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あける
借金まみれで生活できない…借金まみれの人になる特徴と抜け出す方法
目次
現在借金を抱えている方の中には、「借金まみれで生活が苦しい」「借金から抜け出せる気がしない、何のために生きているのかわからない」など、借金地獄に陥って日々苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。
もし借金で生活できない状況にあるなら、まずは自分で返済の見通しを立てることが大切です。具体的な方法としては、「家計簿をつける」「債務状況を整理して返済計画を把握する」「収入を増やす」といったことが挙げられます。
自力での立て直しが難しい場合は、公的支援を利用する方法もあります。
たとえば、生活資金を提供してもらえる「生活保護制度」や、生活費や住宅入居費を貸し付けてくれる「生活福祉資金貸付制度」など、さまざまな支援制度があります。利用可能な制度については、市区町村役場に問い合わせて確認してみましょう。
それでも借金問題が解決できない場合は、最終的な手段として「債務整理」を弁護士に依頼することをおすすめします。借金問題に強い弁護士であれば、依頼者の状況に合わせた適切な「債務整理」を提案してくれるでしょう。
借金問題の解決に向けて早めに動くことで、負担を少なくし、生活再建を目指すことができます。また、どんな状況でも現状を変える方法は見つかります。悩まずに、まずは弁護士に相談してみてください。
この記事では、借金まみれで生活できない状況から抜け出すための対処法を解説します。借金返済が難しいときに避けるべきことや、返済できない場合に考えられる最悪の結果についても説明しているので、借金に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
借金地獄とは?その状態をリストで紹介
借金地獄に陥っている自覚があれば、「何か対策をして抜け出そう」という気持ちになるでしょう。しかし、借金地獄の定義は曖昧なため、危機的な状況に気づかずに自覚なく抜け出せない人もいるかもしれません。
そこで、借金地獄とはどのような状態か、いくつかの例をリストにまとめました。
借金地獄の一例
- 利息の返済ばかりで元本がほとんど減らない
- 複数の金融機関から借入している
- 借金の総額が年収の3分の1以上※
- 借金完済の目途が立たない
- 新たに借金をしないと生活ができない
※住宅ローンや自動車ローンなど目的別ローンを除く。年収の3分の1を超える借入は債務者の返済能力を超える恐れがあるため、総量規制により原則として禁止されています。
自分が借金地獄に陥っているかどうかを見極めるためには、現時点での借金の状況をしっかりと把握することが重要です。
まずは、借金の総額、借入先、完済予定時期、金利、毎月元本がどれくらい減っているかなど、現状を確認しましょう。
現状を確認して、上記のリストに当てはまる項目があれば、借金地獄に陥っている可能性があります。
財産や資産が差し押さえられるまでの過程
差し押さえとは、借入先(債権者)が債権回収のために裁判所を通じて、借金をしている人(債務者)の財産や資産を強制的に処分する手続きです。
借金地獄に陥って返済が滞ると、最悪の場合、財産や資産が差し押さえられることがあります。しかし、借金を滞納したからといって、すぐに差し押さえが行われるわけではありません。
まず、電話や書面(督促状)で返済の催促が行われます。これを無視して滞納を続けると、分割返済の権利を失い、残債の一括請求を受けることになります。
一括請求にも応じない場合、債権者は裁判所での手続きを進めるのが一般的です。裁判所から訴状や支払督促の書面が送付され、最終的に債権者による差し押さえの申し立てが認められると、差し押さえが実行されます。
差し押さえが行われると、財産や資産を自分の意志で売却したり譲渡したりすることができなくなります。借金地獄に陥った場合、差し押さえを回避するためには、問題が深刻化する前に適切な対処をすることが非常に重要です。
借金地獄に陥った場合に起こりやすいこと
借金地獄は放置せず、できるだけ早期に対処することが非常に重要です。なぜなら、借金地獄に陥ると生活のさまざまな面で支障が出る可能性が高いためです。
借金地獄に陥った場合に起こりやすいことは以下の通りです。
借金地獄になった場合に起こる可能性が高いこと
- 住居を借りられない
- マイホームが購入できない、または手放さなければならない
- 子どもの教育資金が準備できない
- ケガや病気の医療費を捻出できない
- 人付き合いが減少する
- パートナーとの関係が悪化する
借金地獄に陥っていると、新たに賃貸物件に住み替えることが難しくなることがあります。借金の滞納履歴がある場合、賃貸物件の入居審査に落ちる可能性が高いためです。入居審査に問題がなくても、引っ越し費用が足りなければ住み替えは難しいでしょう。
また、借金額が増え、返済比率が高くなると、住宅ローンの審査に通りにくくなり、マイホーム購入の難易度も上がります。すでにマイホームを所有している場合でも、借金地獄に陥り返済が滞れば、最終的には住居を売却せざるを得なくなる可能性があるため、安心してはいけません。
借金返済に収入の大部分を充てる状況になると、住居以外にも多くの問題が生じやすくなります。教育資金や医療費の捻出が難しくなり、交際費の余裕がなくなり人付き合いが減るほか、生活不安が原因でパートナーとの関係が悪化することも考えられます。
借金まみれの人は意外と多い
借金に悩むのは決してあなた一人ではありません。日本では多くの人々が同様の金銭的な問題に直面しています。
法務省統計局によると、2024年1月現在、日本の人口は1億2,409万人です。一方、JICC(日本信用情報機関)の2024年1月度の調査結果によれば、借入がある人は1,066万人で、そのうち「多重債務者」とされる、2件以上の借入がある人は383万人です。
これらの数字を基にすると、日本の総人口に対する債務者(1件以上の借入がある人)の割合は約8.6%、多重債務者(2件以上の借入がある人)の割合は約3.1%となります。
