大学生の借金はやばいの?借金理由や一般的な借入先、返済方法を解説

大学生の借金はやばいの?借金理由や一般的な借入先、返済方法を解説

目次

大学生は一般的な社会人と比べて十分な労働時間を確保できないため、お金が足りなくなることが多いです。そのため、支払いをクレジットカードや消費者金融に頼ることがあり、気づかぬうちに借金が膨らんでしまうこともよくあります。特に成人年齢が18歳に引き下げられたことで、借り入れのハードルが低くなり、若者にとって借金が身近な存在となりました。この記事では、大学生が借金を抱える原因や、よく利用される借入先、返済方法、そして返済ができない場合のリスクについて詳しく解説します。

成人年齢引き下げにより、18歳から借り入れが可能に

大学生は一般的な社会人と比べて十分な労働時間を確保できないため、お金が足りなくなることが多いです。そのため、支払いをクレジットカードや消費者金融に頼ることがあり、気づかぬうちに借金が膨らんでしまうこともよくあります。特に成人年齢が18歳に引き下げられたことで、借り入れのハードルが低くなり、若者にとって借金が身近な存在となりました。この記事では、大学生が借金を抱える原因や、よく利用される借入先、返済方法、そして返済ができない場合のリスクについて詳しく解説します。

大学生が主に利用する借入先

カードローンには、消費者金融系、銀行系、クレジット系など、さまざまな種類がありますが、銀行カードローンは審査が厳しく、通過しにくいことが多いです。消費者金融は金利が高めではありますが、審査に通りやすい傾向があります。プロミス、SMBCモビット、アコム、レイクALSA、アイフルなどの大手消費者金融は、免許証さえあればWebで簡単に申し込むことができ、即日融資も可能です。急いでいる方には大手消費者金融カードローンが選ばれやすいです。

また、これらのカードローンは保証人不要で、親に知られたくない場合にも適しています。さらに、プロミス、アコム、レイクALSAには無利息期間が設けられているので、非常にお得です。さらに、学生専用の「学生ローン」もあり、審査が緩く、少額の場合は即日融資を受けられることが多く、大手消費者金融と同じように保証人不要で利用できます。

銀行カードローンは審査が厳しいものの、学生向けに融資を行っている銀行も存在しますので、学生の方が銀行から借りたい場合は、学生対応の銀行を選ぶとよいでしょう。消費者金融には「総量規制」と呼ばれる法律が適用されており、年収の3分の1を超える額の貸付ができませんが、銀行カードローンにはこの規制が適用されません。そのため、銀行から借りる際は、借りすぎて借金地獄に陥らないよう、慎重に計画を立てることが重要です。

クレジットカードを使ったキャッシング

初めて借り入れをする大学生の多くは、クレジットカードのキャッシングを利用しています。限度額の範囲内でATMから簡単に引き出せるため便利ですが、リボ払いを利用することで、借金しているという意識が薄れがちになる点が危険です。リボ払いは月々の支払額が一定である一方、金利が高く設定されているため、返済が難しくなるリスクが高いのです。

奨学金

奨学金は、多くの大学生が利用する支援制度であり、その目的は主に2種類に分かれます。
1つは学費を賄うため、もう1つは大学生活に必要な生活費を補うためです。
例えば、学費を支払うために借りた奨学金を生活費に充てたり、生活費を賄うために借りた奨学金が不足している場合に、貸金業者から追加で借入を行ったりすると、深刻な状況に陥る恐れがあります。
奨学金は大学卒業後に返済が始まりますが、場合によっては数百万円以上の借金を抱えた状態で社会人生活を始めることになるため、慎重に計画を立てることが大切です。
奨学金はくれぐれも借りすぎないようにしましょう。

親や友人からの借り入れ

大学生にとって、親や友人からお金を借りることは比較的簡単で、利息がかからないことが多いです。親から借りる場合、返済計画を柔軟に調整できる点がメリットです。
友人からお金を借りることは、返済の利便性や手軽さが魅力ですが、返済が遅れると人間関係に悪影響を与えるリスクもあります。
また、友人から借りたお金を返済するために消費者金融から借りるケースも見られるため、まずは他人からお金を借りずに生活できるよう心がけることが重要です。

消費者金融

消費者金融は、無担保で手軽に借り入れができるため、即日融資を希望する大学生にとって魅力的な選択肢です。
借入額が少額の場合、審査なしで融資が受けられることもあります。ただし、消費者金融は一般的に金利が高いため、長期間の借入には向いていません。
返済計画を立てずに利用すると、金利負担が増えて返済が難しくなるリスクがあるため、大学生が利用する際には慎重さが求められるかもしれません。

消費者金融で借りるための条件とは?

大学生でも「友達と旅行に行きたい」「サークル活動でお金が必要」など、決まった支出以外でお金が必要になることがありますよね。代表的な消費者金融の利用条件は、次の通りです:

  • 18歳以上
  • 安定した収入と返済能力があること

「消費者金融は20歳から利用できるのでは?」と思うかもしれませんが、2022年4月1日の成人年齢引き下げにより、18歳以上(高校生を除く)であれば、親の同意なしで消費者金融を利用したり、クレジットカードを作成したり、ローン契約ができるようになりました。

ただし、18歳と19歳の場合、収入証明書の提出が必須など、いくつかの条件があります。新成人の方は、まだお金に関する知識が乏しいとされ、悪徳業者(闇金)や安易なローン契約のリスクが懸念されています。金融庁や一般社団法人日本クレジット協会などの公式サイトで、注意喚起やアドバイスをチェックしておくことをおすすめします。

アルバイトなどで安定した収入があれば、一般的な消費者金融からお金を借りることができますが、親からの仕送りは収入として認められません。自分自身で収入を得て、返済能力があることが前提となるため、この点を理解しておくことが重要です。

また、申込み時に必要な書類として、免許証やマイナンバーカード、健康保険証、パスポートなど、本人確認ができる書類が求められます。

最低限必要な額だけを借りる方法

大学生がキャッシングを利用する際、審査の重要なポイントは「計画的に返済できるかどうか」です。消費者金融や学生ローンでは、借入限度額が収入によって異なります。

例えば、アルバイト収入が月5万円(年収60万円)の場合、借入限度額はその3分の1の20万円まで、月8万円(年収96万円)なら32万円まで借りることができます。しかし、借入限度額は「最大限度額」であり、必ずしも上限いっぱいに借りられるわけではなく、審査によっては限度額が少なくなることもあります。

