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親や兄弟、夫や妻の借金を家族が代わりに返済する義務は基本的にありません。ローン以外の個人間の借金も含まれます。
- 住宅ローン、車のローンなど
- カードローンなどのフリーローン
- 消費者金融からの借入
- 友人から、上司からなどの個人からの借金
業者からの取り立てにも応じなくてよい
目次
消費者金融などから、債務者の家族に対して借金の返済を迫られることがあります。
取り立てをされても、家族に返済義務はないため対応しないようにしましょう。貸金業者が債務者の家族に取り立てをおこなうのは違法です。
万が一家族の代わりに借金返済を迫られたら、警察に通報しましょう。取り立てだけでなく、「借金をした債務者の居場所を教える」など借金の取り立てへの協力にも応じる必要はありません。
例外的に返済義務が生じる場合がある
債務者の家族は、債務者に代わって借金を返済する義務は基本的にありません。ただし、返済義務が生じる例外があります。
次に、債務者の家族が返済義務を負う場合について解説します。
家族の借金の返済義務を負う4つの例外
以下4つのケースでは、債務者の家族が借金の返済義務を負います。
- 連帯保証人になっている場合
- 未成年のこどもが借入している場合
- 生活に必要な借金を配偶者が抱えている場合
- 借金を相続した場合
順に解説していきます。
連帯保証人になっている場合
家族の借金の連帯保証人になっている場合は、借金の返済義務を負わなくてはいけません。
連帯保証人とはお金を借りた本人と連携して、同じく借金の返済義務を持つ立場だからです。
債権者は、借金の返済を債務者と連帯保証人両方に請求できます。
債務者である家族の借金返済が滞った場合、連帯保証人となった家族のところにいきなり返済の請求が来る場合もあるのです。
また、債務者本人が借金の整理のために自己破産などの債務整理手続きをとる場合があります。
債務者本人に借金の返済義務がなくなっても、連帯保証人となった家族の借金の返済義務はそのままです。
家族からのお願いであっても、かんたんに連帯保証人になるのは避けた方がよいでしょう。
なお、自分が知らないうちに家族から勝手に連帯保証人にされていた場合は、支払い拒否ができます。
未成年のこどもが借入している場合
借金をした本人が未成年だった場合、法定代理人が返済義務を負います。法定代理人とは、未成年者の養育や扶養の義務を持つ人で、一般的には父母など親権者が該当します。
ただし、自分の子どもが未成年で借金をした場合、親が返済義務を負うのは借金の借入に同意した場合のみです。
民法の「未成年者の法律行為」では、「法定代理人の同意を得ないで締結した契約は取り消すことができる」と定められているからです。
年齢的に未熟な未成年者は、自分で物事の判断がつきにくいです。そのため、親の同意なく未成年者が結んだ契約は、無効にできると法律で保護しています。
銀行や消費者金融のカードローンなどは、利用条件を「20歳以上」としているので未成年者は利用できません。
ただし、学生ローンなど未成年者でも借入ができる金融商品は、親権者の同意があれば未成年者でも借入が可能です。
この場合は、親権者が同意しているため親が未成年の子どもの借金返済義務を負うことになります。
整理すると以下の通りです。
- 未成年者本人が親への相談なく、闇金などで借入をした→家族の返済義務なし
- 未成年者が親の同意を得て学生ローンを契約した→家族の返済義務あり
生活に必要な借金を配偶者が抱えている場合
家庭生活に必要な借金をした場合は、配偶者にも返済義務が生じます(日常家事債務)。
家庭生活に必要な借金とは生活するうえで発生する費用での借金を指し、以下のものが該当します。
- 家賃
- 食費
- 電気、水道などの光熱費
- 医療費
- 保険料
- 住宅ローン
- 教育ローン
- 車のローン など
浪費やギャンブルなどの理由による借金の場合、配偶者が返済の義務を負う必要はありません。
ただし、生活に必要な資金のための借金(日常家事債務の範囲)と判断された場合は、配偶者も返済義務を負います。
借金を相続した場合
家族が亡くなった場合、相続が発生します。相続といえば、お金や土地などのプラスの相続もありますが、借金などのマイナスの相続も対象となるのです。
債務者が亡くなった場合、家族に借金がマイナスの遺産として相続されるため、家族が借金返済義務を負うことになります。
ただし、お金や土地などのプラスの相続があれば、マイナスの相続と相殺が可能です。
もしもプラスの相続がなく借金だけを相続しなければいけない場合は、相続放棄ができます。
相続放棄ができるのは、自分が相続人と知った日から3ヶ月以内と期限が決まっているので、注意しましょう。
家族の借金問題への対策
例外を除いて、家族は借金の返済義務はありません。とはいえ、借金を抱えている家族をそのままにしておけない人も多いでしょう。
家族の借金が発覚した場合の対策方法は以下の通りです。
- 借入会社、総額を明確にする
- 債務整理をする
- 追加の借入をさせない
順に解説していきます。
借入会社、総額を明確にする
まずはどの借入会社からどのくらい借入をしているかを把握するのが重要です。借入をしいた本人も、借金の総額を把握していない可能性があります。
借金会社や総額を明確にするには、信用情報機関への情報開示請求をします。以下3つの信用情報機関すべてに請求をしましょう。
- 日本信用情報機構(JICC)
- CIC
- 全銀協(全国銀行個人信用情報センター)
窓口に足を運ぶほか、郵送やPC、スマートフォンからの請求も可能です。なお、故人への情報開示請求もできます。
債務整理をする
借金総額を把握して、返済が難しい場合には債務整理を検討します。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があり借金総額や期間、ケースによって適切なものが異なります。
弁護士などの専門家に相談してみるのがおすすめです。初回は無料相談をおこなっている事務所も多くなっています。
追加の借入をさせない
債務者となった家族に借金の癖がある場合は、返済しても借金を繰り返してしまうことがあります。
追加の借金をさせないように対策しておきましょう。日本貸金業協会の「貸付自粛制度」を利用すると、今後5年間消費者金融やクレジットカード会社からの借入ができなくなります。
債務整理をした場合も、信用情報機関に事故情報として登録されるので(ブラックリストに載る)5~10年間の借入ができません。
まとめ
家族が借金をした場合も、基本的に家族は返済義務を負いません。
ただし、連帯保証人になった場合、同意があって未成年者が借入した場合、生活に必要な借金を配偶者がした場合、借金を相続した場合は返済義務を負います。
家族の借金問題は、総額や状況を把握し、債務整理や追加の借入をさせないなどの対策が必要です。
家族の借金問題解決のためにも、弁護士などに相談してみましょう。