一人暮らしの初期費用を借りる方法と賃貸契約のポイント【注意点も解説】

一人暮らしに必要なお金を借りる方法とは?ローンや分割払いサービスの活用法

一人暮らしを始めたいけど、お金がなくて踏み出せないという方もいるかもしれません。新生活をスタートするには、まとまった初期費用が必要です。この記事では、一人暮らしを始めるためにお金を借りる方法と、役立つサービスを紹介します。

借金がある場合、賃貸契約はできるのか?

借金があることで、賃貸契約ができなくなるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。そこで、借金がある場合に賃貸契約ができるのか、審査で不利になることがあるのかについて、借金を抱えている方向けに解説します。

借金が理由で賃貸契約の審査に落ちるリスクは低い

賃貸住宅を契約する際には、家賃の支払い能力が重要です。そのため、借金があると契約できないのではないかと心配する人もいるかもしれません。しかし、基本的に借金は審査の直接的な対象とはなりませんので、借金があるからと言って審査に落ちる可能性は低いです。ただし、安定した収入があることが前提となるため、借金があっても収入が不安定であれば審査に落ちる可能性はあります。

家賃保証会社によっては審査に不利な影響がある場合も

借金を抱えている場合でも、現在安定した収入があれば、審査に通る可能性は低くなります。ただし、家賃保証会社によっては、借金があることで審査が厳しくなることもあります。では、どのようにすれば入居審査に通りやすくなるかと言うと、家賃保証会社を独立系に選ぶことです。家賃保証会社は大きく分けて、独立系、信販系、LICC系の3つに分類されます。信販系の保証会社は金融機関が運営していることが多く、借金の有無などの情報が把握されてしまいます。一方、LICC系は企業間で家賃滞納や申し込み内容の共有が行われますが、借金に関する審査は含まれていません。そのため、信販系よりも審査が通りやすくなります。最も審査が緩いのは独立系の家賃保証会社で、借金の有無は審査に影響しないため、借金があっても安定した収入があれば、入居審査に通りやすいと言えるでしょう。

借金があることは不動産屋に事前に伝えておく

不動産屋では、どの家賃保証会社を利用するかについて、あまり詳しく説明してくれないことが多いでしょう。そのため、借金があることを事前に伝えないと、信販系の家賃保証会社を利用する可能性があります。信販系の保証会社は借金に関する情報も調べるため、借金があると入居審査に落ちてしまうリスクがあります。しかし、借金がある場合でも事前に不動産屋に伝えれば、審査を通る可能性を高めることができます。借金について知らせることで、不動産屋は独立系の家賃保証会社を利用して審査を行うよう配慮してくれるでしょう。借金をしている人は収入が少ないことが多いですが、不動産屋は契約を結んで収入を得る必要があるため、契約ができるように配慮してくれることが多いのです。そのため、借金の状況をしっかりと報告することで、契約を成立させる確率を高めることができます。

入居審査で落ちやすい人の特徴

賃貸住宅を契約する際には、家賃をしっかり支払う能力があるかどうかが審査されます。そこで、審査に通りにくい人の特徴とその原因を見ていきましょう。これにより、どの要素が審査に影響を与えるかが明確になり、対策を立てやすくなります。

収入が不安定で低い方

フリーターや個人事業主など、無職ではないものの収入が低かったり不安定な場合、賃貸契約の審査に落ちやすい傾向があります。特に出来高制や歩合制で働いている場合、万が一収入が途絶えると家賃の支払いができなくなると考えられるため、これらの職業の人は審査に通りにくいことが多いです。無職よりは有利ではありますが、安定した収入が求められるのは事実です。

例えば、フリーターでも安定した月収があれば問題は少ないものの、就職したばかりで収入が不安定な場合は審査に通りにくくなります。同様に、個人事業主であっても、事業が安定していて収入が一定以上であれば問題ありませんが、事業を始めたばかりで収入が不安定な場合、審査に通るのが難しくなります。

収入が低い場合、家賃が安い物件を選ぶ、または連帯保証人を立てるなどの対策を講じることで、審査に通りやすくなる可能性があります。

無職の方

入居審査において無職の人は、特に落ちやすい傾向があります。無職だと収入がないと見なされ、家賃の支払いが難しいと判断されるからです。ただし、無職だからといって必ずしも賃貸契約ができないわけではありません。たとえば、現在求職中で十分な貯金がある場合や、内定を得ている場合などは審査に通りやすくなります。また、収入のある人を連帯保証人として立てることで、審査が通りやすくなることもあります。さらに、代理契約をお願いする方法もあります。ただし、代理契約をする場合には、契約者の収入が十分であることが必要です。そのため、契約者の収入が低ければ代理契約は難しくなる可能性があります。管理者や不動産屋によっては代理契約を認めないこともあるため、できれば自分自身が安定した職に就くことが望ましいでしょう。