注意が必要なのは、限度額いっぱいまで借りると返済が厳しくなる点です。キャッシングは手軽で、何度も利用するうちに「借金」に対する抵抗が薄れてしまい、気づいたときには返済が困難な状態(借金地獄)に陥ることも考えられます。

無利息期間中に返済できるのであれば問題はありませんが、一般的に少額の借入ほど利息が高くなり、長期間借り続けると返しても元金が減らないという事態が発生します。

そのため、借入は返済可能な最低限の金額にとどめ、しっかりとした返済計画を立ててから行うことが重要です。返済シミュレーションアプリを活用すれば、月々の返済額をすぐに計算できます。

大学生が借金を抱えている割合とは?

大学生になると、みんな借金しているのでしょうか?気になるところですよね。

GMOあおぞらネット銀行株式会社が実施した調査(大学4年生500人と社会人1年生500人、計1000人)によると、借金(奨学金を含む)を抱えているのは全体の約3割程度で、そのうちキャッシングなどの借金はさらにその中の2割弱という結果が出ています!
参照:https://gmo-aozora.com/company/report/20200317/

この数字を見ると少ないように感じるかもしれませんが、安定した収入が得られない状況で借金を抱えていることには、しっかりとした危機感を持つべきです。
奨学金の返済は大学卒業後から始まりますが、キャッシングなどの借金は卒業まで待ってくれません!返済日に間に合わない場合、事前に相談することで返済日を延ばしてもらえる可能性もあります。

大学生が100万円の借金を抱えるのは危険?学生の平均借金額はどのくらい?

大学生の多くは、学業と並行してアルバイトをして収入を得ているのが一般的です。もし借金が100万円ある場合、月々の返済額がかなり高額になると考えられ、アルバイトの収入だけで返済を続けるのは非常に危険な状況だと言えるでしょう。

実際、GMOあおぞらネット銀行が公開した「調査レポート」によれば、大学4年生で借金を抱えている割合は約35%となっており、3人に1人が「借金」を抱えていることになります。また、大学4年生の借金の平均額は「198万円」と報告されていますが、この金額には奨学金が含まれているため、キャッシングやカードローンなどの借金だけに絞ると、実際の平均額はさらに少ないと考えられます。

引用元:GMOあおぞらネット銀行「大学4年生・社会人1年生1000人の懐事情」
大学生で借金があると答えた人のうち、消費者金融やクレジットカード会社(信販会社等)からの借金があるのは「約15%」です。この数字を踏まえると、奨学金以外で100万円もの借金があるリスクがいかに大きいかがわかります。

奨学金以外で100万円以上の借金は返済が困難で非常に危険

奨学金の返済は、貸与が終了した翌月から数えて7か月後に始まります。一般的には卒業後に返済がスタートするため、社会人として安定した収入を得ながら返済することができます。そのため、奨学金で100万円以上の借金を抱えていても、この段階では「危険」とは言えません。

しかし、奨学金以外の借金が100万円以上あり、すでに返済義務が発生している場合は、それが「危険」な状況と言えます。

仮に奨学金以外で100万円の借金があった場合、返済率を3%と仮定すると、毎月の返済額は約「3万円」になります。大学生のアルバイトの平均収入は「4.7万円」、仕送りを含めた総収入は「8.4万円」が平均的です。

この収入から生活費を差し引くと、自由に使えるお金はおおよそ3万円程度となるでしょう。つまり、一切遊びに行かず、返済に専念する場合は「ギリギリ返済できる」と言えます。しかし、この状態で返済を続けていれば、ちょっとしたことで計画が崩れるリスクが高くなります。

「ギリギリ返済できるから問題ない」と考えるのではなく、「ギリギリ返済している状態は非常に危険だ」と認識すべきです。社会人になれば返済が楽になるだろうと考えるかもしれませんが、現実的にはそう簡単にはいきません。余裕を持った生活を心掛けることが重要です。

もし、あなたが既に奨学金以外で100万円の借金を抱えているなら、早めに弁護士に相談して適切に対処することをおすすめします。まずは無料相談を利用して、専門家のアドバイスを受けてみましょう。

奨学金以外の借金は卒業まで先延ばしできない

大学生が100万円の借金を抱え、返済が難しい状態に陥った場合、返済を待ってもらうことは基本的にはできません。ただし、「どうしても返済が厳しい」と感じた場合、消費者金融やカード会社などに相談することで、1週間から10日程度、返済を延ばしてもらえる可能性はあります。

しかし、消費者金融やクレジットカードなどで積み重ねた借金について、卒業後まで返済を待ってもらえる可能性はほぼないと言えます。社会人になり安定した収入を得ることで返済ができると考えているかもしれませんが、現在返済が厳しいのであれば、根本的な解決として債務整理を検討する必要があります。

闇金から借りている場合は、すぐに弁護士に相談することが重要

大学生がカードローンやキャッシングなどの無担保ローンで100万円を借りるのは、基本的に難しいです。もちろん例外もありますが、通常、借りられる最大額は年収の3分の1までとなるためです。

つまり、無担保ローンで100万円を借りられる大学生は、「年収が300万円以上」となりますが、アルバイトだけで年収300万円を稼ぐのは難しいです。したがって、借金100万円を抱えている大学生の中には、闇金のような違法業者から借りている場合も考えられます。もし闇金との関わりがある場合、すぐに弁護士に相談することを強くおすすめします。

闇金からの借り入れには、法外な金利や悪質な取り立てが伴う可能性があり、返済が滞ると、家族やアルバイト先、学校にまで取り立て行為が及ぶリスクもあります。弁護士に相談することで、取り立て行為を止めることができ、さらに闇金からの借金には返済義務がないため、返済しなくて済む場合もあります。