ただし、未成年者は借入ができないため、成人層に絞って計算すると、大人(現在の成人年齢は18歳ですが、ここでは便宜上20歳以上とします)の債務者割合は約10.2%です。
つまり、大人の10人に1人は何らかの借入をしていることになります!さらに、大人の中で多重債務者、つまり借金まみれの人の割合は3.7%であり、意外に多いことがわかります。また、借金をしている人の中で多重債務者の割合は約36.1%とかなり高い数字です。
これらのデータからもわかるように、借金を抱えていることや借金まみれになることは、それほど珍しいことではありません。
参考として、借金をしている人の借入件数別の状況を示す表を以下に記載します。
【借金がある人の借入件数別登録状況】
件数 | 登録人数 | 登録件数 | 借入額 | 借入額/1人 | 借入額/1件 |
---|---|---|---|---|---|
1件 | 683.8万人 | 683.8万件 | 5兆3,269億円 | 77.9万円 | 77.9万円 |
2件 | 238.9万人 | 477.8万件 | 2兆3,443億円 | 98.1万円 | 49.1万円 |
3件 | 94.5万人 | 283.4万件 | 1兆1,705億円 | 123.9万円 | 41.3万円 |
4件 | 34.7万人 | 138.7万件 | 5,110億円 | 147.4万円 | 36.8万円 |
5件以上 | 14.4万人 | 77.7万件 | 3,446億円 | 239.3万円 | 44.3万円 |
合計 | 1,066.3万人 | 1,661.5万件 | 9兆6,972億円 | 90.9万円 | 58.4万円 |
出典:人口推計2024年(令和6年)1月報|法務省統計局
出典:信用情報に関する統計|JICC日本信用情報機関
借金をする理由は、各年代の生活状況やニーズに応じて異なります。30代では結婚や出産、40代では子供の教育費やマイホーム購入、50代ではローン返済の終盤や健康問題など、様々な要因が影響します。
これらの問題に直面している人々は、一人で抱え込まず、専門家や相談機関に早期に助けを求めることが非常に重要です。早期に対策を取ることで、問題の悪化を防ぎ、解決に向けた第一歩を踏み出すことができます。
借金問題は決して恥ずかしいことではなく、実際に多くの人々が同様の悩みを抱えています。適切な助けを求めることで、新たな希望を見つけ、問題解決へ向けた具体的なステップを踏み出すことができます。
借金地獄に陥る原因とは
借金地獄に陥り、自己破産や個人再生を選択する人もいます。以下は、日本弁護士連合会が2020年に行った調査に基づき、自己破産や個人再生を選んだ人々が多重債務に至った理由の内訳です。
参照:2020年破産事件及び個人再生事件記録調査_日本弁護士連合会
自己破産と個人再生の主な理由は「生活苦・低所得」であり、この理由を挙げた人が最も多く、自己破産の場合は61.69%に達しました。このことから、日々の生活費不足が一時的な支出よりも多重債務を引き起こしやすい要因であることが伺えます。
その他、負債の理由として高い割合を占めたのは、自己破産の場合「病気・医療費」が23.31%、「その他」が22.25%、「負債の返済(保証以外)」が20.48%、個人再生の場合は「その他」が26.92%、「浪費・遊興費」が24.1%、「住宅購入」が23.03%です。
生活費不足で借金を重ね、そこに病気や浪費、住宅購入などの理由が加わり、最終的に自己破産や個人再生に至る人が多いと考えられます。
借金まみれになる人の共通点
借金まみれになる人々には、いくつか共通する特徴が見られます。ここでは、借金まみれになりやすい人の主な8つの特徴を紹介します。
- プライドが高い
- 他人に良く思われたいあまり、嘘をついてしまう
- 計画性が欠けており、収支管理をしていない
- お金に関して相談できる相手がいない
- ギャンブル依存症や買い物依存症を抱えている
- 楽観的な性格である
- 借金への抵抗感が薄い
- 真面目に返済し続けてしまう
これらの特徴が重なることで、借金問題が深刻化しやすくなります。
高いプライドを持つ人の特徴
プライドが高い人は、自分の金銭的な状況を他人に知られたくないという気持ちから、問題が深刻化しても助けを求めることができません。このため、問題が一層悪化する原因となることがあります。
他人に助けを求められないため、自分一人で問題を抱え込み、借金の返済が難しくなると、自転車操業を始めることがあります。その結果、借り入れを重ねてしまい、状況をさらに悪化させることになります。
お金の問題について相談できる相手がいない人
借金をしてしまう人の中には、金銭問題について相談できる相手がいないため、ひとりで悩みを抱え込んでしまうケースがよくあります。この孤独感が、問題解決の機会を逃す原因になりやすいです。
信頼できる人に相談することで、冷静な第三者の視点からアドバイスを受け、問題解決のための手助けを得ることができます。友人や知人、専門家など、誰かに相談することで、借金問題の解決につながる可能性が高いことを理解しておきましょう。
お金に関する問題に悩み、借金返済が困難になっている方は、新たに借入をしない方法で解決策を考えてみましょう。
他人の評価を気にして嘘をつく人
他人に良く思われたいという気持ちから、自分の経済状況を良く見せようと嘘をついてしまう人は少なくありません。見栄を張ることで不必要な支出が増え、借金がかさんでいきます。
嘘をつくことで一時的には周囲の評価を維持できるかもしれませんが、長期的には自分の経済状況を悪化させ、借金返済が困難になる原因になります。最終的に、この行動が借金問題を一層深刻化させることになります。
収支管理ができず計画性がない人の特徴
計画性のない人は、自分の収入に見合った支出を管理できず、借金を重ねる傾向があります。例えば、目の前の欲望に負けて高価なものを購入してしまうケースなどです。
収支管理をしないことで、自分の経済状況を正確に把握できず、気づいた時には借金まみれになっていることがあります。計画的な生活を心がけることが、借金を避けるための重要なポイントです。
楽観的な性格が借金の原因となることがある
楽観的な性格の人は、「どうにかなる」と考えがちで、その結果、収入を超える支出をしてしまうことがあります。このような考え方が、借金を増やす原因となります。