過去に滞納したことがある人

過去に家賃やクレジットカード、ローンの支払いを滞納したことがある場合、賃貸契約の審査に通りにくくなることがあります。特に信販系の家賃保証会社を利用する場合、これらの情報が共有されていることが多いため、再契約をしてもまた家賃の滞納が懸念され、審査に落ちる可能性が高くなります。

滞納歴がある場合は、事前に不動産屋に正直に伝えることが重要です。そうすることで、比較的審査が緩やかな独立系の家賃保証会社を利用してもらえる可能性もあります。ただし、光熱費の滞納は審査に影響しませんが、スマートフォンの料金滞納は影響を与えるため、注意が必要です。

自己破産の履歴がある人

過去に借金をして、任意整理や民事再生を行ったものの返済ができない場合、自己破産を選択することもあります。しかし、自己破産をすると賃貸契約の審査に通りにくくなるのが一般的です。自己破産歴がある場合、ほとんどの場合、審査に通ることは難しいでしょう。

とはいえ、自己破産をしたからといって、二度と賃貸住宅を借りられないわけではありません。自己破産の情報は通常、5年から7年後にデータベースから削除され、その後であれば問題なく審査を通過することができます。しかし、そんなに長く待つことができない場合は、安定した収入のある人に連帯保証人を頼む方法があります。また、自己破産後に親身に対応してくれる不動産屋を選ぶことも一つの手です。

収入がない場合、生活保護を受ける選択肢も考えられます。生活保護を受けると、ケースワーカーがさまざまなサポートをしてくれるため、生活再建の助けとなるでしょう。

チェックされるポイントとは?

入居審査ではさまざまな要素が評価されますが、不動産屋と保証会社ではチェックするポイントが異なります。どの点が審査で重視されるのかを理解し、事前に注意することで、借金があっても審査に通る可能性を高めることができます。

不動産屋が確認するポイント

不動産屋は、家賃をきちんと支払えるかどうかだけでなく、近隣住民に迷惑をかけないかどうかも重要なポイントとして確認しています。そのため、収入や勤続年数、職種に加えて、話し方や雰囲気、身だしなみといった外見にも注意を払っています。話し方が苦手でも、敬語を使って丁寧に対応することを意識し、服装についても清潔感を大切にすると良いでしょう。

保証会社が確認するポイント

保証会社は入居者と直接対面することはありませんが、主に職種や会社名、年齢、家賃の額などをチェックします。また、生活保護の有無や借金、滞納歴なども保証会社によって調査されることがあるため、借金がある場合は事前に不動産屋に報告しておくことが望ましいでしょう。

一人暮らしを始めるための必要な費用

一人暮らしを始めるには、さまざまな費用が必要です。月々の生活費を十分に賄える経済状況でも、引っ越し費用が足りずに一人暮らしが始められない場合もあるかもしれません。ここでは、一人暮らしを始める際にかかる主な費用について紹介します。

一人暮らしの引っ越しにかかる初期費用

賃貸物件に引っ越す際には、賃貸の初期費用が発生します。この初期費用とは、賃貸契約を結ぶために必要な費用全般を指します。賃貸の初期費用は「家賃の4~6ヶ月分」が一般的な相場となっており、例えば家賃8万円の物件であれば、初期費用はおおよそ40万円程度かかります。以下に、初期費用の項目とその詳細をご紹介します。

初期費用の項目と相場

  • 敷金:家賃の1~2ヶ月分
  • 家賃滞納や原状回復のために、契約時に大家へ預けるお金。残金は退去時に返金されます。
  • 礼金:家賃の1~2ヶ月分
  • 部屋を貸してくれることへの謝礼として、慣習的に大家に支払うお金。敷金と異なり、退去時に返金はありません。
  • 前家賃:家賃1ヶ月分
  • 入居月の翌月分の家賃。
  • 日割り家賃:契約日から月末までの日割りで計算された家賃。
  • 仲介手数料:家賃の0.55~1.1ヶ月分(消費税込み)
  • 物件探しや契約のサポートに対する不動産会社への支払い。
  • 火災保険:1.5~2万円
  • 火事や災害の損害に備えるための保険料。
  • 保証会社利用料:家賃の50~100%
  • 保証人の代わりをしてくれる家賃保証会社への支払い。
  • 鍵交換代:1.5~2万円
  • 設置されている鍵を新しいものに交換するための費用。