弁護士事務所では、初回相談が無料で受けられることが一般的です。もし闇金と関わっているなら、問題を一人で抱え込まず、弁護士に相談することを考えてみてください。

大学生が借金をする理由とは

これから、大学生が借金を作る主な理由について詳しく説明していきます。

学費や生活費の支払い負担

一人暮らしをしながら学費や生活費、家賃、光熱費、食費などを自分で賄っている大学生もいますが、アルバイトをする時間が十分ではなく、収入が足りず生活費が不足することが借金の原因になることがあります。最近では物価の上昇も影響しており、特に生活費の不足に悩む学生が増えていると言えます。

趣味や自己投資のための支出

趣味や自己投資にも費用がかかります。たとえば、資格取得やスポーツ、音楽活動など、自己成長を目指すための活動にはお金が必要です。これらの支出を自己投資として借金で賄うことがありますが、借金に頼りすぎると後々困ることもあるため、計画的に進めることが重要です。

交際費や飲み会の費用

大学生活では、友人との交流やサークル活動、飲み会など、交際費がかさむことがよくあります。特に、飲み会や旅行、イベントなどの費用は予想以上に高額になることがあります。場の流れで友人からお金を借りたり、キャッシングを利用してしまうこともあるかもしれません。交際費は意外と高額になりがちなので、軽視していると気づかぬうちに借金が膨らんでしまうことになります。

クレジットカードの過剰利用

18歳以上の大学生でも、親の同意を得ればクレジットカードを所有することができます。クレジットカードは支払いを後回しにできる便利な手段ですが、使い過ぎると毎月の返済が厳しくなる可能性があります。リボ払いを利用する場合、利息が高く、返済額が予想以上に増えることがあるため、慎重に利用することが大切です。

オンラインゲームでの課金

ゲームなどの課金は、実際にお金を使っている感覚が薄いため、どれだけのお金を費やしているかが分かりにくいという特徴があります。特に、ゲーム内アイテムやガチャなどの購入は小額から始まり、繰り返し課金しているうちに積もり積もって大きな額になることが多いです。熱中しすぎて、気づいた時には想像以上の金額を使っていたという事態も十分にあり得ます。また、ゲームに対する依存が進むと、現実的な生活費や学費に影響が出ることも考えられます。そのため、自己管理が求められ、課金額に上限を設けるなどの工夫が重要です。ゲームを楽しむこと自体は問題ありませんが、使うお金の範囲を意識して、無理のない範囲で楽しむように心がけましょう。

ギャンブルや投資による支出

一部の大学生は、パチンコや競馬などのギャンブル、または株式や暗号資産(仮想通貨)などの投資を始めることがあります。これらのギャンブルや投資は短期間で利益を得る可能性もありますが、失敗すれば借金が残るリスクも高いため注意が必要です。興味本位で始めて多額の借金を抱える学生もいるため、あまりおすすめできません。

欲望を満たすための借金は抜け出せなくなる!断る勇気が重要

大学生が借金をする理由として、交際費や趣味、娯楽、オンラインゲームの課金など、自分の欲求を満たすためにお金を借りているケースが多いように思われます。アルバイトをしているとはいえ、大学生の収入は限られており、欲求を叶えるために借金をしてしまうことがあるかもしれません。しかし、欲望を満たすために繰り返し借金をしていると、最終的には返済が難しくなり、困った状況に陥ることが考えられます。

「お金が貯まるまで我慢する」「誘いを断る」など、忍耐を身に付けることも非常に大切です。「卒業後や社会人になってから返済すれば大丈夫」という安易な考えは危険です。就職してからも、必ずしも順調に返済ができるとは限りません。予測できない事情や変動があることを考慮し、借金は早めに返済する習慣をつけるべきです。

さらに、大学生のうちに金融リテラシーを身に付けることや、クレジットカードの利用方法について学ぶことも有益です。自身の財務管理能力を高め、計画的な借金管理を行うことが、将来の経済的な安定に繋がります。

大学生が100万円の借金を完済するにはどのくらいの期間と返済額が必要か?

大学生の収入で100万円の借金を完済するのは、決して簡単なことではありません。消費者金融やクレジットカード会社では、借入金額の3%以上を最低返済額として設定している場合が一般的です。もし1社から100万円の借金をしている場合、最低でも毎月3万円の返済が必要となります。

仮に毎月1万円や2万円の返済が認められたとしても、返済期間や総支払金額を考慮すると、大学生のうちに全額を完済するのはかなり難しいと言えるでしょう。次に、年率15%や18%で100万円を借りた場合の返済期間や総返済額について詳しく説明しますので、具体的な返済のイメージを持つ参考にしてください。

年利15%で100万円を借りた場合の返済期間と総返済額

大学生が年率15%で100万円の借金をして、毎月1万円、2万円、3万円の返済を行った場合の返済回数、総支払金額、利息額は以下の通りです(元金均等返済)。

毎月の返済額が1万円の場合:

  • 返済回数: 100回(8年4ヶ月)
  • 総支払金額: 1,631,250円
  • 利息合計: 631,250円

毎月の返済額が2万円の場合:

  • 返済回数: 50回(4年2ヶ月)
  • 総支払金額: 1,318,750円
  • 利息合計: 318,750円

毎月の返済額が3万円の場合:

  • 返済回数: 33回(2年9ヶ月)
  • 総支払金額: 1,212,482円
  • 利息合計: 212,482円

大学生の一般的な収支を考えると、毎月3万円の返済は非常に厳しいと前述しました。仮に毎月2万円の返済を続けた場合でも、30万円以上の利息が発生し、返済期間は4年を超えることになります。これでは在学中に完済するのは難しく、社会人になってからも返済を続ける必要があります。

年利18%で100万円を借りた場合の返済期間と総返済額

利息制限法により、100万円を超える借金の利息は「15%まで」と定められています。しかし、複数の貸金業者から借り入れをしている場合、それぞれの業者で上限金利が適用されるため、100万円の借金でも金利が18%に設定されることがあります。

次に、年率18%で100万円を借りた場合の返済回数や総支払金額、利息額について説明します(元利均等返済)。

毎月の返済額が1万円の場合:

  • 返済回数: 100回(8年4ヶ月)
  • 総支払金額: 1,757,500円
  • 利息合計: 757,500円

毎月の返済額が2万円の場合:

  • 返済回数: 50回(4年2ヶ月)
  • 総支払金額: 1,382,500円
  • 利息合計: 382,500円

毎月の返済額が3万円の場合:

