまった場合、返済を求める際に借用書があれば、法的手段において回収できる可能性が高くなります。ただし、相手にお金がなければ、民事裁判を経ても回収が難しく、結局は泣き寝入りすることが多いことを理解しておくべきです。
借金を抱えた状態で結婚生活を始めると、どうなるのか?
ここでは、彼氏や彼女に多額の借金があり、借金整理をせずにそのまま結婚した場合にどうなるかについて説明します。
借金は「個人」の責任であり、結婚してもパートナーがその返済義務を負うことはありません。しかし、結婚ということは家庭を築くことを意味しますので、結婚後は家計が一つになります。そのため、実質的には、借金を負っていない配偶者が、借金を抱えている配偶者の返済をサポートすることが求められる状況になります。
支出を減らすためには、節約が必要
ここでは、彼氏や彼女に多額の借金があり、借金整理をせずにそのまま結婚した場合にどうなるかについて説明します。
借金は「個人」の責任であり、結婚してもパートナーがその返済義務を負うことはありません。しかし、結婚ということは家庭を築くことを意味しますので、結婚後は家計が一つになります。そのため、実質的には、借金を負っていない配偶者が、借金を抱えている配偶者の返済をサポートすることが求められる状況になります。
借金を抱えている配偶者の財産が差し押さえられる可能性がある
もし多額の借金を抱えている配偶者が返済を続けられず滞納し続けた場合、最終的には財産が差押えられることになります。
生活費を管理するために借金をしている配偶者の銀行口座を使用していた場合、その口座の預金も差押えの対象となります。また、借金を抱えた配偶者が仕事をしていた場合、その給料の一部が毎月差押えられることになります。
さらに、借金をしている配偶者名義の不動産(家屋や土地など)も差押えされる可能性があり、最終的にはそれらを失うことになるかもしれません。
子作りの時期を遅らせるか、子供を持つことを諦める必要がある。
また、子供を持ちたいと考えても、養育費や教育費など、子供には多くのお金がかかります。子供が小さいうちは、面倒を見るために妻が仕事を休むことになり、生活費は夫の給料に頼らざるを得なくなります。
子供ができた場合、行政からは出産育児一時金が支給され、子供が中学生になるまで児童手当も受け取ることができます。このような支援は非常に助かりますが、実際には支給額を超えて子供にかかる費用が発生します。
そのため、借金が完済するまで子作りを延期したり、子供を持つことを諦める選択をすることが必要になるかもしれません。
借金を抱えている配偶者は、新たに借金をすることができなくなる
借金を抱えている配偶者は、金融機関のブラックリストに登録されるため、基本的には新たに借金をすることができなくなります。
結婚を考えている相手の借金が少額であれば、比較的短期間で返済を終わらせることができるため、そのまま結婚しても問題ないでしょう。しかし、借金の額が大きい場合、結婚後に生活が困難になり、不幸な結末を迎える可能性が高いので、付き合いを続ける前に別れを選んだ方が良いかもしれません。
多額の借金を抱える相手との結婚は、生活が破綻し、最終的には離婚や別居という結果に繋がるリスクが大きいと言えます。
まとめ
彼女や彼氏が借金を抱えている場合、結婚するかどうかは慎重に考えるべきです。まずは、相手に借金の総額やその理由をしっかり確認し、相手の態度を踏まえて判断しましょう。返済が可能そうであれば、一緒に家計管理を行い、完済を目指して協力することが大切です。もし相手の態度が不誠実であったり、借金の金額や理由に問題がある場合は、結婚や今後の関係を再検討する必要があります。
自分の借金で結婚を迷っている場合は、結婚前に必ず相手にそのことを伝えましょう。そして、返済プランに基づいて返済を続けていることをアピールし、具体的な数字で説明するのが良いでしょう。必要に応じて弁護士に相談し、債務整理を考えることも選択肢に入れてください。
債務整理をすると一定期間ブラックリストに載り、さまざまなデメリットが生じます。また、返済を続ける状態で結婚した場合、金銭面で困難な生活が待っている可能性が高いです。借金の性質によっては、完済後したら終わりではなく、一緒に金銭感覚のズレを解消し、将来に向けて協力していく姿勢が必要です。