リボ払いは債務整理できる?任意整理をするメリットは?

ショッピングのリボ払いは、債務整理の対象になる

ショッピングのリボ払いは債務整理することができます。債務整理には任意整理、自己破産、個人再生、特定調停の4つの選択肢がありますが、リボ払いによる借金の場合、任意整理が選択されることが多いです。しかし、借入や収入など個人の状況によって最適な方法は異なるため、どの債務整理の手段を選ぶべきかは、弁護士などの専門家に相談してみましょう。

本記事では、リボ払いの解決策として選ばれることが多い任意整理をした場合のメリット・デメリットを解説していきます。

毎月支払いをしているはずなのに、リボ残高が全然減らない
リボ払いの借金は債務整理の対象?

リボ払いの支払いをし続けているとしたら、弁護士などの専門家に相談し、債務整理を検討したほうがよいかもしれません。

なぜなら、リボ払いは借金がしやすく、しかも借金残高が減りにくいため、気づいたときには多額の借金を抱えていることが多いからです。

リボ払いを任意整理するメリットは、将来利息をカットできる・督促を止められる

リボ払いを任意整理すると、以下のようなメリットが得られます。

将来利息をカットできるので、返済が楽になる

ショッピングのリボ払いを任意整理する最大のメリットは、将来的にかかる利息の支払いが免除されることです。

具体的に、どのくらい利息がカットされるのか、リボ払いの借金を任意整理で返した場合、そのまま返済し続けた場合とで比較してみましょう。

リボ払いの残高200万円の人が「そのまま返済し続けた場合」と「任意整理」をした場合

そのまま返済を続けた場合任意整理をした場合
返済回数50回50回
月々の返済額5万4305円(平均)4万円
合計返済額261万2,111円200万円

上記の通り、債務整理をすると、60万円以上の利息の支払いが免除されます。 かなり大きな金額ですよね。

電話や書類の督促を止められる

債務整理を弁護士や司法書士などの専門家に依頼すると、専門家は借入先に「受任通知」を送ります。

借入先が受任通知を受け取ると、法律に基づいて借入先は取り立てができなくなるので、電話や書類による督促が止まります。

リボ払いを任意整理するデメリットは、新たな借り入れができなくなる

リボ払いを任意整理すると、以下のようなデメリットがあります。

クレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなる

任意整理をすると、約5年間ブラックリストに登録されます。

ブラックリストに登録されると、クレジットカードを作ったり、新たに住宅ローンを組むことができなくなってしまいます。

金融機関は信用情報機関の情報をチェックして、お金を貸すことができる人か、審査をしているからです。

しかし、ローンやキャッシングを利用できなくなることで、現金で生活をする習慣が身につくため、任意整理がお金の使い方を見直す、よいきっかけになったと考える人も多いです。

借金そのものを減らすことはできない

「任意整理をすると、借金自体が減ることがある」と聞いたことはありますか?

年率15%を超える借金の場合は、利息制限法に基づいて残高自体を減額できる可能性があります。

しかし、一般的にショッピングのリボ払いの年率は15%なので、利息制限法にギリギリ抵触せず、借金自体は減額されません。

先ほどお話しした通り、任意整理で実現できるのは将来利息のカットのみなので注意しましょう。

リボ払いの返済が難しいと言われるのはなぜ?

リボ払いとは、クレジットカードの使用金額に関わらず、月々の返済額が一定になる返済方法のこと。

実は、リボ払いは借金が増えやすく、増えた借金をなかなか減らすことができない仕組みになっています。

リボ払いの利率は年率15%。消費者金融と変わらない水準

あまり知られていませんが、リボ払いの利率は年率15%と高金利です。

消費者金融の年率が4%~18%くらいなので、その利率に匹敵するほどの水準です。

そして、リボ払いはたくさん利用しても返済金額があまり増えません。

たとえば、返済金額を2万円に設定していたら、リボの残高が10万円でも100万円でも返済金額は変わりません。

このような仕組みになっているため、リボ払いを利用すると、借金が増えやすい傾向があります。

リボ払いの返済は、ほとんどが利息の支払いに充てられている

リボ払いの残高が増えていくと、月々の返済額の大半が利息の支払いに充てられるようになります。

たとえば、リボ払いの残高が100万円で年率15%の場合、月々に支払う利息は1万2,500円。

もし、リボ払いの設定金額が2万円だった場合、残高の返済に充てられるのは2万円から、利息の1万2,500円を引いた7,500円のみ。

支払い金額の約3分の1ほどしか、元金の返済に充てられません・・・。

リボ払いは月々の返済額が増えないため、継続して利用してしまいがち

先ほどの例のように、リボ払いは残高が100万円でも月々の支払金額が2万円、などというケースもあり、月々の返済額が多くないため、支払い自体は遅れずにできることが多いです。

