
「090金融」とは、固定電話を使わず携帯電話のみで営業を行う違法金融のことです。
最近の闇金は摘発を逃れるために勧誘や利用者とのやり取りにおいて携帯電話しか使いませんので、090金融は闇金と同じだと考えて結構です。
090金融は街頭広告、夕刊紙、SNSなど、あらゆる手口を用いて勧誘を行います。
「少額だから返済は大丈夫…」と軽率に利用してしまい、違法な取立て被害に遭う方が増加しています。
この記事では、
- 090金融の基礎知識
- 090金融の勧誘手口
- 絶対にお金を借りてはいけない理由
- 借りてしまった場合の対処法
以上の4点について解説します。090金融の被害に遭わないよう気をつけましょう。
目次
090金融とは
「090金融」とは違法な金融業者の一つです。
固定電話を持たずに営業をおこない、連絡方法は「090」「080」「070」から始まる携帯電話のみを使うことから、090金融と呼ばれています。
日本国内で貸金業を営む場合、金融庁や自治体に「固定電話の番号登録」が義務付けられています。
また、未登録で利用者を広告・勧誘する行為は禁止されています。
しかし、090金融は金融庁や自治体への登録は行っておらず、その上携帯電話だけで宣伝・営業をおこなっています。
店舗を持たず、金融庁・自治体に登録をせずに貸金業をおこなう090金融は違法業者なので利用してはいけません。
090の実体は闇金
しかも090金融は
- 「トイチ・トサン・トゴによる法外な金利での貸付け」
- 「脅し・恫喝による取立て」
- 「嫌がらせ行為」
- 「家族や会社への連絡」
などの違法行為を平気で行ってきます。
090金融は固定電話営業などの闇金と形式は違いますが、違法金融であり闇金の一種です。
「2,3万円しか借りてないからすぐに返せる…」と軽率に利用したことで、利息はあっという間に膨れ上がり、厳しい取立てに悩まされる利用者が多くいます。
もし今、090金融の取り立てや嫌がらせに困っているなら、速やかに関係を断ち切るための対処が必要になります。
090金融は逮捕・摘発を逃れるために作り出された闇金の一種
かつての闇金は近場でお金に困っている人を相手に違法金融を行っていました。
しかし、対面での違法な貸し付け・取立てをすると顔がバレて証拠も残るためリスクが大きいです。
例えば、利用者が警察に駆け込んだり、弁護士に相談することで「携帯の使用停止」「銀行口座の閉鎖」「訴訟」「逮捕」される恐れがあります。
そこで携帯電話とインターネットの普及に目をつけた闇金は「逮捕の危険性を少なくする」「利用者を全国に広げる」という2点を目的として090金融を作り出しました。
このように090金融は逮捕されるリスクを少なくして、しかも全国からたくさんの利用者を獲得することができます。
このようなことから、昨今の闇金は090金融が主流になっています。
090金融とソフト闇金の違いは何?
では、090金融とソフト闇金は何が違うのでしょうか。
どちらも携帯電話だけを使って「法外な利息で貸し付ける」「利用者とやり取りをおこなう」「宣伝・勧誘をおこなう」という意味では同じです。
大きな違いとしては、090金融は闇金ときいてイメージするように利用者に対して暴力的な取立てをおこない言うとおりに従わせます。
一方でソフト闇金は親切な対応を装おうことで利用者自らが積極的に利息を支払うように仕向けます。
090金融もソフト路線に転向するなど、両者の境界線は曖昧になってきていますが、あえて違いをあげるならば以下のようになります。
090金融 | 支払いが滞ると「脅す」「嫌がらせをする」「厳しく取り立てる」「支払わないと違法行為に加担させる」 |
ソフト闇金 | 支払いが滞っても「手持ちのお金だけ支払わせる」「支払いを猶予してあげる」「長期に渡ってお金をむしり取る」 |
090金融はどこで携帯を手に入れるのか
090金融にとって携帯電話は必需品です。
携帯電話は悪質な方法で利用すればすぐに携帯会社から利用を止められてしまいます。
そのため、闇金の営業など悪質な利用をする090金融は携帯電話の確保が何よりも重要です。
かつてはプリペイド式携帯電話を利用していましたが、本人確認が義務付けられたことで悪用することが難しくなりました。
