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債務整理をするまえに、準備をしておくと専門家への相談や手続きがスムーズに進み、借金問題の解決が早くなるメリットがあります。
債務整理前に準備しておくべきことは以下の通りです。
- どの専門家に相談するか決めておく
- 本当に債務整理するべきなのか考える
- 借金状況、借金先を確認する
- 一カ月の収支状況を確認する
- 完済している貸金業者の情報をまとめておく
それぞれの準備でやるべきことを順に解説していきます。
どの専門家に相談するか決めておく
目次
債務整理の相談や実際の依頼は、弁護士または司法書士にします。弁護士と司法書士それぞれで費用やできることが異なります。
- 弁護士…法律相談、交渉、訴訟ができる
- 司法書士…個別の債権額(借金および過払い金)が140万円以下の場合に、法律相談、交渉、訴訟ができる
また、債務整理のなかには弁護士でしか手続きができない自己破産の少額管財手続きなども存在します。
専門家ごとの役割などを踏まえておくと、債務整理手続きによっては依頼をし直す、といった二度手間もはぶけます。
借入額が140万円を超えている場合や、早期解決を望む場合は弁護士へ依頼しましょう。
本当に債務整理するべきなのか
債務整理とは、現在の借金を完済する見通しがつかなくなった(支払不能)債務者の生活再建と借金問題解決のための方法です。
ただし、人によって支払不能の基準は異なるため「借金が〇円あるから債務整理」「年収の何パーセントが借金になったら債務整理」といった基準もありません。
借金額が100万円でも、債務者の収入や勤務先、生活によっても支払不能となる人と、ならない人がいます。
本当に債務整理するかを考えるとともに、ほかの方法がないかを考えたいときにも、専門家への相談が有効です。
借金状況、借入先を確認する
自分の現在の借金状況と借入先を整理、確認しておくのも重要です。
専門家へ依頼をすると、借入先などの調査はおこないますが、あらかじめ借金状況や借金先を整理してまとめておくと、手続きがスムーズになります。
- どこの債権者で、いつから借り始めたのか
- 現在、自分が認識している残債務額はいくらか
- 過去に高金利(おおよそ年利20%超え)で取引していて完済した業者があるか
どこの債権者で、いつから借り始めたのか
専門家が債務整理の依頼を受けると、債権者に受任通知を送付します。受任通知を送付すると、債権者からの取り立てがストップします。
ただし、受任通知を送付するのにも、債権者がどこか分からないと送付できません。
借入先の名前、住所、電話番号、借入をした日、最後に返済をした日を記載した、借入先の一覧表を作っておきましょう。
一覧表は特定の書式があるわけではないので、分かりやすくまとめればどんな書式でも問題ありません。手書きでも大丈夫です。
いつから借り始めたのかがあらかじめ分かっていると、過払い金の可能性や遅延損害金の有無などの予測が立てやすくなります。
よりスムーズかつ適切な債務整理手続きにつながるため、借入した日と最後に返済をした日もまとめておきましょう。
借入時の契約書などがあれば、相談時に一緒に持参します。
現在、自分が認識している残債務額はいくらか
借金の総額が分からないと、どの債務整理方法が適しているかが判断できません。自分が認識している範囲で、どのくらいの借金があるかをまとめておきましょう。
過去に高金利(おおよそ年利20%超え)で取引していて完済した業者があるか
過去に高金利(おおよそ年利20%超え)で取引していた場合、過払い金が発生している可能性が高いです。
その借金が完済している場合は過払い金の返還請求手続きができます。現在の借金だけでなく、過去に高金利で取引をしていて完済した業者があるかどうかも調べておきましょう。
1ヶ月の収支状態を確認する
現在の借金状況や総額の情報だけでなく、1ヶ月の収支状態もまとめておきましょう。
- 1ヶ月の収入
- 1ヶ月の家賃、光熱費、車のローン、携帯電話料金などの固定支出
- 1ヶ月の食費や衣類、日用品などだいたいの支出
- 毎月ではないが支払いが決まっているもの(車検など)
債務整理手続きのなかでも、任意整理や個人再生は手続き後の借金を3~5年かけて返済していきます。
適切な返済計画を立てるためにも、債務者の収支状態を確認するのは重要だからです。
また、適切な債務整理手続きが何かを判断するうえでも、1ヶ月の収支状況が必要になります1ヶ月の収支状況をまとめておくと、毎月どのくらい返済できるか、弁護士費用を支払えるかなども判断できます。
完済している貸金業者の情報
現在の借金だけでなく、完済した貸金業者の情報も確認、まとめておきましょう。過払い金が発生している可能性があるからです。
過払い金とは、利息制限法の上限を超える不法な金利(グレーゾーン金利)によって発生した利息のことで、本来は支払わなくてよい利息です。
グレーゾーン金利による借入をしていて利息を払っていた場合、過払い金が発生しているので返還請求ができます。
完済した借金が貸金業法改定前の2010年6月17日以前のものだった、または年利20%以上の高い利息を払っていた場合には、過払い金が発生している可能性があります。
完済した借金の過払い金請求をしたところ、現在の借金の残債に充てて完済できたというケースも多いです。
過払い金の返還請求のみをして、債務整理はしなくてもよくなる可能性もあります。
現在の借金状況や1ヶ月の支出だけであく、過去に完済した貸金業者の名前、住所、電話番号、借入をした日、最後に返済をした日、利率などをまとめておきましょう。
とくに過去の借入の場合、信用情報機関に情報を開示しても情報が削除されている可能性があります。できるかぎり自分で情報を集めておくのが重要です。
まとめ
債務整理前にやっておくべき準備は以下です。
- どの専門家に相談や依頼をするか決める
- 債務整理以外の方法があるかを考える
- 借入先の情報や現在の借入総額、1ヶ月の支出、過去完済した借金の情報をまとめておく
債務整理をした方がいい、という明確な基準はありません。債務整理をするかしないかを悩んでいるときにも、専門家への相談は有効です。
過去に完済した借金から過払い金が発生している可能性もあります。
また、債務整理をする場合にも的確な方法や返済計画に従って、借金問題の解決に向かってくれます。
借入先の情報などは、あとから調査で判明しますが、相談の時点で準備しておくと適切な債務整理方法や過払い金の可能性などが分かります。
スムーズな手続きにもつながるので、自分にできる限りの準備をしたうえで、弁護士などに相談してみましょう。