自分の経済状況を現実的に評価しないと、気づいた時には手遅れになることがあります。計画的な金銭管理と現実的な自己評価が非常に重要です。
借金に対する抵抗感が薄い
借金に対する抵抗感が少ない人は、借入れを簡単に行い、最終的に多額の借金を抱えることになります。これが、金銭的な問題を短期間で複雑化させる一因となることが多いです。
借金を繰り返し、その感覚が麻痺してしまうと、返済能力を超えた借入れをしてしまうリスクが増えます。責任ある借入れと自己管理が不可欠です。
ギャンブル依存症や買い物依存症が原因で借金を重ねる人
ギャンブル依存症や買い物依存症などの依存症は、借金が増える大きな原因となります。これらの依存症に陥ると、自分の財政状況を無視してお金を使い続けることになってしまいます。
依存症によって引き起こされる経済的な問題は、単に借金を増加させるだけでなく、人生や家庭にも深刻な影響を与えることがあります。早期の治療や専門家への相談が、問題を解決するための重要なステップとなります。
真面目に返済し続けてしまう人
真面目に返済を続けること自体はもちろん良いことですが、過剰な返済が経済的な圧迫を生み出し、生活費の不足など他の問題を引き起こすこともあります。
返済計画を立てる際は、自分の生活費やその他の必要経費も考慮し、現実的な返済プランを設定することが重要です。適切なバランスを見つけることで、財政状態を健全に保つことができます。
上記の8つの借金まみれになる人の特徴とその対処法を理解し、適切なアプローチを取ることで、借金まみれから抜け出すことが可能です。
それでも抜け出せない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
借金まみれで生活が困難なときの解決策
借金まみれで生活ができないとき、毎月何度も訪れる返済日へのストレスや生活費不足からくる不安で気持ちが落ち込むのは無理もないことです。しかし、もし借金が原因で生活するためのお金すら用意できない状況にあるなら、今すぐに明日からの生活に向けた根本的な対策を取ることが必要です。
そのためには、借金の状況に応じて次の3つの選択肢を活用し、借金問題の解決と生活基盤の整備に集中することを強くおすすめします。
- 返済状況を見直し、借金生活の立て直しを目指す
- 自力での立て直しが難しい場合、公的支援を受ける
- どうしても借金問題を解決できない場合は、弁護士に債務整理を依頼する
いずれの方法も、生活基盤を整え、借金問題を解決した上で、将来に向けて新たなスタートを切るために役立つものです。それでは、これらの方法を具体的に見ていきましょう。
また、借金地獄から抜け出す方法については、以下の記事でも解説していますので、合わせて参考にしてください。
返済状況を再評価し、借金生活を立て直す方法
借金まみれで生活できないと感じている債務者の中には、生活費や返済資金、公共料金や家賃などの固定費の出入りを正確に把握していない人もいます。
日々の生活を送りながら借金返済を続ける場合、収入が明らかに不足しているなら、困窮状態に陥るのも無理はありません。しかし、家計管理が不十分なことが原因で生活や返済に支障が出ているのであれば、自分の努力で生活を立て直すことが可能です。
ぜひ実践してほしいのは、以下の4つのステップです。
- 家計簿をつけて、毎月の収入と支出を整理する
- 現在の債務状況を整理し、完済までの返済計画を把握する
- 収入を増やし、支出を節約する
- 返済額の増額や繰上返済など、完済に向けた方法を実行する
各ステップの重要なポイントや注意点をそれぞれ確認していきましょう。
家計簿で毎月の収入と支出を整理する方法
まずは、家計簿をつける、または家計簿アプリを活用して、毎月の収入と支出を正確に把握することから始めましょう。お金の出入りを整理できなければ、生活費や返済額を適切に準備することが難しくなるためです。
収入と支出を項目別に分け、分かりやすく整理することが重要です。
- 収入:給与や公的融資制度の利用分など
- 支出:家賃、住宅ローン、光熱費、スマホ代などの固定費、食費、交際費など
また、借金生活を送りながらもある程度の余裕を持つためには、毎月少しでも貯金をすることが求められます。どのくらいの貯金をすべきかについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
収入アップと支出削減で生活改善を目指す
毎月の収支や債務状況が把握できたら、次は完済に向けて以下の点を考えましょう。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
たとえば、不必要な生命保険を解約したり、携帯料金を格安スマホに変更したりすることで、毎月の支出を削減できます。生命保険については、商品によっては解約返戻金が戻ってくる場合もあります。
また、以下の方法を実践することで、手元のお金を増やすことも可能です。
- 資格を取得する
- 副業を始める
- 自宅にある不用品を処分する
重要なのは、これらの努力を重ねた結果、「毎月の返済額を除いた残額で、健全な生活ができるか」を判断することです。もし家計管理を適切に行い、無理なく完済できる環境が整うなら、そのまま返済を続けて完済を目指しましょう。
しかし、どれだけ努力しても生活費が足りない場合、自力で完済するのは難しいかもしれません。その場合、できるだけ早く弁護士に債務整理を依頼することが重要です。まずは無料相談を利用して、適切なアドバイスをもらいましょう。
債務状況を整理し、完済に向けた返済計画を立てる
次に、借金の総額、毎月の返済日、返済額、そして完済までの返済計画を把握することが重要です。なぜなら、「完済」という目標が明確になることで、返済へのモチベーションが高まり、効果的な返済計画を立てやすくなるためです。
しかし、返済が長期化していたり、多重債務に陥っていたりする債務者の中には、「自分がどこから、どれだけ借りているのか」が分からなくなっている人も多いでしょう。
自分の債務状況を正確に把握したい場合は、信用情報機関(KSC・JICC・CIC)に問い合わせることをおすすめします。信用情報機関は、全ての債務者の信用情報や借入状況を管理しているため、現在の借金残高を確認することができます。