そのため、090金融はお金を借りた利用者や家族に携帯を契約させるなど、いわゆる「飛ばしケータイ」を使ったり、不正な方法で入手して足が付かないようにしています。
- 携帯を新たに契約させて郵送させる
- 利用者が使用している携帯を取り上げる
- 携帯業者から不正に手に入れる
- 盗品を利用する
契約した携帯を他人に貸したりするのは法律違反です。
090金融の違法行為に加担したことになりますので、携帯の契約や引き渡しを要求されても応じてはいけません。
090金融の勧誘手口
090金融はさまざまな手口を用いてお金に困っている人を勧誘します。
チラシ、ダイレクトメール、FAXDM、SNS(Twitter、LINE)などを使って、業者名・携帯番号だけを名乗って利用者を集めます。
090金融の勧誘手口を詳しく解説します。
街頭広告
街頭を使った広告は090金融の勧誘手口のうち、もっとも古くから使われている方法です。
電柱や空き地の壁などに「お金貸します!」「即日融資!」などの甘い言葉を使った貼り紙をはります。
連絡先に業者名と携帯電話しか記載されていない場合は間違いなく090金融です。
そもそも、まともな金融業者であればそのような怪しい勧誘方法は行いません。
お金に困っている状態の場合、そのような貼り紙が「救いの神」のように見えるものですが、利用したら返済地獄が待っています。決して連絡をしてはいけません。
ダイレクトメール
ダイレクトメールを用いた勧誘手口も注意が必要です。
090金融(闇金業者)は、名簿屋と呼ばれる業者から多重債務者の個人情報リストなどを入手し、手当たりしだいにダイレクトメールを送りつけます。
また、自己破産をした人は官報に住所や氏名が掲載されるため、このような人にもダイレクトメールを送付して勧誘を行います。
もし、即日融資などをうたう怪しいダイレクトメールが届いた場合には、絶対に連絡などはせず無視するようにしましょう。
新聞・雑誌の広告欄
「新聞や雑誌に載っている金融業者であれば安心」と思いがちな方もいます。
しかし、、スポーツ新聞や週刊誌の中に090金融の広告が潜んでいる場合があるため注意してください。
3行広告と呼ばれるような小さな広告欄に「即日融資」「審査なし」とともに携帯番号が書いてあるものがそれです。
もし、そこに記載されている電話番号が固定電話ではなく携帯電話番号ならば、間違いなく090金融ですので連絡をしてはいけません。
SNS
最近はTwitter、LINEなどのSNSで090金融の勧誘が行われることも増えています。
そのため、日常的にSNSを利用している方は注意が必要です。
SNSで「#お金貸します」「#お金に困っている人は連絡ください」などのハッシュタグを見かけても連絡してはいけません。
ほとんどがソフト闇金や090金融の集客です。
このような業者は融資条件などと称して個人情報を聞いてきます。
お金を借りなかったとしても、個人情報を渡してしまったばかりにトラブルに巻き込まれる可能性がありますので要注意です。
FAXDM
FAXDMとは、FAX機にダイレクトメールを送信する広告手法です。
FAXを設置している一般家庭は少ないですので、ターゲットは個人事業主や中小企業の経営者です。
誰もが送信されてきたFAXは必ずチェックします。FAXDMはお金に困っている人が閲覧する確率が高い宣伝手法のため090金融はよく使う手口です。
「事業資金融資」「即日入金」などの宣伝文句で、資金繰りで困っている事業者を勧誘します。
090金融は事業に行き詰まっている会社の名簿を買い取ってFAXDMを送りつけてきますので、そのようなFAXを使った融資の誘いに乗ってはいけません。
絶対に090金融から借りてはいけない理由
繰り返しになりますが、090金融からお金を借りてはいけません。「話を聞くだけでも…」などの理由で闇金に連絡をしようとする方がいますが、相手に情報を与えることになるため連絡も控えるべきです。
090金融からお金を借りてはいけない理由を以下で解説します。
違法な高金利を設定している
090金融は闇金であるため違法な高金利を設定しています。
トイチ(10日で1割)・トサン(10日で3割)という闇金業態で使用されている違法金利を用いることで、あっという間に借金が膨らんでしまいます。
例えば、トイチで10万円を借りた場合1ヶ月で13万円、半年で45万円、1年間でなんと300万円まで借金が膨らんでしまいます。
