完済した後に過払い金請求ってできるの?

過払い金は、現在借金の返済が続いている人だけでなく、借金を完済している人でも請求できます。

完済した後で過払い金請求ができるケースや条件を解説します。

完済した後でも過払い金請求ができる条件

完済したあとでも、以下の条件を満たしていれば過払い金請求ができます。

  • 2010年以前の借入
  • 完済後10年以内である
  • 借入先が倒産していない
  • 借入先がグレーゾーン金利貸し付けに該当する

過払い金は、2010年6月17日の貸金業改正前に行われていた、グレーゾーン金利による貸し付けによって発生します。

過払い金は、利息制限法の上限金利を超えて、出資法の上限金利である29.2%を基準にした利息での貸付が該当するのです。

貸金業改正前から、利息制限法にのっとった貸付へ規制する貸金業者が増えてきたため、貸金業改正の年である2010年以前の借入であるのが条件となります。

また、過払い金が発生していても、完済から10年経過した時点で時効となり、請求ができなくなるため、借金の完済から10年以内であるのが条件です。

借入先によっては過払い金が発生していない、または請求できない場合もあります。2010年以前の借入だとしても利息制限法の上限金利での貸付だった場合、過払い金が発生しないため、請求できません。

会社が契約者の代わりになって支払う立替金は金利が低いため過払い金請求の対象とならないので注意が必要です。立替金には以下のものがあります。

  • 信用金庫からの借入
  • 労働金庫からの借入
  • 自動車ローン
  • 住宅ローン
  • 奨学金
  • クレジットカードのショッピング枠

完済後に過払い金請求するメリット

借金を完済後、過払い金請求をすると多くのメリットがあります。完済後に過払い金を請求するメリットは以下のふたつです。

  • 過払い金が戻ってくる
  • ブラックリストに載らない

借金を完済していた場合、請求した過払い金は手元に戻ってきます。生活費や貯金に回せるほか、新たに借入を考えていた場合、借入をする必要がなくなる可能性が高いです。

現在借金を返済中で過払い金を請求し、完済できなかった場合はブラックリストに載ります。

過払い金請求を行ったという記録が信用情報機関に残るからです。一方、完済した借金の過払い金を請求した場合は、ブラックリストには載りません。

ほかの借入やローン、クレジットカードの契約などにも影響はないため、過払い金によるデメリットはほぼないと言えるでしょう。

完済後に過払い金請求するデメリット

完済後に過払い金を請求するまえに覚えておきたい、デメリットは以下の通りです。

  • 過払い金請求をしないこと自体がデメリット
  • 過払い金請求した借入先は利用できなくなる
  • 完済から10年経過していると請求できない
  • 借入先が倒産していると請求できない

過払い金が発生していても、貸金業者やクレジットカード会社から連絡があるわけではありません。

そのため自分ですすんで過払い金請求の手続きを行う必要があります。完済から長期間経っている場合は、過払い金が請求できなくなる可能性も出てくるため、できるだけ早く請求に動き出しましょう。

過払い金請求をした借入先は、今後利用できなくなります。ほかの貸金業者やクレジットカード会社の利用は可能です。

過払い金は完済から10年経過すると時効となり請求ができません。また、借入先がすでに倒産している場合も過払い金請求はできなくなります。

もしも18%以上の高い利息での借入や、2010年以前の借金を完済している場合は、過払い金が発生していないかをできるだけ早く調べてみましょう。

完済後に過払い金を請求するさいの注意点 

完済した借金の過払い金を請求する際、以下の点に注意しましょう。

  • ショッピング枠に残額が残っていないか
  • 別ブランドカードを利用していないか
  • 銀行系カードローンの延滞がないか
  • 請求先が吸収合併していないか

過払い金は、貸金業者からのカードローン利用だけでなく、クレジットカードのキャッシング枠の借入にも請求できます。

ただし、クレジットカードのキャッシング枠の過払い金請求をする場合、ショッピング枠に借入を残さないようにしましょう。

ショッピング枠に借入が残っている場合は、完済扱いとならないからです。取り返せる過払い金が少なくなるだけでなく、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。

かならず、クレジットカードのショッピング枠はすべて返済してから過払い金請求をしましょう。

過払い金請求をする会社の別ブランドカードを持っている、さらに残額がある場合には取り返せる過払い金が減ってしまいます。

また、過払い金を請求すると別ブランドとはいえ同じ会社が発行しているもののため、その後そのカードは使えなくなるのです。

クレジットカードやETCカードを利用している場合は注意しましょう。

銀行系カードローンは貸金業法の適応ではなく、グレーゾーン金利も発生していないため過払い金には一見関係がないように見えます。

ところが、現在銀行系カードローンを利用している場合は注意が必要です。銀行カードローンを利用していて、かつ延滞や遅延をしている場合、過払い金がカードローン返済に充てられる可能性があります。

銀行系カードローンの弁済会社が、過払い金請求先の貸金業者の場合があるのです。銀行系カードローンで延滞や遅延を起こしている場合は、できるだけ返済してから過払い金請求を行った方がよいでしょう。

請求先の貸金業者が吸収合併した経歴がある場合、吸収合併先の貸金業者に借金があるとそちらの弁済にあてられてしまいます。

完済扱いにはならず、ブラックリストに載ってしまうため注意が必要です。

これらの注意点の対策は、クレジットカードや銀行カードローンの残金は返済してから過払い金請求をするのが重要です。

ただし、借入先が吸収合併していたなどは、調べないと分かりません。完済のうえで確実に過払い金請求をするには、弁護士などの専門家に相談をするのが有効です。

まとめ

完済後の借金でも、過払い金が発生していれば請求して取り戻せます。過払い金が発生していても、貸金業者やクレジットカード会社からは連絡が来ないため、自分で動かなければいけません。

まずは2010年以前の借入がないか、18%以上の借入をした記憶がないか、完済から10年以内の借金があるかなどを調べましょう。

過払い金請求の相談や手続きは、弁護士などの専門家に依頼するのがおすすめです。

引き直し計算や手続きなどの手間がはぶけ、確実な過払い金請求ができます。過払い金が発生している可能性があるなら、時効や借入先が倒産してしまう前に請求手続きを進めるのがよいでしょう。

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