おまとめローンの利用は利息負担が増えるリスクがある
一般的に、返済負担を軽減する方法として「おまとめローンへの借り換え」が推奨されることがあります。
おまとめローンとは、複数の借金を一つにまとめることができる商品です。これにより、毎月の返済額を減らすことができ、目先の返済負担を軽くするメリットがあります。
借金まみれで生活が困難な債務者にとっては、毎月の生活費に余裕を持たせることができるため、魅力的にうつるかもしれません。
ただし注意すべき点は、「おまとめローンに借り換えても、借金総額自体は減らない」ということです。
また、毎月の返済額が減るということは、返済期間が従来より長くなることを意味します。これでは、最終的に支払う利息が増えることになります。
そのため、借金まみれの生活から抜け出すためにおまとめローンを利用するのは、最適な方法とは言えないでしょう。
完済を目指して実行すべき方法
適切な収支管理を行い、健全な生活を送りながら借金返済を続けられるのであれば、家計が落ち着いたタイミングで完済に向けた方法を実践しましょう。
消費者金融などからの借り入れは、年利10%以上の高い利息が債務者を苦しめる原因となっています。次の方法を実行すれば、返済期間を短縮できるため、債務者にとって負担となる「利息の発生」を大幅に抑えることができます。
- 毎月の返済額を増やす:増額分だけ返済期間を短縮できる
- 繰り上げ返済:翌月以降の支払いを元本に充当できる
- 一括返済:ボーナス月などに一度に返済して借金生活を終わらせる
このように、毎日の家計管理を着実に実行していけば、最終的には予定よりも早く借金生活を終わらせることができるかもしれません。完済の目標に余裕を持っている債務者は、諦めずに毎日努力を重ねていきましょう。
貸付自粛制度の活用方法
貸付自粛制度とは、過剰な借入れを防ぐために、金融機関が借り手の要請に応じて新たな貸し付けを自粛する制度です。具体的には、浪費癖やギャンブル依存症などによる借金問題を解決するために支援します。
この制度を利用するには、個人が直接信用情報機関に申し出る必要があります。申し出後、一定期間新たな借入れが制限されるため、計画的な返済を進めることができます。
ただし、既存の借金に対する直接的な解決策ではないため、利用する際は自身の財務状況をよく考慮する必要があります。また、他の債務整理手続きと併用することで、より効果的に借金を解決できる場合もあります。
貸付自粛制度の特徴とメリットを以下の表にまとめました。
特徴 | メリット |
---|---|
本人が貸付自粛の申請を行う | 借金の増加を防止 |
信用情報機関に登録し、5年間貸付が抑制される | ギャンブルや依存症対策として機能 |
申請は本人または法定代理人が行う | 生活再建の支援が得られる |
申請後の撤回が可能 |
カウンセリングを利用して借金問題に対処する
カウンセリングを受けることで、借金問題に対する精神的なサポートが得られます。専門家からのアドバイスを通じて、借金返済に向けた具体的な計画を立てることができます。
さらに、カウンセリングは自分の財務状況を客観的に見直す機会を提供し、返済に対する考え方を改めるきっかけにもなります。専門家との対話を通じて、返済プランの最適化や返済に伴う心理的負担の軽減が期待できるでしょう。
借金に関するストレスや不安を軽減し、前向きに返済に取り組むためにも、カウンセリングは非常に有効です。定期的にカウンセリングを受けることで、借金解決へのモチベーションを維持することができます。
クレジットカードや消費者金融カードの解約方法
クレジットカードや消費者金融のカードを解約することは、新たな借入れを防ぎ、借金返済に集中するために効果的な方法です。解約することで、支出のコントロールがしやすくなります。
解約する前に、自動引き落としの支払い方法の変更や、未払いの分割払い・リボ払いがないかを確認することが重要です。また、ポイントやETCカード、家族カードの取り扱いにも注意が必要です。
カード会社によっては、解約手続きを電話一本で簡単に行えることが多いですが、解約時に必要な情報を事前に準備しておくことが大切です。
解約後は、財布にあるカード枚数を減らすことで、金銭管理をシンプルにできます。
「給料が入る→すべて借金返済に充てる→現金がない→カードがないと生活できない」という流れを断ち切れない人には、一時的に請求をストップできる債務整理が有効です。
利用可能な支援制度を積極的に活用する
借金がどうしても必要な場合は、可能な限り金利の低い借入先を選ぶことが重要です。なぜなら、借入額が同じであっても、金利の違いによって返済総額に大きな差が出るからです。
例えば、以下の公的支援制度を活用すれば、民間の金融機関よりも低金利で借入ができる場合があります。民間の金融機関から融資を受ける前に、利用可能な公的支援制度がないか確認してみましょう。
【公的支援制度の例】
- 生活福祉資金貸付制度
低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯、失業者世帯を対象に、低金利または無利子での貸付や支援を行う制度です。借入申込は、担当民生委員を通じて行うことが原則です。 - 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
20歳未満の児童を養育する、配偶者のない男女や寡婦などに対し、低金利または無利子で貸付を行う制度です。利用するには、最寄りの地方自治体の福祉担当窓口に問い合わせが必要です。 - 各自治体の貸付制度
自治体によっては、住民の福祉向上を目的に独自の貸付制度を設けている場合があります。対象者や条件は自治体ごとに異なるため、詳細は各自治体に確認することをお勧めします。
依存症の克服のために自助グループに参加する
依存症の自助グループに参加することで、同じ問題を抱える仲間から支援を受けることができます。これは、自分の依存症を克服するための大きな励みになるでしょう。
自助グループでは、他のメンバーの成功体験を聞くことができ、自分自身の回復に対する希望を持つことができます。また、経験者から具体的なアドバイスをもらうことで、依存症の克服に役立つ情報を得ることができます。