  • 返済回数: 33回(2年9ヶ月)
  • 総支払金額: 1,254,981円
  • 利息合計: 254,981円

元金均等返済では、完済までの期間は元利均等返済と同じですが、総支払金額(利息)は元金均等返済の方が高くなります。例えば、毎月2万円の返済をした場合、元利均等返済よりも約63,000円の利息の差が生じます。

大学生の借金は危険?滞納によるリスク

大学生が借金を抱えること自体は珍しくありませんが、返済能力がなくて滞納してしまうことは問題です。
滞納が続くと、利息や違約金が発生し、最終的には大きな金額を背負うことになる可能性があります。
さらに、信用情報に悪影響を与えることもあり、その後の社会人生活にさまざまな問題を引き起こす恐れがあります。
ここでは、大学生が借金を滞納した場合に直面する主なリスクについて説明します。

遅延損害金が発生するリスク

借金を滞納すると、通常の利息に加えて遅延損害金が発生します。
遅延損害金は、返済期日に支払いが行われなかった場合に発生する追加の利息であり、一般的な利息よりも高い利率が設定されています。
そのため、支払いが遅れるたびに利息負担が増し、借金の総額がどんどん膨らんでいくことになります。
特にキャッシングや消費者金融からの借入では、遅延損害金の金利が高く設定されているため、早期に返済しないと返済がますます難しくなります。

電話やハガキでの督促が行われる

遅延が発生した翌日から数日以内に、電話やメール、またはハガキで督促が来ることがあります。もし返済日に間に合わなければ、先に自分から連絡をし、〇〇日まで待ってほしいと返済の意思があることを伝えましょう。
督促の電話を無視すると、親に連絡が行くこともあり、周囲にバレるリスクが急激に高まります…。

信用情報機関に記録される

借金を2~3ヶ月ほど滞納すると、その情報は信用情報機関に記録されます。この状態は、一般的にブラックリストに登録されるとも呼ばれています。
ブラックリストに登録されると、新たに借入を行ったり、クレジットカードを作成したりすることが難しくなります。
ブラックリストへの登録は、借金を完済してから約5年後に消えると言われていますが、返済が進まない限り、登録が永遠に残る可能性もあります。
その結果、将来的な自動車ローンや住宅ローンに悪影響を及ぼす可能性があるため、早期に対応することが重要です。

借金の一括返済を要求される場合

滞納が続くと、借入先から一括返済を求められることがあります。どのくらいの期間滞納すると分割払いの権利を失うのかは、契約書に記載されていることがほとんどです。
一括返済の要求が来ると、分割払いではなく全額を一度に支払わなければならなくなるため、非常に大きな負担となります。
一括返済が難しい場合、借入先からさらに厳しい対応が取られる可能性があり、トラブルが深刻化する原因になります。

自宅に対する取り立てが行われる

暴力的な取り立ては法律で禁止されているため、自宅への取り立てはほとんど行われませんが、督促を無視し続け、音信不通になった場合には取り立てが行われることがあります。

裁判所による強制執行を受ける可能性

長期間の滞納や返済の意思が見られない場合、最終的には裁判所から強制執行を受けることがあります。
強制執行が行われると、アルバイト収入や銀行口座の差し押さえが発生し、生活に大きな影響を与えることになります。
強制執行は、借入先が法的措置を取った際に行われる厳しい対応であり、一般的には最後の手段として行われます。
しかし、この状況に至ってしまうと、借金の返済に関して交渉の余地がほとんどなくなるため、早期に対応することが重要です。

大学生が100万円の借金を返済するために必要な期間と返済額は?

大学生の収入で100万円の借金を完済することは簡単ではありません。
消費者金融やクレジットカード会社では、借入金額の3%以上を最低返済額として設定していることが多いです。1社から100万円を借りている場合、最低でも毎月3万円の返済が必要となります。
仮に毎月1~2万円の返済が認められていたとしても、返済期間や総支払額を考慮すると、大学生のうちに完済するのは難しいでしょう。
ここでは、年率15%および18%で100万円を借りた場合の返済期間と総返済金額についてご説明します。具体的な返済イメージの参考にしてください。

年率18%で100万円を借りた場合の返済期間と総支払額

本来、利息制限法により、100万円を超える借金の利息は「最大15%まで」と定められています。しかし、複数の金融機関から借り入れがある場合、それぞれの借入先に対して上限金利が適用されるため、100万円の借金に対して18%の金利が設定されることもあります。
次に、100万円を年率18%で借りた場合の返済回数、総支払金額、利息についてご紹介します(元利均等返済)。

毎月1万円の返済シミュレーション
返済回数:100回(8年4ヶ月)
総支払金額:1,757,500円
利息合計:757,500円

毎月2万円の返済シミュレーション
返済回数:50回(4年2ヶ月)
総支払金額:1,382,500円
利息合計:382,500円

毎月3万円の返済シミュレーション
返済回数:33回(2年9ヶ月)
総支払金額:1,254,981円
利息合計:254,981円

元金均等返済の場合、完済までの期間は元利均等返済とほぼ同じですが、元金均等返済は総支払金額(利息)が元利均等返済よりも高くなります。例えば、毎月2万円の返済をしている場合、利息の差は約63,000円となります。

年率15%で100万円を借りた場合の返済期間と総支払額

大学生が年率15%で100万円の借金を抱え、毎月1万円、2万円、または3万円で返済した場合の返済回数、総返済額、利息の金額は以下の通りです(元金均等返済)。

毎月1万円の返済シミュレーション
返済回数:100回(8年4ヶ月)
総支払金額:1,631,250円
利息合計:631,250円

毎月2万円の返済シミュレーション
返済回数:50回(4年2ヶ月)
総支払金額:1,318,750円
利息合計:318,750円

毎月3万円の返済シミュレーション
返済回数:33回(2年9ヶ月)
総支払金額:1,212,482円
利息合計:212,482円

大学生の一般的な収支を考慮すると、毎月3万円の返済は難しいことがわかります。仮に毎月2万円ずつ返済した場合、30万円以上の利息が発生し、返済期間も4年以上かかります。したがって、在学中に完済するのは難しく、社会人になってからも返済を続けなければならない状況になります。