これらの初期費用の項目には交渉によって値下げできるものもあります。

一人暮らしに必要な家具・家電費用

一人暮らしを始める際、新しい家具や家電が必要になるため、その購入費用が発生します。最低限必要な家具や家電を揃えるためには、10万〜20万円程度かかるとされています。家具や家電の購入費用を節約する方法には、以下のようなものがあります。

  • 最低限必要なアイテムを少しずつ揃えていく
  • リサイクルショップやフリマアプリを活用する
  • 現在の住居から引っ越し先でも使えるものを持ち込む

これらの方法で、費用を抑えることが可能です。

引っ越し業者にかかる費用

引っ越し業者の費用は、荷物の量、移動距離、時期によって異なります。例えば、単身で近距離の引っ越しであれば、費用は約4万円ほどで収まりますが、距離が長くなったり荷物が多くなると、費用が約8万円程度に変動することもあります。引っ越し費用を抑えるためには、引っ越しの時期も重要で、特に3月や4月の繁忙期を避けることをお勧めします。複数の業者から見積もりを取って、条件や価格を比較することで、最適な業者を選ぶことができます。

  • 荷物の量
  • 運搬距離
  • 引っ越しの時期

例えば、繁忙期(2〜4月)の引っ越し相場は次の通りです。

単身(荷物小)単身(荷物多)~15km未満(同一市区町村程度)約44,000円約61,000円
~50km未満(同一都道府県程度)約48,000円約66,000円
~200km未満(同一地方程度)約57,000円約87,000円
~500km(近隣地方程度)約67,000円約107,000円
500km以上(遠距離地方程度)約79,000円約128,000円

一人暮らしの場合、以下の方法で引っ越し費用を節約することができます。

  • 単身パックを利用する
  • フリー便を利用する
  • 自力で引っ越しをする

無理のない範囲で、引っ越し業者にかかる費用を抑える工夫をしましょう。

賃貸契約時にかかる初期費用

賃貸物件に引っ越す際には、初期費用が必要となります。賃貸の初期費用とは、賃貸契約時に発生する様々な費用を指し、一般的には「家賃の4〜6ヶ月分」が相場です。例えば、家賃が8万円の物件の場合、初期費用は約40万円ほどとなります。初期費用に含まれる項目とその詳細は以下の通りです。

初期費用の項目相場詳細
敷金家賃の1~2ヶ月分家賃滞納や原状回復費用として契約時に大家に預けるお金。残額は退去時に返金されます。
礼金家賃の1~2ヶ月分部屋を貸してもらうことへの謝礼として、慣習的に大家に支払うお金。敷金とは異なり、退去時に返金されることはありません。
前家賃家賃の1ヶ月分入居する月の翌月分の家賃。
日割り家賃契約日から月末までの家賃を日割りで計算した金額。
仲介手数料家賃の0.55~1.1ヶ月分(消費税込)物件探しや契約サポートの対価として不動産会社に支払う費用。
火災保険1.5~2万円火事や災害による損害に備えて保険会社に支払う金額。
保証会社利用料家賃の50~100%保証人の代わりをしてくれる家賃保証会社に支払う金額。
鍵交換代1.5~2万円設置されている鍵を新しいものに交換するための費用。

賃貸の初期費用には交渉次第で値下げできる項目もあるため、費用削減を目指して不動産会社との交渉を行うことも可能です。

一人暮らしのためにお金を借りる方法

一人暮らしを始めるには、引っ越し初期費用、引っ越し業者費用、家具や家電の購入など、さまざまな費用がかかります。そのため、引っ越しの際にはまとまったお金が必要です。もし貯金があれば問題ありませんが、そうでない場合はお金を工面する方法を考える必要があります。この記事では、さまざまな理由で一人暮らしを考えている人が、お金を借りる際の選択肢を紹介します。

家族や親戚からお金を借りる方法

最も現実的な方法は、親や親戚からお金を貸してもらうことです。すぐにお金が準備できなくても、収入が安定した際に返済を始める、または毎月一定額を返済していく条件で貸してもらうという選択肢があります。この方法では基本的に利息が発生しないため、銀行やカードローンで借りるよりも安心感があります。しかし、家族や親戚に経済的に余裕がない場合や、家族との関係が良好でない場合は、この方法を選ぶことができません。

カードローンを利用する

カードローンは、融資を申し込むことでお金を借りる仕組みです。審査に通りやすく、特に融資理由が明確であればさらに審査が通りやすくなります。カードローンは手軽にお金を借りられる一方で、年利が14〜18%と高めに設定されており、返済に時間がかかると利息が大きな負担となります。また、簡単に借りられるために借金が習慣化してしまうリスクがあり、慎重に利用を考えるべき選択肢です。