定期的に開催されるミーティングに参加し、互いに励まし合いながら依存症の克服に向けて歩んでいくことは非常に有益です。個人が孤立せず、問題を共に乗り越えられるようサポートを提供し、精神的な安定をもたらします。
自力での改善が難しい場合は公的支援を利用する
怪我や病気で収入が減少したり、仕事を失ったりしたために、借金返済が困難になった債務者もいるでしょう。
行政の福祉支援制度を利用すれば、生活費の不足などで困窮している債務者でも生活基盤を確保することが可能です。
もちろん、各制度を利用するには所定の条件を満たす必要がありますが、行政の支援を受けて生活基盤を整えることができれば、就職活動や収入を増やすための転職活動、資格取得に向けての余裕も生まれるでしょう。
以下は利用できる主な行政サービスです:
制度名 | 内容 |
---|---|
生活保護制度 | 資産や就労能力を総合的に評価し、自力では最低限の生活ができない人に生活資金等を提供する制度。各自治体の福祉事務所が相談窓口。 |
生活福祉資金貸付制度 | 一時的な援助として総合支援資金を提供。福祉資金や教育支援資金などの貸付けが行われる。 |
教育一般貸付 | 子どもの教育費(入学金・教材費等)のための資金貸付。比較的要件が緩やか。 |
母子父子寡婦福祉資金貸付 | ひとり親世帯に対する経済支援。生活資金や教育費など幅広い貸付けが提供される。 |
求職者支援資金融資制度 | 失業中や求職中の人が対象で、訓練や給付金制度が用意されており、就職活動中に資金支援を受けることができる。 |
年金担保貸付制度 | 年金を担保にして融資を受ける公的支援制度。年金だけでは生活が困難な人のための唯一の合法的な融資手段。 |
このように、さまざまな制度が整備されています。「生活保護制度」については、親族への照会ルールが緩和されるなど、お金に困っている人が利用しやすい環境が整っています。まずは、自分が要件に該当するかを確認してみましょう。
借金問題の相談は市役所ではなく、専門の弁護士に相談しよう
市役所では無料で借金問題について相談できますが、実際に解決に向けた手続きなどをサポートしてくれるわけではない点に注意が必要です。
市役所の役割は、利用可能な福祉支援制度や借金問題の解決に向けた方向性を示すことにとどまります。もし借金問題の解決に向けた具体的なサポートを求めるのであれば、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談する際、相談料などの費用を心配する方も多いかもしれませんが、無料相談を実施している弁護士事務所も多くあります。市役所に相談するよりも、よりスムーズに生活再建に向けて一歩踏み出すことができるので、ぜひ弁護士に気軽に相談してみてください。
弁護士に債務整理を依頼した場合のメリットについては、次の章で詳しく解説します。
市役所でお金に関する問題を総合的に相談する
行政の福祉支援制度は幅広い人々に向けて用意されていますが、「自分がどの制度を利用できるのか」や「どのような条件や手続きを踏めば利用できるのか」を判断するのは簡単ではありません。
特に、借金で生活が困難な状況では、ゆっくりと複雑な制度について調べる余裕もないでしょう。ひとり親世帯や母子家庭、仕事の解雇など、現実的な問題に直面することで、手一杯になっているはずです。
そのため、借金まみれから抜け出すためにまず行動を起こすなら、市役所に相談することをお勧めします。
各自治体によって条件や相談可能な曜日などが異なりますが、多くの自治体では、借金問題や生活費の不安について無料で相談できる窓口を用意しています。
具体的な対策を教えてもらえるだけでなく、「誰かに生活の不安を相談できた」という安心感も得られるでしょう。まずは、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
市役所に相談する際の相談内容やそのメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
借金問題を解決できないなら、弁護士に債務整理を依頼しよう
「借金の返済が追いつかない」「消費者金融の支払いで生活費が足りなくなる」「これ以上自分一人では解決できない」といった危機的な状況にあるなら、速やかに弁護士に債務整理の相談をしましょう。
債務整理は、裁判所の手続きや債権者との交渉を通じて、借金の負担を軽減する方法です。主な手続きには「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つがあり、それぞれの債務者に合った方法で借金問題から解放される可能性があります。
ただし、各手続きにはそれぞれ特徴があり、債務者自身で適切な方法を選ぶのは難しい場合があるため、必ず弁護士に相談し、最適な解決策を提案してもらうことが重要です。
それぞれの債務整理手続きの特徴
自己破産 | 個人再生 | 任意整理 | |
---|---|---|---|
メリット | ・全ての借金を免責できる ・無職やフリーターでも利用可能 | ・借金の大幅減額が可能 ・財産が処分されない | ・将来の利息をカットできる ・裁判所を利用せず手続きが簡単 |
デメリット | ・財産が処分される(自由財産除く) ・職業制限あり | ・手続きに時間がかかる ・安定収入が必要 | ・家族に知られる可能性 ・債権者の同意が必要 |
弁護士に相談するメリット
弁護士に相談すると、次の3つの大きなメリットがあります:
- 借金取り立てや返済がすぐにストップする
- 債権者とのやり取りをすべて弁護士に任せられる
- 債務整理にかかる費用を心配せずに済む
借金問題に直面しているなら、まずは無料の債務整理相談を提供している弁護士に相談して、解決策を探りましょう。
債権者との交渉をすべて任せることができる
弁護士に債務整理を依頼すると、債権者とのやり取りをすべて弁護士に任せることができます。これにより、債権者から直接連絡が来ることもなくなり、心穏やかに過ごすことができるでしょう。
また、弁護士事務所によっては、支払いを事務所を通じて行う「返済代行」が提供されている場合もあります。
「任意整理」と「個人再生」の場合、支払い義務は残りますが、手続きが完了すると支払いが再開されます。原則として、債務整理後は債権者に直接振り込むことが求められ、債権者が複数いる場合は、各々に振り込みを行います。