大学生のうちに借金100万円を完済するのは難しい

前述したシミュレーションからも明らかなように、大学生のうちに100万円の借金を完済することは難しいと言えます。特に、親の扶養に入っている場合、返済がさらに厳しくなることが予想されます。
大学生は、親の扶養を外れないようにアルバイトなどで年収を103万円まで抑えている場合が多いでしょう。年収が103万円以下であれば、月収を約8.6万円までに抑える必要があります。
消費者金融やクレジットカード会社は、借入金額の3%以上を最低返済額としている傾向があるため、毎月少なくとも3万円程度の返済が必要となります。つまり、大学生活を送る中で、月収の約1/3を返済に充てる生活が求められるのです。
さらに、大学生は授業やサークル活動、就職活動などがあり、毎月安定して8.6万円を稼いで返済を続けることは難しい場合もあります。場合によっては、ほとんど働けない期間があり、その際には最低返済額を用意することすら困難になる可能性もあります。
基本的に、大学生のうちに自力で完済するのは難しいため、借金100万円を抱えている場合は、親や知人に協力をお願いすることを検討する必要があると言えるでしょう。

大学生でも借金地獄に陥る可能性!返済できない場合に避けるべきこと

大学生として借金を抱えていると、やはり親に心配をかけたくないという気持ちが強いでしょう。親に借金の相談ができず、1人で解決しようと試行錯誤するうちに、危険な方法に手を出してしまうこともあります。
例えば、闇金からお金を借りたり、SNSでの儲け話に誘われたり、借金返済のために新たな借金を繰り返すような状況です。

闇バイトに手を出すリスク

返済のために闇バイトに手を出すことは絶対に避けるべきです。
闇バイトとは、違法な内容や詐欺に関与するアルバイトであり、関わることで犯罪に巻き込まれるリスクが非常に高くなります。
一時的に報酬を得られたとしても、逮捕される可能性や社会的信用を失うリスクがあり、最終的には大きな代償を払うことになるでしょう。
借金返済の焦りからこのような行動に走ることは避け、合法的な方法で解決策を見つけるべきです。

闇金からの借り入れ

最も避けるべき行動の一つは、闇金から借り入れをすることです。
闇金業者は、法律で定められた金利の上限を超える違法な高金利で貸し付けを行い、一度借りると返済が終わらず、悪循環に陥りやすくなります。
闇金は「審査なし」「保証人不要」「簡単に借りられる」といったキャッチコピーを使っていますが、実際に借り入れるとトラブルに発展するリスクが高いです。
どんな状況であっても、闇金は絶対に利用すべきではありません。他の方法を慎重に検討するべきです。

SNSの勧誘や儲け話に乗るリスク

SNS上では「簡単に稼げる」や「借金がなくなる」といった言葉で勧誘するアカウントや投稿が多数見受けられますが、こうした儲け話にはリスクが伴うため、乗らないようにしましょう。
多くの場合、SNSでの儲け話は詐欺や違法行為に関連しており、さらに借金を増やしたり、個人情報を盗まれたりする可能性が高いです。
借金に悩む心理を巧妙に利用してくるため、SNS上で不審な勧誘や話には決して乗らないようにしましょう。「簡単に儲かる」という話には裏があると理解することが重要です。

返済のために新たに借金をするリスク

返済が厳しい状況で、新たに借金をして返済に充てる行動は、問題を解決するどころか、状況を悪化させる可能性があります。
むしろ、借金を繰り返すことによって、借金が膨らみ、返済の負担がさらに増えるリスクが高まります。
特に、金利が高い消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用すると、返済負担が一層重くなり、悪循環に陥りやすくなります。
返済が難しい場合は、親や信頼できる人に相談したり、債務整理を検討するなど、別の方法を考えるべきです。

大学生が借金を返済するために取るべき行動

大学生が借金を抱えると、返済のプレッシャーや将来に対する不安を感じることになるでしょう。
この悪い状況を改善するためには、適切な行動を取ることが重要です。ここでは、大学生が借金を返済するために取るべき方法を紹介します。

アルバイトで収入を増加させる方法

借金を返済するためには、必ずお金が必要です。収入を増やすために、アルバイトの時間を増やしたり、より高い収入が見込める仕事に切り替えたりしましょう。
塾講師や家庭教師など、時給が高い仕事は特におすすめです。
学業に支障をきたさないように注意しながら、無理のない範囲で収入を増やすことが大切です。

扶養内外を考慮して収入を増やす方法

大学生の場合、親の扶養に入っていることがほとんどですので、扶養から外れるほど働くことには注意が必要です。扶養から外れるほど多くの収入を得てしまうと、結果的に損をすることがあります。
これは「〇〇万円の壁」として知られ、103万円、106万円、130万円、150万円の壁があります。それぞれの壁を越えることで、以下のような影響が生じます。

103万円の壁
所得税が課税される

106万円の壁
社会保険の加入義務が発生(一定規模以上の企業で働く場合)

130万円の壁
国民健康保険・国民年金の加入義務が発生(社会保険加入義務のない企業で働く場合)

150万円の壁
配偶者特別控除額が減少

参考:日本FP協会「103万円、106万円、130万円、150万円の壁」

もし親の扶養に入っている場合は、扶養元とよく話し合い、どこまでの壁を超えるかを決めることが重要です。

ワンポイント解説
勤労学生控除を利用すると、最大で130万円まで所得税が発生しません。
納税者自身が勤労学生として認められる条件を満たすと、一定の所得控除を受けることができ、アルバイト先に所定の書類を提出することで27万円の控除が受けられます。これにより、最大で130万円までの所得は課税されません。
詳細については、国税庁の「勤労学生控除」を参考にしてください。

インターネットを活用して稼ぐ方法

クラウドソーシングを利用すれば、口コミやアンケート、レビュー記事の執筆などで収入を得ることができます。最大のメリットは、少しの空き時間を使ってできる点です。
収入は少額かもしれませんが、数をこなすことで、少しずつでも成果が出ます。
プログラミングやライティング、WEBデザイン、ロゴデザイン、写真、動画編集、音楽制作など、幅広い仕事があります。
初心者向けの口コミやアンケート回答から、職歴や専門的なスキルを活かせる仕事まで様々な選択肢があります。
「専門的なWEBスキルがない…」という方でも、ハンドメイドやイラスト、似顔絵作成、ネイルチップ作成など、自分の得意なことや好きなことを活かして稼ぐことが可能です。