銀行のフリーローンを利用する

銀行のフリーローンは、融資理由に関係なく自由に使えるお金を借りることができる制度です。銀行からの借り入れであるため、安心感があり、また年利はカードローンよりも低いことが多いのが特徴です。しかし、銀行のローンは審査が厳しく、結果が出るまでに3日から1週間程度かかることがあります。そのため、急いで引っ越しをしなければならない場合には、フリーローンは適していないかもしれません。

一人暮らしを始めるためにお金を借りる際の4つのポイント

一人暮らしを始めるためにお金を借りる際には、注意すべきポイントがあります。返済額が過剰に増えないようにし、生活への影響を最小限に抑えるためにも、以下の4つの注意点を意識することが大切です。
返済計画をしっかり立てる
契約内容や金利を十分に確認する
借りる目的を明確にし、必要以上に借りない
滞納を避け、信用情報に傷をつけない

これらの注意点について、詳しく解説していきます。

返済計画を事前に立てておく

借り過ぎや滞納を避けるために、お金を借りる前に返済計画をしっかり立てることが大切です。無理なく返せる現実的な計画を立てることが重要です。多くの銀行や消費者金融では、ホームページに返済シミュレーションを提供しています。このシミュレーションを使えば、「毎月の返済額で完済までにかかる期間」や「金利を含めた返済総額」などが確認でき、返済計画を立てる際の参考になります。ぜひ積極的に活用しましょう。

借りる目的を明確にし、過剰に借りない

お金を借りる前に、以下の点をしっかり確認しておきましょう。
・お金を借りる目的は何か
・その目的を達成するために必要な金額はいくらか
・本当にお金を借りる必要があるのか

お金を借りることは、利息の支払いや滞納リスクといったデメリットを伴います。キャッシングやカードローンなど、手軽にお金を借りる方法があるため、つい借りすぎて返済が困難になる人も少なくありません。借り過ぎを防ぐためには、目的を明確にし、「必要以上に借りない」ことを心掛けましょう。

契約内容と金利をしっかり確認する

銀行や消費者金融によって契約内容や利息は異なりますが、同じ金融機関でも借りる金額によって契約内容や利息が変動することがあります。もし誤った利息をもとに返済計画を立ててしまうと、返済期間の延長や滞納につながる可能性があります。お金を借りる前に、契約内容や利息を十分に確認しておくことが重要です。

滞納が信用情報に影響を与える

お金を借りて滞納すると、その履歴が信用情報に記録され、いわゆる「信用情報に傷がつく」状態になります。この履歴は最低でも5年間残り、他のローンを申し込んだ際に審査に通らないリスクが高くなります。信用情報に傷がつくと生活に深刻な影響を与えるため、お金を借りる際は、前述の注意点を踏まえて慎重に判断することが重要です。

一人暮らしを始めるための資金調達方法:借り入れ以外の選択肢

一人暮らしを始めるためにお金を借りることを考えている方は、まずはお金を借りずに済む方法を探してみましょう。費用をできるだけ抑える工夫をしたり、引っ越し初期費用を分割払いできるサービスを利用したりすることもおすすめです。

初期費用を削減する方法

引っ越し初期費用の中で大きな割合を占める敷金や礼金は、一般的にそれぞれ家賃1ヶ月分となっています。しかし、物件によっては敷金・礼金がゼロの物件もあり、そこで契約できれば家賃2ヶ月分を節約できます。さらに、不動産会社を介さず、直接管理会社や大家さんと契約すれば、仲介手数料(相場は家賃の0.5~1ヶ月分)を支払う必要がなくなります。

家具・家電が備え付けの物件を探す

一人暮らしを始める際、家具や家電の購入は大きな費用がかかります。そこでおすすめなのが、家具・家電付きの物件を選ぶことです。このような物件であれば、引っ越し後すぐに新生活を始めることができ、必要な家具や家電がすでに整っています。さらに、次回引っ越す際にも荷物が少なくて済むという利点もあります。

初期費用を分割で支払う

お金を借りる前にぜひ考慮したいのが、初期費用の分割払いサービスです。「smooth」では、選んだ物件の初期費用を3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、48ヶ月の期間で分割払いすることができます。ローンとは違い、分割払いなので安心感があり、一度に重なる出費を避けて負担を分散することができます。

まとめ

一人暮らしを始めるには一定の資金が必要ですが、すぐにお金を借りる決断をするのはリスクがあります。引っ越し費用をできるだけ抑え、初期費用の分割支払いサービスなどを利用して、無理なく新生活をスタートさせましょう。