借金まみれになり、債務整理を選択した方の中には、長期間にわたる支払いに不安を感じる方もいるでしょう。
返済代行を依頼すると、毎月欠かさず弁護士事務所に支払いを行い、代行手数料がかかりますが、債権者が何社あっても、返済窓口を事務所に一本化できるため、債務整理から完済まで債権者と直接やり取りすることなく問題解決を目指せます。
さらに、弁護士事務所とのつながりが続くことで、今後何か問題があった際に相談できる点も大きなメリットとなります。
弁護士に債務整理を依頼すれば、即座に借金取り立てと返済が停止される
弁護士に債務整理を依頼すると、取り立てや返済が即座に止まります。
依頼後、弁護士が債権者に送る「受任通知」によって、取り立てが停止する効力が発生します。この効力は、債権者が通知を受け取った時点から発動し、取り立てが止まるだけでなく、返済も一時的にストップします。
つまり、「弁護士に債務整理を依頼する」ということは、督促から解放されることを意味します。毎月の返済額を用意する必要がなくなり、その間に生活を立て直すことも可能になります。
借金から抜け出すために重要なのは、生活再建に向けたモチベーションを維持することです。
繰り返される取り立ては、債務者にとって大きなストレスとなります。中には、取り立ての電話に怯えて暮らしている方も多いでしょう。債務整理には注意すべき点もありますが、弁護士に依頼することで、ひとまず一息つけるかもしれません。
生活が困難な状況にあるなら、早急に弁護士の力を借りることをお勧めします。
債務整理の費用をサポートする制度が存在する
債務者の中には、「債務整理の費用や弁護士費用が払えないから依頼できない」と考えている人も多いでしょう。
確かに、債務整理には一定の費用がかかります。裁判所への予納金や弁護士費用など、最低でも数万円から数十万円が必要です。
しかし、借金で困窮している債務者が債務整理を利用する際には、次のようなサービスや支援制度が提供されています。これにより、費用面で過度に不安を感じる必要はありません。
- 借金問題の無料相談
- 弁護士費用の分割払い対応
- 法テラスの民事法律扶助制度
特に、生活が困窮している方におすすめなのが「法テラスの民事法律扶助制度」です。利用するためには収入や資産などの要件を満たす必要がありますが、条件をクリアすれば、弁護士費用を立て替えてもらうことができます。
そもそも、債務整理は借金に苦しんでいる人を支援するための制度です。ですので、「お金がないから債務整理できない」と考える必要はありません。必ず生活再建に向けての一歩を踏み出すことができます。
借金問題がさらに深刻化する前に、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
「借金まみれ」の状態とは?
以下の3つの状態のいずれかに該当する場合、「借金まみれ」の状況に陥っている可能性があります。この状態から抜け出すためには、早急に対策を講じる必要があります。
- 返済しても借入残高が減らない
- 2社以上から借入を繰り返している
- 借入総額が年収の3分の1を超えている
それぞれについて詳しく解説します。
返済しても借金の残高が減らない理由
借金まみれの状態に陥ると、「いくら返済しても借入残高が減らない」といった状況になります。これは、借入総額に比例して利息も増加し、返済してもその大半が利息の支払いに充てられてしまうからです。
例えば、100万円を金利15%で借り入れ、50回で返済する場合を見てみましょう。
回数 | 毎月の返済額 | 元金分 | 利息分 | 借入残高 |
---|---|---|---|---|
1回 | 2万7,017円 | 1万4,517円 | 1万2,500円 | 98万5,483円 |
2回 | 2万7,017円 | 1万4,699円 | 1万2,318円 | 97万784円 |
3回 | 2万7,017円 | 1万4,883円 | 1万2,134円 | 95万5,901円 |
4回 | 2万7,017円 | 1万5,069円 | 1万1,948円 | 94万832円 |
5回 | 2万7,017円 | 1万5,257円 | 1万1,760円 | 92万5,575円 |
上記のケースでは、毎月約3万円の返済を行っているにも関わらず、借入残高はその半分程度しか減っていません。
借入残高が減少するとともに利息も減少しますので、順調に返済すればいつかは完済に至るでしょう。しかし、借入を繰り返して残高が減らない状態に陥ると、高額な利息を払い続けることになり、いつまで経っても借金が減らないという悪循環に陥ります。
借入総額が年収の3分の1を超えてしまっている状態
「借入総額が年収の3分の1を超えているかどうか」も、借金地獄に陥っているかどうかを判断する指標の一つです。
賃金業法の「総量規制」では、「年収の3分の1を超える借入」を過剰貸付と見なして制限しています。
【総量規制とは】
消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングなど、賃金業者からの借入金額に上限を設ける法律です。この規制により、年収の3分の1を超える借入はできません。例えば、年収240万円の人であれば、80万円が上限となります。
ただし、総量規制の対象となるのは消費者金融やクレジットカード会社からの借入であり、銀行や信用金庫からの借入は含まれません。
そのため、銀行や信用金庫からの借入を含めて年収の3分の1を超える借入をしている場合もあります。このような状況では、自力で完済するのは難しい可能性が高くなります。
参照:第13条の2(過剰貸付け等の禁止)|賃金業法
複数の業者から借入を繰り返している状態
2社以上から借入をしている「多重債務」の状態も、借金地獄に陥る典型的なケースです。
特に注意すべき点は、「A社への返済のためにB社から借入をし、B社への返済のためにC社から借入をする」といった状況が日常的になってしまうことです。このような場合、返済分にも新たに借りたお金にも利息がかかるため、毎月返済していても借入残高は減らず、逆に借入総額が増えていくことになります。