しかし、毎月の支払ができているからこそ、利用者は借金が増えていることに気づきにくくリボ払いを利用し続け、借金が増えていってしまうのです。

リボ払いの支払い方式は、元利方式と元金方式

ちなみに、リボ払いの支払い方式は、ふたつに分類できます

契約しているクレジットカード会社のWebサイトで、リボ払いのサービスページをチェックすると記載があります。元利方式とは、返済金額は一定で、その返済の中に利息を含む方式です。

たとえば、支払いの設定金額が2万円で利息が3,000円の場合、元金に充当されるのは1万7,000円となります。

元金方式とは、月々定めた返済金額に上乗せする形で利息を含む方式です。

支払いの設定金額が2万円で利息が3,000円の場合、支払い総額は2万3,000円となり、2万円は借金残高の返済に、3,000円が手数料に充てられます。

では、支払方法によって、総返済額がどう違うのかシミュレーションしてみましょう。

元利方式

20万円の買い物をリボ払いの定額方式で支払ったとします。
毎月1万円を返済していくと、返済期間は24ヶ月、返済総額は23万1,576円となります。

詳細は以下の通りです。

回数支払額元金手数料
1¥10,000¥7,500¥2,500
2¥10,000¥7,594¥2,406
3¥10,000¥7,689¥2,311
4¥10,000¥7,785¥2,215
5¥10,000¥7,883¥2,117
6¥10,000¥7,981¥2,019
7¥10,000¥8,081¥1,919
8¥10,000¥8,182¥1,818
9¥10,000¥8,284¥1,716
10¥10,000¥8,388¥1,612
11¥10,000¥8,493¥1,507
12¥10,000¥8,599¥1,401
13¥10,000¥8,706¥1,294
14¥10,000¥8,815¥1,185
15¥10,000¥8,925¥1,075
16¥10,000¥9,037¥963
17¥10,000¥9,150¥850
18¥10,000¥9,264¥736
19¥10,000¥9,380¥620
20¥10,000¥9,497¥503
21¥10,000¥9,616¥384
22¥10,000¥9,736¥264
23¥10,000¥9,858¥142
24¥1,576¥1,557¥19
¥231,576¥31,576

元金方式

20万円の買い物を毎月1万円の元金方式で支払う場合は、返済回数20回で総返済額は22万6,250円です。

回数支払額元金手数料
1¥12,500¥10,000¥2,500
2¥12,375¥10,000¥2,375
3¥12,250¥10,000¥2,250
4¥12,125¥10,000¥2,125
5¥12,000¥10,000¥2,000
6¥11,875¥10,000¥1,875
7¥11,750¥10,000¥1,750
8¥11,625¥10,000¥1,625
9¥11,500¥10,000¥1,500
10¥11,375¥10,000¥1,375
11¥11,250¥10,000¥1,250
12¥11,125¥10,000¥1,125
13¥11,000¥10,000¥1,000
14¥10,875¥10,000¥875
15¥10,750¥10,000¥750
16¥10,625¥10,000¥625
17¥10,500¥10,000¥500
18¥10,375¥10,000¥375
19¥10,250¥10,000¥250
20¥10,125¥10,000¥125
¥226,250¥26,250

このように、借金の元金に充当される金額が多い「元金方式」のほうが、支払回数が短く、利息も少ないことがわかります。

また、もし上記の返済金額が1万円ではなく5000円だった場合は、返済回数は40回、利息は25万1,240円にも上ります。

20万円の買い物にリボ払いを利用したことで、最終的には45万1,240円も支払うことになってしまうんです・・・。

ちなみに、リボ払いの月々の返済額は、以下のいずれかであることが多いです。定額方式定額返済方式とは、残高に関わらず、月々の返済金額が変わらない方式です。

支払い金額は、カード会社の規定で決まっている場合や、自分で決められる場合もあります。

残高スライド方式残高スライド方式は、カード会社の規定に基づいて、毎月の残高に応じて月々の返済金額が決まります。

リボ払いを使用している人は、使用しているカード会社はどの方式か、一度チェックしてみましょう。

この記事のまとめ

ショッピングのリボ払いは、債務整理をすることができます。

中でも利用者が多い、任意整理のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 将来利息をカットできるので、返済が楽になる
  • 専門家に依頼すると督促が止められる

デメリット

  • 約5年間ブラックリストに登録される
  • 借金全部がなくなるわけではない

リボ払いで利息が膨れ上がってしまっている、という方は借金減額シミュレーションをしてみましょう。

今の借金総額からどのくらい減額できるのかをみるだけでも、精神的負担は軽くなります。