おすすめのクラウドソーシング

  • ランサーズ
  • クラウドワークス
  • ミンネ(ハンドメイド作品など)
  • ココナラ(特技を売れる専門サイト)

クレジットカードやキャッシングの利用を止める

まず、借入に依存した生活を送るのをやめましょう。クレジットカードやキャッシングを使うのを止め、現金をメインにした生活に切り替えます。
ただし、クレジットカードを解約してしまうと、一括返済を求められる場合もあるので、注意が必要です。
自分の持っているお金だけで生活し、現金以上の金額を使わないようにすることが、借金返済への第一歩となります。

返済計画を立てる方法

先ほどの100万円の返済シミュレーションでも触れましたが、完済までの道のりを明確にすることが大切です。
まず、元金はいくらか、今のペースで返済した場合にいつ完済するのか、利息を含めた返済額はいくらになるのかを確認しましょう。
さらに、月々の返済額を1万円増やすとどうなるかなど、現状をしっかり把握した上で、具体的な目標を立てることが重要です。

支出を抑えて節約する方法

自宅通いでない場合は、学生寮やシェアハウスなど、安い家賃で入居できる場所に引っ越すことを検討しましょう。また、自炊や学食を利用したり、飲み物は持参したり、移動には自転車を使うなど、生活費の無駄を省く工夫をしましょう。
さらに、交際費の節約(飲み会の回数を減らす、デートは自宅など)によっても出費を抑えることができます。
格安スマホに切り替え、課金アプリの見直しを行い、学割をフル活用することも重要です。
完済するまでは無駄遣いを極力避け、節約を意識した生活を心がけましょう。学生寮や学食、学割など、学生特典をうまく活用することが大切です。
大学生の主な収入源であるアルバイトは、今の時代、コストカットの対象になりやすいため、希望通りに働けない場合もあります。そのため、継続的な収入が得られると過信せず、コツコツと節約していくことが非常に大切です。
借入額は、アルバイト収入が減少しても返済可能な範囲に収めておくことが理想的です。

繰り上げ返済を活用する方法

繰り上げ返済は、毎月の支払いとは別に、残りの借金の一部を追加で返済する方法です。繰り上げ返済によって返済した分は元金に充てられるため、利息負担を軽減できます。
臨時収入があった際などには、積極的に繰り上げ返済を活用しましょう。早めに繰り上げ返済を行うことで、利息を大幅に減らすことができます。

借金のことを親に相談する

借金問題を一人で抱え込まず、信頼できる親や家族に相談することが重要です。
親に話すことで、精神的なサポートを得ることができ、状況がさらに悪化するのを防げる場合もあります。状況によっては、一時的な援助を受けることもできるかもしれません。
借金の現状や返済計画について正直に話し、共に解決策を考えることが、負担を軽くする手助けとなります。

おまとめローンを活用する方法

複数の業者から借入をしている多重債務者には、おまとめローン(借金一本化)を利用して借入先を1社にまとめることをおすすめします。
おまとめローンの最大の利点は金利が低いことで、借入額が多いほど金利がさらに低くなります。また、返済日が異なる複数の借入先を一つにまとめることで、返済がシンプルになり、より返済しやすくなるというメリットもあります。

低金利のローンに借り換えて返済負担を軽減する

現在の借入先の金利が高い場合、金利の低いところに借り換えることも一つの方法です。一般的に、消費者金融よりも銀行カードローンの方が金利は低く設定されています。審査は比較的厳しめですが、銀行カードローンに借り換えれば、利息を減らすことができます。
利息が減少すると、借金の総額も減り、毎月の返済負担が軽くなる可能性があります。

新たな借入やギャンブルで一発逆転を狙うのは絶対に避けるべき!

すぐに大金を手に入れようと考えて、ギャンブル(パチンコやスロット、競馬など)で一発当てようとしたり、別の場所からお金を借りて返済に充てようとするのは非常に危険です。ギャンブルでの借金は、すぐに膨れ上がるリスクがあります。
さらに、借金返済のために新たに借金をすることは絶対に避けるべきです。学生ローンを組んだり、友人からお金を借りるのもやめた方が良いでしょう。
このような行動は人間関係に亀裂を入れることになり、最悪の場合、訴えられることも考えられます。お金の問題で大切な友人を失わないようにしましょう。
もし友人からお金を借りる場合は、必ず借用書を作成することが大切です。
また、買い物をリボ払いにして毎月の負担を軽くしようという方法も避けるべきです。月々の支払いは少なくても、利子がかかるため、最終的には支払い総額が大きくなり、気づいた時にはリボ地獄に陥る恐れがあります。まずは、無駄な買い物を減らす努力をしましょう。
借金地獄に陥り、取り返しがつかなくなるような方法は絶対におすすめできません!

借金返済に関する法的措置の手続きについて知っていますか?

もし、30万円を大きく超えて50万円、100万円、あるいはそれ以上の借金を抱えている場合、自己返済は非常に困難になります。
借金の額が自力で返済できないほどになってしまった場合、「債務整理」という手段を使うことで、借金を減らしたりゼロにすることができる可能性があります。
Web上の「借金減額診断」や「借金減額シミュレーター」を利用すれば、どの程度借金が減額できるのかの目安を把握できます。これらは無料で誰でもいつでも利用可能なので、非常に便利です。
「借金が減るなんて怪しい…詐欺では?」と思う方もいるかもしれませんが、これは合法的に借金を解決する方法です。弁護士や司法書士が運営する事務所のシュミレーターを使えば、安心して利用できます。
借金返済のコツは、収入を増やすこと、生活を見直して節約を心がけ、借金の利息を減らすことです。
「いくら借りていて、いくら返済しているか」をしっかり把握し、返済シュミレーションを描いてから借りることが非常に大切ですが、すでに借金で困っている場合は、今すぐできる対策を講じ、これ以上状況を悪化させないようにすることが重要です。
それでは、「債務整理」についてさらに詳しく見ていきましょう。

借金を法的に減額できる「債務整理」とは?