借入が可能なうちは、なんとか返済を続けられるかもしれませんが、限度額に達して新たな借入ができなくなると、一気に返済が困難な状態に陥ることがあります。このような状況では、自力での立て直しは非常に難しくなるでしょう。
借金が返せない場合の結果と予想される厳しい末路
お金の管理が不十分であった場合に限らず、怪我や病気など、債務者がコントロールできない事情による収入減少の場合でも、借金の返済義務は基本的に変わりません。これは、金銭消費貸借契約(民法第587条)に基づき、借入時に契約を結んでいるためです。債務整理を行わない限り、債務者には返済義務が生じます。
そのため、契約どおりに返済できない場合、いかなる事情があったとしても、次の5つのペナルティを避けることはできません。
- 滞納翌日から:厳しい取り立てが始まる
- 滞納翌日から:毎日遅延損害金が発生
- 滞納2〜3ヶ月:ブラックリストに登録される
- 滞納2〜3ヶ月:残債を一括請求される
- 滞納4ヶ月〜半年程度:財産などが差し押さえられる
これらのペナルティは、経済的・精神的に大きな負担を強いるものです。借金が返せないからと言って、そのまま放置すると、状況はどんどん悪化します。早急な対応が求められるのは、このためです。
次に、それぞれのペナルティについて詳しく見ていきましょう。
借金取り立てが続くと生活が苦しくなる
返済日が来てもお金を用意できない場合、債権者からの厳しい取り立てが続くことになります。債務者がどんなに経済的に厳しい状況にあっても、滞納している限り督促を免れることはできません。
消費者金融など、合法的に営業している貸金業者の場合、通常は督促状を送付したり、携帯電話に電話をかけたりといった穏便な方法で取り立てが行われます。しかし、個人から借金をしている場合や、闇金から借り入れをしている場合は、自宅を訪問されることや家族に連絡が行くこともあります。
返済できない状況で繰り返される取り立てほど、精神的な負担を強いるものはありません。取り立てを避けるためにも、滞納が始まる前に債務整理などの現実的な手段に早急に取り組むことが重要です。
滞納による遅延損害金で生活がさらに厳しくなる
返済日を過ぎて返済できない場合、滞納翌日から遅延損害金が発生します。遅延損害金は借金の元本や利息に加算されるため、さらに経済的な負担が大きくなり、状況は一層厳しくなります。
「遅延損害金」とは、滞納日数に応じて発生するペナルティで、次のように計算されます。
借金残高 × 遅延損害金年利率(通常20%) × 滞納日数 ÷ 365日
例えば、総額200万円の借金を滞納した場合、滞納1日で約1,096円、滞納1週間で約7,671円、1ヶ月で約32,877円の遅延損害金が加算されます。毎月の返済額とは別にこれだけの追加負担が発生するのは、軽視できない金額です。
そのため、遅延損害金を発生させないよう、また滞納した場合でもできるだけ早く返済できるように、現実的な対策を講じることが求められます。
ブラックリスト登録で日常生活に影響が出る
借金が2~3ヶ月滞納すると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」ことになります。この登録が行われると、次のようなデメリットが生じ、今後の生活にさまざまな影響を及ぼすことが予想されます。
- クレジットカードやETCカードが使えなくなる(新規発行もできない)
- 新たな借金やローンを契約できなくなる
- 賃貸物件の入居審査に通過しにくくなる
- 携帯電話やスマホの端末代金を分割払いで支払えなくなる
- 奨学金の保証人になれない
ただし、ブラックリストに登録されることによるデメリットに対しては、対処法も存在します。
催告書が届くと法的手続きが進む
借金の返済期日を過ぎて未納が続くと、通常「督促状」が送付されます。督促状が何度か送られても支払いがなされず、連絡もないままで放置されると、「催告書」が届くことになります。これは、法的手続きに移行する予兆となります。
催告書を受け取ると、債務者に対する返済義務が法的に強く問われることになります。そのため、速やかな対応が求められる重要な段階と言えるでしょう。
借金地獄から抜け出せないのに残債を一括請求される
借金を2カ月~3カ月滞納すると、残りの借金について一括請求されることになります。これは、貸金業者が設定している契約や約款に「期限の利益喪失条項」が含まれており、2~3ヶ月の滞納で「債務者が期限の利益を失った」と見なされるためです。
【期限の利益とは】
債務者が、あらかじめ決められた日まで返済を延期できる権利のことです。
「毎月の支払いさえ厳しいのに、残債の一括請求に応じるのは不可能だ」と感じる債務者は多いでしょう。しかし、滞納によるペナルティとして一括請求を免れることはできません。
もし一括請求に応じない場合、債権者は「強制執行」という法的手続きで債権回収を進めることになります。この段階まで進んでしまうと、生活基盤の多くを失い、立て直しが困難になることが予想されます。
そのため、残債が一括請求される状況にまで進んでしまった場合、強制執行が行われる前に弁護士に相談し、債務整理を進めることが重要です。
最終的に財産が差し押さえられる危険
借金の返済ができない状態が続くと、最終的には「財産や給与が差し押さえられる」という末路に繋がります。
「お金がないから支払えない」と思ってそのまま放置すると、債権者は損失を被ることになります。そのため、債務者の財産を強制執行で差し押さえることにより、債権回収が進められます。
最低限度の生活を守るため、強制執行で差し押さえられる財産には制限がありますが、それでも次のような財産は原則として処分対象となることを覚えておくべきです。
- マイホームや自家用車
- 現金や預金
- 給与
- 生活に必須でない動産
- 生命保険や年金
どの財産を差し押さえるかは債権者が決定し、債務者はその決定に口を出すことはできません。
例えば、給与が差し押さえられると会社に借金が知られてしまいますし、自宅や動産が差し押さえられると家族にも影響が及びます。
したがって、どれだけ借金問題が深刻になったとしても、強制執行だけは避けなければなりません。債務整理を利用すれば、強制執行を回避できる可能性があるため、早急に弁護士に相談することが重要です。
家族や友人からの信頼を失ってしまう
