返済計画の立て方とは?返済不能にならないために

借金が減らない理由

毎月返済しているのになかなか借金が減らない場合、理由を把握した上で対策が必要です。借金が減らないおもな理由は以下の3つがあります。

  • 毎月の返済額が少ない
  • 返済能力に見合わない額の借金をしている
  • 無駄な出費がある

それぞれの理由について解説します。

毎月の返済額が少ない

毎月の返済額が少ないと、返済が長期化してしまいます。支払う利息は、借入日数に応じて変動していくためです。

返済期間が長くなるほど支払う利息が高額になるため、元金をなかなか減らせません。

同じ金額を借り入れた場合でも、毎月の返済額によって借入期間は異なります。

毎月の返済額が少ないと、借金がなかなか減らせず返済期間が長期化する、悪循環となってしまうでしょう。

借金を減らすには、毎月少しでも多く返済に充てるのが重要です。返済額が多ければその分利息をおさえられるので、返済期間も短くできます。

返済能力に見合わない額の借金をしている

借金をする場合、自分の収入と返済能力に見合った金額とするのが重要です。

なかなか借金が減らない場合、返済能力に見合わない額の借金をしている可能性があります。返済可能な借金の金額の目安は、年収の3分の1までです。

すでに年収の3分の1を超えた借金をしている場合、年収をあげるか借金を減額するかしか解決方法がありません

短期間で年収を上げるのは難しいため、以下のような手段で借金を減額しましょう。

  • 金利の低いカードローンへ借り換えする
  • おまとめローンで借金を1本化する
  • 過払い金を請求する
  • 債務整理をする

無駄な出費がある

無駄な出費があるのも、借金が減らせない原因のひとつです。無駄な出費を減らせば、収入は増えなくても返済に充てられる金額は増やせます。

飲み会が多くないか、ショッピングなどの無駄遣いがないかなど出費を考え直して、無駄なぶんを返済に充てるようにしましょう。

返済計画の立て方

借金を減らすには、返済計画を立てて計画的に返済していくのが重要です。返済計画は以下の5つの流れに沿って立てていきます。

  1. 現段階の正確な借金額を把握する
  2. 毎月の返済額と返済日を把握する
  3. 毎月の返済に充てることができる金額を把握する
  4. シミュレーションする
  5. 計画に沿って返済していく

それぞれ解説していきます。

現段階の正確な借金額を把握する

まず現段階での正確な借金額を把握しましょう。正確な借金額が分からなければ返済計画は立てられません。

現段階での借り入れ件数や借り入れ総額は、カードローンなどの利用明細や、利用している消費者金融のマイページから調べられます。

もしも利用明細が手元にない、マイページがない場合には貸金業者に取引履歴の開示請求をしましょう。

利用している貸金業者に電話で「取引履歴が必要」と連絡すると、取引履歴開示請求が後日郵送されてきます。

取引履歴開示請求に必要事項の記載や本人確認書類の控えを添付して返送すると、後日取引履歴を受け取れます。

貸金業者は取引履歴の請求には応じなければいけない義務があるため、電話で連絡すればスムーズに対応してもらえます。

複数の借入先を利用しているなどで借金の総額を把握するのが難しい場合は、信用情報機関に開示請求をします。

信用情報機関には以下の3つがあり、借入先によって請求先が異なります。

  • 全国銀行個人信用情報センター…銀行
  • 日本信用情報機構…消費者金融・クレジットカード会社
  • CIC…クレジットカード会社・消費者金融・銀行

信用情報機関への開示請求は、ネット、郵送、窓口いずれかの方法で手続きできます。

毎月の返済額と返済日を把握する

借金の総額を把握できたら、借入先ごとに毎月の返済額と返済日を書き出していきます。

すべて書き出すことで、毎月の返済に必要な金額が分かります。また、毎月の返済額だけでなく最低返済額も踏まえておくことが重要です。

最低返済額を把握しておけば、出費が重なって生活が苦しい月でも、最低返済額分のお金を確保すればよいので慌てずに済みます。

また、返済忘れによる遅延金が発生しないように、返済日も把握しておきましょう。

毎月の返済に充てることができる金額を把握する

毎月返済に必要な金額を把握したら、実際にいくら返済に充てられるかどうかを出します。

まずは、収入から家賃、光熱費、食費、通信費などの生活費を引いて、自由になるお金がどのくらいあるのかを算出しましょう。

収入から支出を引く際には、各項目の金額を少し余分にしておくのが重要です。

ぎりぎりの金額にすると、算出した金額よりもお金がかかる月の方が多くなり、計画倒れの原因となります。

毎月返済に回せる金額を決めるときも、無理のない範囲で設定するようにしましょう。

シミュレーションする

毎月返済に充てられる金額が算出できたら、返済シミュレーションをしましょう。

貸金業者のアプリやサイトで返済のシミュレーションができます。毎月の返済金額、金利、借入額をシミュレーターに入力すると、完済までにどれくらいの期間がかかるかを算出してくれます。

返済シミュレーションによって完済までの期間がわかれば、精神的な安息にもなりますし、計画的に返済するモチベーションにもつながります

返済シミュレーションは無料で利用できるので、ぜひ活用してみましょう。

返済シミュレーションの結果に納得がいけば、これを返済計画とします。

もしも返済シミュレーションの結果に無理があると感じたら、最初に戻って返済計画を立て直しましょう。

計画に沿って返済していく

返済シミュレーションの結果に従って、毎月計画的に返済していきます。毎月継続して返済していくことが重要ですが、月によっては計画的な返済が難しい場合もあるでしょう。

あらかじめ、以下2つに対する対策を考えておくのが重要です。

  • お金が足りなくなったとき
  • お金が余ったとき

急な出費が重なったなどで返済に回せるお金が足りなくなった場合は、以下の対策方法があります。

  • その月は最低返済金額のみを返済する
  • 外食やショッピングなどほかの支出を返済に回す

お金が余ったときには、借金の返済を早められるチャンスです。積極的に繰上返済をしましょう。

繰上返済をすると、借金の元本を効果的に減らせます。ボーナスなどの臨時収入が入ったときには繰上返済をする、など決めておくと無駄な出費を減らして借金を計画的に減らせるでしょう。

まとめ

借金がなかなか減らない場合には、借金の減らない理由を踏まえたうえで返済計画を立て、計画に沿って着実に返済をしていくのが重要です。

また、返済計画はあくまで借金の返済を目的としています。

もしも月にお金が足りなくなった場合など計画通りに返済が難しくなった場合は、計画に縛られることなく臨機応変に対応するようにしましょう。

返済計画を立ててもなかなか借金が減らせない場合には、借金問題に強い弁護士に相談するのも有効です。

弁護士に相談すれば、法的に借金の負担が軽減できる債務整理方法や、過払い金請求手続きなどの手段も取れます。

自分ひとりでは解決が難しいほど借金の金額が大きい場合には、返済計画を立てても返済は難しいです。ひとりで悩まずに、まずは弁護士に相談してみましょう。