このように090金融から高金利でお金を借り入れると、あっという間に借金が支払うことができない額まで膨らんでしまいます。
返済不能に陥り生活が破綻する
090金融からお金を借り入れると返済不能に陥り、生活が破綻してしまいます。
先述したように090金融(闇金)は法外な高金利で貸し付けます。
そんな金利で借り入れをすると、あっという間に利息は膨れ上がります。ただでさえお金に困っている人が完済できるわけはありません。
気がついたら複数の闇金に手を出してしまい借金地獄に陥るケースが大半です。
軽い気持ちで090金融に手を出したばかりに元の生活に戻れなくなることになります。
執拗な取り立てが行われる
090金融からお金を借りて支払いが少しでも遅れると執拗な取り立てが行われます。
早朝や深夜など時間構わずに執拗な取り立てがあります。それでも支払わなければ家族や職場に必ず連絡が行きます。
090金融は闇金ですから、お金を支払わせるために利用者が嫌がることを徹底しておこないます。
本来、「嫌がらせ」「脅し」「早朝深夜の連絡」「家族・職場への電話」などは貸金業法で禁止されていますが、そのようなルールを無視した取り立てを行うのです。
個人情報が流出する
090金融からお金を借りてしまうと、あなたの個人情報は他の闇金にも流出すると考えて間違いありません。
個人情報(名簿)は闇金ビジネスにおいて重要なネタです。
個人情報(名簿)は売買されたり、関連する闇金にも流れたりするため、仮に一つの090金融に完済したとしても、別な闇金から次々と勧誘の連絡が来るようになります。
090金融を一度でも利用したら、その後、闇金の誘いは頻繁に来ます。決してその勧誘に乗ってはいけません。
090金融の被害に遭った場合の対処法

090金融からは絶対にお金を借りてはいけません。
しかし、すでに借りてしまい違法な高金利や取り立てに悩まされている方もいるかと思います。
そのような方は以下の対処法を検討してください。すぐに問題を解決することが可能です。
警察へ相談する
090金融からお金を借りてしまい、業者から脅迫まがいの取り立てを受けている。
もしくは職場や自宅への嫌がらせがひどいというケースの場合は、まず警察への相談を検討することになります。
お住まいの警察の生活安全課に闇金被害に遭っていることを相談します。
相談する際には闇金被害の証拠を準備しておくとスムーズに進みます。
そのため、警察へ訪問する際は、「090金融との通話履歴」やお金のやり取りを確認できる「入出金履歴」などの証拠を事前に集めておくようにしましょう。
警察署に相談した後、事件性が高ければ刑事事件として警察は動いてくれますので問題解決できる可能性は高まります。
ただし、「事件性が少ない」「証拠が無い」という場合には警察署によっては対応を後回しにされることがあります。
その間に、090金融の取り立てが激しくなって生活に支障をきたすケースがあります。
そのため、早めに対処したい場合は、闇金問題に強い弁護士や司法書士に相談するのが適切です。
弁護士・司法書士へ相談する
090金融の被害に遭った場合に有効な対策が、闇金問題に詳しい弁護士や司法書士などの専門家に相談することです。
090金融問題の専門家であれば、依頼をすることですぐに執拗な取り立てや、職場に対する嫌がらせをストップすることが可能です。
弁護士・司法書士に依頼するメリットを表にまとめました。
【弁護士・司法書士に依頼するメリット】 |
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・090金融からの執拗な取り立てを止めることができる ・職場や自宅に対する嫌がらせをやめさせることができる ・090金融への支払いは元本も不要になる ・解決後は一切連絡が来ることがない ・生活の立て直しを図れる |
まとめ
090金融はさまざまな手口を用いて利用者を勧誘します。
しかし、その実態は反社会勢力が関係している闇金業者であるため、絶対にお金を借りてはいけません。
090金融を利用すると、法外な金利や取り立てにより生活が破綻してしまいます。
もし090金融をすでに利用してしまった場合には、お伝えしたように速やかに対処しましょう。
闇金問題に強い弁護士・司法書士に依頼すれば早急に問題を解決できます。