借金問題は、家族や友達にバレることもあり、関係にも深刻な影響を与えることがあります。借金が原因で信頼関係が崩れ、彼らとの絆が損なわれることが少なくありません。
経済的な困難が人間関係に悪影響を与えると、心理的なサポートを得ることが難しくなります。このような孤立した状況は、債務者にとって精神的な負担をさらに増加させることになります。
闇金や違法行為に巻き込まれる危険性が高まる
経済的な困窮が進行すると、合法的な手段での解決が難しくなり、闇金からの借り入れや違法行為に手を出すリスクが増大します。闇金から借り入れることで、さらに深刻な経済的困難に直面することになります。
また、金銭的な問題を解決しようとするあまり、犯罪に走る場合もあります。こうした行為は、法的な罰則を受けるだけでなく、社会的な信用を失う原因にもなることが多いです。
借金地獄から抜け出せないときに避けるべき行動
借金まみれで生活が困難になると、焦りから誤った選択をしてしまうリスクが高まります。その中でも特に避けるべき3つの方法があります。
- 借金返済のために新たな借り入れをすること
- 闇金や違法な取引に手を出すこと
- 借金地獄に絶望して死を選ぶこと
どれも借金問題を根本的に解決する方法ではありません。それぞれの選択肢がなぜ危険なのかを詳しく見ていきましょう。
借金返済のために新たな借り入れを避けるべき理由
生活が苦しく、返済日にお金を準備できない状況であっても、新たに他社から借り入れをすることは避けるべきです。なぜなら、借金返済のためにさらに借金を重ねても、現在の借金が減るわけではないからです。
例えば、A社への返済のためにB社から借り入れをした場合、A社の借金総額は減りますが、B社の借金が増えることになります。このように、返済窓口が増え、家計の管理がさらに難しくなるだけです。
そもそも、借金返済のために新たな借金をすること自体が誤った考え方です。借金の返済は家計内で行うべきであり、もし家計から返済できないのであれば、自力で完済を目指すのではなく、債務整理を考えるべきだということを理解することが重要です。
闇金や違法取引に関与するリスク
債務者の中には、既に滞納を繰り返し、ブラックリストに登録されている人や、総量規制に引っかかり新たな借り入れができない人も多いでしょう。このような状況に追い込まれた債務者に接近してくるのが闇金です。「ブラックでも融資OK」「審査なしで即日融資」などの魅力的な言葉で、困窮している債務者からさらにお金を巻き上げようとします。
借金返済のために新たな借金をすること自体が間違いですが、特に闇金との関わりを持つことは避けなければなりません。闇金と関わることで次のようなリスクが生じるため、絶対に関わらないようにしましょう。
- 違法金利(トイチ・トサン・トゴ)の請求
- 違法な取り立て(脅迫など)
- 口座買取・携帯買取・即日融資などの違法行為を強要される
- 個人情報を悪用されて犯罪に巻き込まれる
どこからもお金を借りられない債務者にとって、無条件でお金を貸してくれる闇金は魅力的に見えるかもしれませんが、闇金との関係を持つことで、今よりもさらにひどい借金地獄に陥ることになることを覚えておいてください。
融資を希望する場合は、闇金ではなく、親族・知人や行政の公的支援制度などを頼るべきです。そして、借金問題が深刻化する前に、弁護士に相談して債務整理などの手続きを進めることをおすすめします。
借金問題で絶望し命を絶つ選択をすること
借金で生活が困難な状態になると、借金の重圧から逃れようと命を絶つことを考える債務者も少なくありません。しかし、どんなに苦しくても死を選ぶことは絶対に間違いです。その理由は以下の3つです。
- 債務者が亡くなっても、相続人が借金の返済義務を引き継ぐだけ
- 死亡しても、生命保険が支払われない可能性が高い
- 借金問題は必ず解決可能であり、債務者が命を絶つ必要はない
最も重要なのは、どんなに困難な状況でも借金問題は解決可能だということです。目先の負担から逃れたいという気持ちは理解できますが、命を絶つことではなく、債務整理を選ぶことが正しい選択です。
まとめ
借金まみれでも生活を立て直すチャンスを掴む方法:家計管理、公的支援、債務整理の活用
借金で生活が困難になっている場合でも、必ず生活再建の道はあります。重要なのは、「家計の見直し」「公的支援制度の活用」「債務整理の実行」をうまく組み合わせることです。特に、弁護士に債務整理を依頼することで、すぐに借金から解放される実感を得ることができます。早めに解決に向けて動くことで、スムーズに新たな生活に向けた準備を進めることができるので、まずは債務整理に強い弁護士に相談してみましょう。
借金まみれで生活できない債務者に関する質問
借金まみれで生活できない債務者に関する質問をまとめました。
借金返済に追われている時、最初に取るべき行動は何ですか?
現在の借金状況を正確に把握することが大切です。その上で、完済に向けた計画を立て、「自力で完済できるか」を見極めましょう。もし自分で完済できる可能性があれば、返済計画を守り、滞納せずに進めます。しかし、完済が難しいと感じた場合は、速やかに弁護士に相談し、債務整理の手続きを始めることが重要です。
借金地獄から抜け出せる人の特徴とは?誰でも脱出できるのでしょうか?
現実から目を背けず、借金問題に真摯に向き合い、周囲に相談できる人は借金地獄から抜け出しやすい傾向があります。また、借金地獄に陥る原因となった行動をやめる努力ができる人も、抜け出せる可能性が高いです。例えば、「ギャンブルが原因で借金に苦しんでいたが、人生を変えるためにギャンブルを断つ」という決断を下せるのであれば、その人はきっと状況を改善できます。これは簡単なことではないかもしれませんが、もし難しいと感じたなら、専門家の助けを借りて問題解決を目指すことが大切です。
借金で苦しんでいるのは自分だけ?全国で借金を抱えている人の実態とは
金融広報中央委員会の発表した資料によると、単身世帯の12.6%、二人以上世帯の19.4%が借金をしているとのことです。これは、単身世帯では約8人に1人、二人以上世帯では約5世帯に1世帯が借金を抱えていることを示しています。
参照:家計の金融行動に関する世論調査2023年(単身世帯調査)|金融広報中央委員会
参照:家計の金融行動に関する世論調査2023年(二人以上世帯調査)|金融広報中央委員会