返済を続けようと努力しても、行き詰まってしまうことがあります。そうした状況が予想される場合は、法的な救済措置である「債務整理」を検討することをおすすめします。
大学生でも、一般の大人と同じように債務整理を行うことができます。

債務整理の種類について

債務整理と聞くと、自己破産をしなければならないのではないかとネガティブに考える人も多いですが、自己破産以外にもいくつかの方法があります。
以下に、3つの方法それぞれの特徴を簡単に説明します。

任意整理
弁護士が債権者と交渉し、利息や遅延損害金をカットする方法です。減額率は低いものの、手続きが簡単でデメリットも少ないため、債務整理の中で最も利用者が多い方法です。
大学生の場合、大きな借金を抱えることは少ないため、債務整理を行う場合は、任意整理を選ぶことが多いでしょう。

個人再生
裁判所を通じて借金総額を約5分の1に減らす方法です。継続的な収入があることが条件となりますが、返済負担を大きく軽減することができます。

自己破産
裁判所を通じて借金を全てゼロにする方法です。残りの借金を一切支払わなくて済むという大きなメリットがありますが、財産を処分されるなどのデメリットを覚悟する必要があります。

任意整理で将来の利息をカットし、月々の返済額を軽減する方法

任意整理とは、弁護士や司法書士が金融機関と交渉し、今後支払う予定の利息をカットまたは減額してもらう方法です。任意整理によって利息がカットされると、その後は基本的に元金のみを3年~5年かけて返済することになります。
任意整理の大きなメリットは、月々の返済額を減らし、かつ完済までの期間を短縮できる点です。例えば、借入総額100万円を任意整理して4年で完済する場合と、通常通り返済を続けた場合の支払総額を比較すると以下のようになります。

返済シミュレーションの条件

  • 毎月の返済額:3万円
  • 適用金利:年15.0%

任意整理後 | 任意整理前
完済までの年数 | 33か月 | 44か月
総額 | 100万円 | 1,301,674円

※これはシミュレーションの結果であり、実際の金額とは異なる場合があります。

このシミュレーション結果から、任意整理をすることで約30万円の利息を抑えることができ、返済期間も11か月短縮できることがわかります。
また、「借金減額シミュレーター」を利用すれば、自己の状況に基づいて任意整理をした場合の負担減少を確認することができます。任意整理を検討している場合は、ぜひ利用してみてください。

個人再生で100万円の借金を減額できる方法

個人再生とは、将来発生する利息をカットするだけでなく、借金自体を1/5〜1/10程度に減額できる手続きのことです。任意整理では将来の利息カットのみですが、個人再生では借金そのものを減額できるため、任意整理よりも負担を軽減することができるというメリットがあります。
ただし、個人再生は裁判所を通す手続きであるため、任意整理よりも費用や時間がかかることが一般的です。また、個人再生を行った後も返済が続くため、アルバイトなどの収入がないと基本的には利用できません。
さらに、個人再生を進めるには多くの書類を用意する必要があり、その過程で親の協力が求められる場合もあります。これにより、借金や個人再生を行う事実が親に知られることになります。
したがって、個人再生は親に知られたくない場合には不向きな方法であると言えるでしょう。

自己破産で100万円の借金をゼロにできる方法

借金を返済できなくなった場合の最終手段として「自己破産」があります。自己破産を行うことで、抱えている借金をすべて帳消しにすることができます。カードローンやキャッシングの借金だけでなく、場合によっては奨学金も対象となることがあります。
ただし、自己破産をすると、以下のような財産を手放さなければなりません。

  • 自動車
  • バイク
  • 現金や預貯金

また、個人再生と同様に、自己破産も裁判所を通じて行う手続きなので、親に内緒で進めるのは難しいです。このようにデメリットが大きいため、自己破産は他に解決策がない場合に検討するべき方法です。
とはいえ、法律事務所では債務整理に関する無料相談が行われており、「自己破産しかない」と考えていても、他の解決策を提案してもらえる可能性があります。そのため、まずは弁護士や司法書士に相談することを検討してみてください。

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ワンポイント解説
債務整理は大学生でも利用でき、大学生であることを理由に不利益を受けることはありません。また、場合によっては親や学校に知られることなく手続きを進めることができることもあります。
「借金が親にバレたくない」と考えている大学生は、まず弁護士に相談してください。返済が滞り、届く可能性がある「督促状」などの書類も止めてもらえます。

債務整理の進め方

債務整理は、以下のような流れで進められます。

弁護士や司法書士に相談・依頼
まず、法律事務所や司法書士事務所に相談・依頼を行います。借金に関する相談は無料で受けている事務所も多いため、気軽に相談できます。

弁護士や司法書士が手続きを代行
借金の減額や返済猶予を交渉するのは、専門家でないと難しい場合が多いです。また、個人再生や自己破産を申し立てる際には、裁判所の手続きも複雑であるため、代行を依頼するのが一般的です。
弁護士や司法書士が手続きを代行すると、債権者に受任通知が送付されます。受任通知を受け取った後、取り立ては法律で禁止されているため、債務整理を依頼した後に取り立てが行われることはありません。

減額された借金を返済
任意整理や個人再生では、減額された借金を3~5年かけて返済します。債務整理を行うことで、返済負担が大幅に軽減されるため、無理なく返済を続けることができるようになります。

債務整理のメリットとデメリット

債務整理には借金を減額できるというメリットがありますが、どの方法を選んでも信用情報機関に登録されるというデメリットも存在します。
大学生であっても、債務整理において特別扱いはされず、任意整理の場合、約5年間は信用情報に登録されブラック状態となります。
任意整理を行った場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 借金を減額できる
  • 長期の分割払いを設定できる
  • 月々の返済負担が軽減され、完済しやすくなる
  • 生活への影響が少なく、立て直しが可能

デメリット

  • 約5年間、信用情報機関に登録されるため、新たにクレジットカードを作ったりローンを組んだりできなくなる

個人再生や自己破産は、減額率が高い一方で、手続きに時間がかかり、裁判所を通すため書類の準備なども必要です。対して、任意整理は専門家に任せれば手続きにかかる時間が比較的短いです。
大学生が任意整理を検討する場合、アルバイトなど収入があることが条件となります。また、元金は減らず返済が残ることをしっかりと理解しておきましょう。
返済を続けながら生活ができるかどうか、やりくりをシミュレーションしておくと良いでしょう。

奨学金の返済ができないとどうなる?

多くの大学生が利用している日本学生支援機構の奨学金には、返済不要な「給付型」と「貸与型」がありますが、貸与型の方が多く利用されています。
奨学金は大学卒業後、10年以上にわたり返済が続き、最長で20年にわたることもあります。結婚や出産、マイホームの購入など、ライフプランに影響を及ぼす可能性もあるため、「奨学金=借金」と認識することは重要です。
貸与型奨学金は、学生が借りて卒業後に分割で返済していく仕組みで、親が借りて返済する教育ローンとは異なります。返済の義務は学生本人にあり、卒業後に支払いが困難になる人が多いのが現状です。
奨学金の大きな特徴は、在学中は無利息で借りられ、卒業後に返済が始まる点ですが、滞納すると一般的なローンと同様のリスクが伴います。
奨学金を滞納すると、本人や連帯保証人、保証人に対して督促の電話や文書が届き、延滞金が発生します。さらに、個人信用情報機関に登録され、最終的には差し押さえなどの法的措置が取られることになります。これは一般のカードローンと同じです。
奨学金の返済が困難な場合、債務整理を行うことは可能ですが、奨学金には保証人がついており、貸金業者と違って利息が高くないため、通常の債務整理のようにはいきません。
任意整理で利息のカットを試みても、利息が低いため効果が薄く、個人再生や自己破産を選んだ場合、保証人に請求が行くため、迷惑をかけてしまいます。
日本学生支援機構では、返済金額を軽減する「減額返還」制度や、返済期限を延ばす「返還期限猶予」制度があります。これらの制度を利用すれば、債務整理を行うよりも返済が楽になる可能性が高いです。

減額返還制度とは何か

奨学金の毎月の返済額を減額することが可能です。災害や病気、または経済的な理由で返済が困難な場合に申請できます。
申し込みには、収入や所得の一定の条件を満たす必要があり、返還願届やマイナンバーなどの提出も求められます。詳しくは、日本学生支援機構の公式HPで確認することができます。

返還期限猶予制度とは何か

奨学金の返済期限の猶予を受けることができます。返済が滞納する前に、早めに手続きを行うことが重要です。
災害や病気、経済的な問題、失業などを理由に返済猶予を受けるには、毎年の届け出が必要となります。
猶予期間は最長で10年まで可能です。
減額返還制度と同様に、日本学生支援機構の公式HPで詳細を確認できます。届出書のダウンロードやマイナンバーなどの提出方法については、こちらのリンクを参考にしてください。
奨学金返還困難に関する情報
「奨学金は借金である」という認識を持ち、返済ができなくなる前に早めに申し込み手続きを行いましょう。

借金問題は専門家へ早めに相談するのが賢明

カードローンでお金を借りるのは非常に簡単ですが、返済できなくなると大変なことになります。返済シュミレーションをしっかりと行い、計画的に借りないとリスクが大きくなります。
大学生は若さゆえ、そのリスクに気づかずに簡単に借金してしまい、その手軽さに惹かれてどんどん借り続けてしまうことがあります。
大学生が借金をした場合、学業と両立できる範囲でアルバイトをして、しっかり返済していくことが基本です。
借金は返済が長引けば長引くほど利息が増え、滞納すればその負担がさらに大きくなります。社会人になって安定した収入が得られるようになってから返済する方法もありますが、後々自分を苦しめる原因になるかもしれません。
返済に行き詰まった場合は、先延ばしにせず、弁護士や司法書士に相談して、適切なアドバイスを受けることが重要です。
状況によっては、債務整理や他の制度を利用することで解決できることもあります。早めに根本的な解決を目指しましょう。

まとめ

大学生はまだ若いため、お金を使いすぎたり、借りたりすることに抵抗がない場合が多いです。
学費や生活費のために借りるのは仕方ありませんが、仲間との付き合いや趣味、ギャンブルなどでお金を借りるようになると、正常な金銭感覚を失い、借金の泥沼に陥るリスクがあります。
消費者金融やカード会社などの貸金業者は、大学生だからと言って特別な配慮をしてくれるわけではありません。借金を滞納すれば取り立てを受け、最終的には法的措置が取られることになります。
もし可能であれば、状況が悪化する前に家族や友人に相談し、お金の使い方を見直したり、借金返済計画を立てたりすることが重要です。
それでも返済が難しい場合は、弁護士に相談し、債務整理を検討するのが良いでしょう。債務整理を行うことで、借金の減額や返済免除を受けることができ、問題解決の可能性が高まります。

大学生の100万円の借金に関するよくある質問

大学生が100万円の借金を抱えた場合、さまざまな不安や疑問が生まれることが多いです。以下では、そのような状況でよくある質問をいくつか取り上げ、それぞれについて説明します。

借金100万円も大学卒業後なら完済できそう。今やるべきことは?

大学生のうちは返済を続け、社会人になってから返済ペースを上げて完済を目指すという方法もあります。しかし、それは問題を先送りにしているだけとも言えるでしょう。少しでも借金返済に不安がある場合は、親や弁護士に相談することを検討してみてください。

大学生で借金100万円を抱えるのはやばい?

奨学金以外で100万円の借金がある場合、それは非常に危険な状況と言えます。自動車ローンなどの借金を抱えている大学生もいるかもしれませんが、収支のバランスによっては、深刻な状態に陥る可能性があります。

債務整理の相談をしたいけれど、学生でお金がなく相談料が用意できない…。

その場合は、債務整理に強い法律事務所に相談しましょう。債務整理に特化した法律事務所では、無料相談を提供していることが多いです。当サイトでも、無料相談が可能な法律事務所をご紹介していますので、ぜひお気軽にご利用ください。

100万円の借金をギリギリ返済できそうですが、このままで大丈夫?

「ギリギリ返済」の状態であれば、今すぐに借金問題を解決することが重要です。何か予期しない事態が起こった場合に返済できなくなるリスクがあるため、ギリギリの状況は非常に危険だと言えます。